玉川上水を歩く (68) 新堀橋から羽村大橋

東京と縁もゆかりもない人であっても
「玉川上水」という名前は聞いたことがあるだろう。

玉川上水は、
人口が増え続ける江戸に飲み水を供給するため、
1653年に玉川兄弟によって作られた。

羽村取水堰で多摩川から取水し、
武蔵野台地を流れて四谷大木戸まで全長43km。
本企画「玉川上水を歩く」では、
この43kmを四谷から羽村まで遡って歩いてみた。

→ 玉川上水を歩く Index


1日目は2019年2月18日。四谷大木戸を出発し、
玉川上水暗渠の上の緑道を笹塚まで歩いた。

2日目の2019年3月20日は、前回の終点、
新宿区笹塚「南ドンドン橋」を出発。
杉並区久我山の「岩崎橋」まで。

3日目の2019年3月24日は、
岩崎橋を出発、三鷹駅前の三鷹橋まで。

4日目の2019年3月31日は、
三鷹駅を出発、桜を見ながら小金井橋まで。

5日目の2019年4月6日は、
小金井橋を出発、小平市鷹の台駅近くの鷹の橋まで。

6日目の2019年4月21日は、
鷹の橋を出発、立川市武蔵砂川駅近くの見影橋まで歩いた。

7日目の2019年5月3日は、
見影橋を出発、拝島駅駅前の平和橋まで歩いた。

8日目の2019年5月5日は、
平和橋を出発、玉川上水の起点である
羽村取水口まで歩いた。

この記事で歩いた部分を青線で示した。地図はクリックすると拡大して見られる。

この記事では、
8日目、新東京百景に数えられる新堀橋から、
多摩川と玉川上水をまとめて渡る羽村大橋までの写真を載せた。


加美上水公園ビジターセンター

福生加美上水公園ビジターセンター

新堀橋の北西角に
加美上水公園ビジターセンターがあったので入ってみた。

福生加美上水公園ビジターセンター

もともと「東海居」という尼寺だった建物で
2016年7月にビジターセンターとして開所したらしい。
トイレや休憩に利用できるほか、
古い生活用品の展示物の見学もできる。
福生加美上水公園自然塾の拠点にもなっているようだ。


ビジターセンターの横から玉川上水の側道へ入る。
上水を遡ってしばらく歩くと、
長徳寺の「上水植物園」の石碑や
水上様を祀ったものなのか、小さな祠があった。
長徳寺は宮本橋の南にあった寺の名だ。

・宮本橋 → 玉川上水を歩く(66) 熊野橋から宮本橋

上水植物園 長徳寺

この小祀を過ぎたところで、福生市から羽村市へ入った。

小祠

このあたりの玉川上水は、多摩川から引き込まれたばかり。
水路は明るく広々としており、周辺の風景ものんびりしている。

玉川上水と側道

堂橋(どうばし)

新堀橋から500mくらい歩いたところで、
羽村市に入って最初の橋、堂橋が架かっていた。

堂橋

堂橋は川崎街道の堂坂に架かる橋。
堂坂は、昔は奥多摩街道と交差していて、
坂の途中には薬師堂があったとのこと。

堂坂を下って川崎街道を西へ行くと多摩川になり,
「川崎の渡し」があった。
多摩川の対岸には、今も渡しの跡の石積みと
馬頭観音が残っているそうだ。

堂橋から多摩川方面へ続く堂坂(川崎街道)

羽村市に入っても勿論フェンスの禁止看板は健在だ。

玉川上水フェンスの禁止看板@羽村市

羽村大橋

堂橋から1km程歩くと、橋と何かの施設が見えてきた。
多摩川に架かる羽村大橋と、羽村導水ポンプ所だ。

羽村導水ポンプ所受変電所と羽村大橋

橋の手前に見えていたのは、ポンプ所の変電所だった。

変電所の横を通り過ぎ、羽村大橋の下をくぐる。

羽村大橋

羽村大橋は1974年竣工で、
北西があきる野市、南東が羽村市。

多摩川にかかる橋だが、
羽村堰に近いため
多摩川と共に玉川上水の上に架かっている。

下流側には歩道もあるらしいので、
歩いて渡れば素晴らしい風景が見られるに違いない。