アニメ覚え書き(2024年4月~2024年6月)

2024年7月19日時点で見終わったアニメ備忘録。


ダンジョン飯

 2024年1月〜6月。原作は2014年から2023年に『ハルタ』で連載された漫画。
 単行本の1巻が発売された時から読んでいて,こんなに面白いのにアニメ化されないのかな?と思っていたが,完結してからアニメ放送をするという最高の見せ方が企画されていたのか?! 満を期してのアニメ化なので大変出来が良く,原作のイメージそのままで,まるで原作を読んでいるかのような気分になる。
 2クールで一旦終了だが,もちろん最後までアニメ化してくれるんだよね?


MASTERキートン

 1998年10月〜1999年3月放映(TV24話+OVA15話)。原作は1988年〜1994年に『ビッグコミックオリジナル』に連載された漫画。
 原作を一部読んだことがあったが,アニメ化されていることは知らなかった。全39話Netflixで配信されていたので視聴した。
 オッサンばかり出てくる渋い作品だが,どの回も本当にどこかにそんな話があるのではと思ってしまう面白さと緊張感でとても面白く,見終わるのが心から残念だった。そのうち原作を購入しもう一度読んでみたい。


終末トレインどこへいく?

 2024年4月〜6月。オリジナルアニメ。
 7Gの開通と共に池袋を中心にでたらめに様変わりしてしまった世界で,友人に会うため吾野(埼玉県飯能市の西武鉄道の駅:知らんがな…)から電車を操縦して池袋へ向かう女子高校生4人の友情と冒険の物語。「友達だから」みたいなのはウザくて苦手だが,それを除くとまずまず面白かった。もう少し辛口な話でも良かったなと思うがテレビアニメなのでこの程度がいいのかな。


戦国妖狐

 2024年1月〜4月。2024年7月〜第2期予定。
 原作は『月刊コミックうブレイド』で連載された水上悟志氏による漫画作品。
 「世直し姉弟」を名乗る妖狐の「たま」と,たまの義姉弟の仙術使い「迅火(じんか)」。そして彼らと旅をする真介。舞台はかたわら(妖怪?)と人間が共存する世界。かたわらと人間の関係性や登場人物たちの成長していく様子が興味深かった。灼岩が活動を停止した回の特殊エンディングには泣けた。
 7月からの第2期の放送開始に向けて第1期を振り返る会など放映されており,続きも楽しみ。


烏は主を選ばない

 2024年4月〜6月。原作は阿部智里著ファンタジー小説八咫烏シリーズ。
 日本のどこかのような場所に住む八咫烏の一族の長争いや妃候補の争いなどが描かれ,少しサスペンスっぽい。6月までの12話で金烏の妃が決定し,7月からは新章『黄金の烏』が放映。
 最終話のあせびの君,なかなか凄かったなー。


変人のサラダボウル

 2024年4月〜6月。原作は平坂読著ライトノベル(ガガガ文庫)。
 イラストはカントク担当ということで,『妹さえいればいい。』を彷彿とさせ,実際同じ名前の登場人物(別人)が出てきたりする。
 別世界の信長の子孫(魔法が使える)が追われて転移してきたという荒唐無稽な設定だが,それ以外は意外と現実的。壮大な設定を一つ盛り込み,あとは通常世界で人々がその設定を生かしつつ動きだすという感じで物語が進む。エピソードはあるがストーリーはないに等しい。なのに続きが楽しみになるのは,ひたすらキャラクターが魅力に溢れているから。それができるのは,原作もアニメ化スタッフも,とても凄いということではないだろうか。なかなか希有なアニメだった。岐阜推しに圧倒されて岐阜に行きたくなってしまった。


この素晴らしい世界に祝福を!3

 2024年4月〜6月。原作は暁なつめ著ライトノベル。
 1期2016年,2期2017年だったが,コロナで感覚が開いてしまったようだ。色々忘れていたが,全く問題なくいつもの『このすば』で,いつも通り楽しかった。


クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

 2001年4月劇場公開。
 20世紀の懐かしい世界を体験できる「20世紀博」に行った大人たちは20世紀の「懐かしい匂い」の虜になってしまう。仕掛け人のケン(マッシュルームカット)とチャコ(小林麻美風美人)で,彼らは現代(2000年)のゴミに埋もれた無臭な世界を憂いでいた。懐かしい匂いに親を奪われたしんちゃんたちは親を取り戻そうと必死で抵抗する。まぁ本当に全体的に下品だが,昭和の描写は力が入っており,しんちゃんの両親世代としては懐かしさを禁じ得ない。時代の空気とか時代の匂いとは一体何なのだろうと考えさせられた。


クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

 2002年4月劇場公開。
 不思議な縁で天正2年(1574年)の春日部(春日の国)にタイムスリップしたしんちゃんは,偶然1人の侍,井尻又兵衛の命を救い,春日城の城主,春日康綱やその娘の廉姫と知り合う。ひろしとみさえはしんちゃんを迎えに行くため奔走し,どうにか天正2年に到着。春日の国は廉姫の婚姻問題で大大名の大蔵井高虎が治める隣国と合戦が始まり,野原一家は戦国時代の合戦に巻き込まれる。
 時代考証がもの凄くしっかりしているという評判を聞きつけて視聴したのだったが,確かに戦国時代の家や城,戦の装備及び合戦の描写などが大変リアルで興味深かった。私は知識がなくて分からなかったが,火縄銃の音もきちんと再現されていたとのことだ。でも確かに最後の銃声だけが火縄銃でないのはわかった。そんなところまで作り込まれていて,クレヨンしんちゃんの凄さを再認識。
 日本史の表舞台には出てこないが,各地ではこうした小さな合戦がたくさん繰り広げられていたのだろうと認識させられた。https://togetter.com/li/2368418


すずめの戸締まり

 2022年公開の劇場アニメ。配信が開始されたので視聴した。
 日本では昔から鯰が起こすことになっている地震をミミズが起こす別世界。鯰ではなくミミズの世界線って感じか? 鹿島神宮にある要石のことを知っていると話がわかりやすい。
 幼い頃に岩手県で大地震(ほぼ東日本大震災)に遭った鈴芽(すずめ)は,ミミズを追いかけ幼い頃の自分を捜す。よくある?と言ってはいけないかもだが,最後はすっきり爽やか。


映画 ゆるキャン△

 2022年7月劇場公開。
 メンバーたちが社会人になってからの物語。リンは名古屋でタウン情報誌の記者をしており,なでしこは東京のアウトドアショップの店員。山梨の観光推進機構で働く千秋のもとで,みんなでキャンプ場を作ろうと奮闘する。全体的にキャンプがお金と車を持っている大人のリッチな趣味のようにしか見えなかったし,ストーリー的にも「ないわー」感は拭いきれない感じだったが,高校生がソロキャンやるよりまともだろうか。


明治撃剣-1874-

 2024年1月〜3月。オリジナルアニメ。
 元会津藩士の折笠静馬は戊辰戦争に破れた後,東京で車屋をしながら許嫁の鹿又澄江を捜していたが,ポリスの巡査になる。もう一人の主人公修羅神狂死郎は,父親を殺された仇を討つため手段を選ばない。
 明治初頭の混乱期に渦巻く各陣営の思惑は複雑で,登場人物も多く人間関係は複雑。戦いや人死の場面が多い作品で好戦的な登場人物が多い印象。こういう時代ではこうなるのだろうか。何故そんな勝負しなくちゃいけないのか私には全くわからない。時代についていけない人が暮らすエルドラドのような理想郷,たまに欲しくなるよね。。。


T・Pぼん

 原作は藤子不二雄により1978年〜発表された漫画作品。後,藤本弘(藤子・F・不二雄)による単独執筆作。2024年5月〜Netflix。
 原作が連載されていた1978年と言えば,『はいからさんが通る』や『銀河鉄道999』や『超電磁マシーン ボルテスV』などがテレビ放映されていた時代だ。現代の感覚では主人公のぼんのあり得ないのんびりお気楽な性格や,タイムパトロール組織の突っ込み所満載すぎる設定も,1978年の世界なのだと思いつつ納得した。細かいことはどうでもいいからエンターテイメントを楽しむ作品だ。
 ぼんは困ったちゃんだったが,ヒロインのリームはなかなかの美少女で性格も良い感じ。日笠陽子さんの鉄男が良かった!


怪獣8号

 2024年4月〜6月。原作は『少年ジャンプ+』にて2020年より連載中の漫画作品。
 怪獣が出る世界の怪獣と戦う話。主人公の日比野カフカの人柄やアニメの物語運びの周到さなどあり,アクション系があまり好きではない私でも大変面白く視聴できた。副隊長の保科の家は室町時代から刀使いで怪獣と戦っていたようなので,もともと怪獣と呼ばれる生き物が存在していた世界っぽい。全くもって中途半端にアニメが終了してしまったが,怪獣が何であるかなど続きを制作して謎を明らかにしてほしい。


怪異と乙女と神隠し

 2024年4月〜6月。原作は「やわらかスピリッツ」にて2019年より連載中の漫画作品。
 小説家だが小説が上手くかけなくなって書店で店員をしている菫子と,書店の同僚の化野蓮(あだしのれん)の出会いと別れの物語。
 蓮には妹の乙(おと)がいて,二人は異界からやってきた。蓮は乙を元の世界に返すために呪物を集める。二人に関わり不思議な世界に片足を突っ込んでいく菫子だが,彼女は子どもの頃に不思議な書店,玉心堂書店で本を借りたことがあった。
 玉心堂書店の女性店員や蓮の存在など,おどろおどろしい中に人間の温かみや希望が見える良い作品だと思う。ちょっと『裏世界ピクニック』を思い出させるものがあった。


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アニメ覚え書き(2024年2月~2024年3月)

2024年4月16日時点で見終わったアニメ備忘録。


葬送のフリーレン

 2023年09月〜2024年3月。『週刊少年サンデー』連載中の漫画。山田鐘人(原作)・アベツカサ(作画)。
 昨秋から一貫してずっと安定して楽しみにしていた。面白かった。流れる物語背景の雰囲気も良かったし,フリーレンにフェルン,シュタルク。そしてヒンメルやハイター,アイゼンたちなどのキャラクターたちの個性や描かれ方も好きだった。原作をゆっくり読んでみたいと思わされる余韻のあるアニメだった。続きの放映が楽しみだ。


薬屋のひとりごと

 2023年10月〜2024年3月。原作は「小説家になろう」のライトノベル。
 舞台は架空の中国風世界。薬師の父親にしっかり薬学を仕込まれたマオマオは人さらいにさらわれ後宮で働くことになるが,薬学の知識で重宝され,様々な事件を解決していく。人間関係や薬の話など面白く見た。悠木碧が出ると締まるな。猫猫には今後も目を輝かせて好きなことにまっしぐらでいて欲しい。第2期は来年放映されるようだ。


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト

 2010年1月〜3月。A-1 Pictures制作オリジナルアニメ。
 『灰羽連盟』を見た時に何となく思い出して見たくなって再視聴。落ちも何もなく突っ込み所満載って感じなのだが,神話的終末世界の映像は楽しい。


30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい

 2024年1月〜3月。原作は『ガンガンpixiv』で連載中の漫画。
 何も知らずに見はじめたらBLだった。映画とかドラマにもなっているようなので人気コンテンツらしい。正直BLには全く興味がないのでどうしようかと思ったが,切るほどつまらなくもなかったので一応最後まで見た。結婚式まで挙げる本物の同性カップルだった。


佐々木とピーちゃん

 2024年1月〜3月。原作はライトノベル。
 文鳥が主人公格であるというだけの理由で見るしかないと思い見はじめた。文鳥の描き方は非常にリアルで素晴らしい。しかし物語は色々な世界が入れ混じっていて主題も不明,風呂敷を広げるだけ広げ,で,これからどうするのって状態で終わってしまった。第2期の製作は決定しているようなので,物語の余韻が残っているうちに放映してほしい。


Just Because!

 2017年10月〜12月。PINE JAM制作のオリジナルアニメ。
 年末年始から春にかけて毎年見たくなってしまうため,4回目くらいの視聴。何度見ても良い作品だと思う。


映画大好きポンポさん

 2021年6月4日公開の劇場アニメ。
 少し前の作品だが,ネット配信されたので視聴した。映画監督として初めて映画作りを行う主人公の物語。面白かった。


勇気爆発バーンブレイバーン

 2024年1月〜3月。オリジナルアニメ。
 昭和風のロボットアニメ?と思って見はじめたら,BLだったの?という展開になり,深刻な物語になり,最後はハッピーエンドという感じ。個性的なエンディングには最初開いた口が塞がらなかった。


外科医エリーゼ

 2024年1月〜3月。原作は韓国のウェブ小説。
 原作が韓国というアニメを初めて見たが,日本向けにローカライズされているようで,違和感はなく,物語もけっこう面白くて楽しみに視聴した。まだまだ途中という終わり方だったので,続きもアニメ化してほしいものだ。


彼女が公爵邸に行った理由

 2023年4月〜6月。原作は韓国のウェブ小説。
 『外科医エリーゼ』が面白かったので,他の韓国作品も見てみた。主人公の小説の中に転生し死ぬ運命を変えようと動く貴族令嬢の物語。主人公のレリアナのモノローグで進んで行く感じのアニメ。あまり印象に残らなかったし続きも気にならないが,見ている間はそこそこ楽しんだ。


ゆびさきと恋々

 2024年1月〜3月。原作は『デザート』にて連載中の漫画作品。
 主人公は耳が聞こえない大学生の雪。同じ大学の男子学生(逸臣)に助けてもらい恋に発展していく。雪の幼馴染みの桜志,雪の親友のりん,逸臣の従兄弟の京弥,逸臣の友人のエマと心などの青春群像劇的な作品。表題の「恋々」に偽りなく様々な恋模様を描く作品という感じ。あまりにキラキラした恋心の世界にちょっとついて行けない気分で見ていたが,後半の心君の話は良かった。


攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

 2002年10月〜2003年11月(全26話)。原作は士郎正宗のコミックと言えるのか?
 これもおそらく5回目くらい。笑い男事件の発生が2024年2月1日という設定だったことを知って久しぶりに見たくなり視聴した。まずオープニングで,これが2002年,つまり20年以上前のアニメなのかと驚かされた。少しも色褪せない。今のアニメと比べても全く見劣りがしない映像だ。しかも物語は複雑で面白く世界観は緻密に作り込まれており,感嘆するほかない。見終わるのが残念だったし,今度も何度も見るだろうと思った。
 エンディングの絵が素晴らしく良くて,ポストカードか何かにして発売してくれたら買うのに。特にウィスキーの瓶の後ろにを座るイシカワが好き。シーバスリーガルの瓶がモデルになっているらしい。


姫様“拷問”の時間です

 2024年1月〜3月。原作は『少年ジャンプ+』にて2019年4月2日より連載中の漫画作品。
 正直言って全く少しも期待せずに何となく見はじめたアニメだったのに,思いのほか面白く,毎回心から楽しんでしまった。発想が新しいし,至極完成されたエンターテイメント作品だ。コミックが2巻までAmazonで無料で読めるようになっていたが,アニメで見たにもかかわらずコミックの方も実に楽しかった。良い作品だと思う。


超訳百人一首 うた恋い。

 2012年7月〜9月。原作は杉田圭氏による漫画短篇集。
 たぶん8回目くらい? 原作も全て読破済みだが,何度見ても面白いし,自分の知識を増やして再視聴すると必ず新たな発見があって素晴らしい。
 今回は,清少納言が父の元輔に「こんな時まで自虐ネタですか」と言う場面と,道雅が過去を振り返る場面に感動した。清原元輔は自虐ネタを上手に使った歌人だったし,道雅が振り返る子供の頃の場面は『枕草子』の宮廷章段に描かれている「中の関白家」の団欒の様子そのままだ。様々な古典作品から取材して組み立てられた緻密な物語が素晴らしいと思う。また何度でも見たい。


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