白い木立に白い月

 いつもの道を歩きながらふと見上げた空に白い月が浮いていた。
 冬枯れの木立と月の白さが,澄み渡る空の青と織りなすコントラスト。

 素朴な美しさに釘付けになった。

 なのに,空を見上げたまま私は此の場所をいったん通り過ぎた。
 すぐに後悔し,戻って来て撮ったのだった。

 丁度一月前のことだ。
 今はこの木にも新芽が吹いて風景が変わっていることだろう。

白い木立と白い月(2023-02-26 14:35)
白い木立と白い月(2023-02-26 14:35)

 通り過ぎたのに,戻って来てまで撮りたいと思うかどうか。
 とても微妙な心の機微で決まるのだと思う。
 季節が移った此の場所で同じく昼間の白い月を見かけたら,私は撮りたいと思うのだろうか?