東京と縁もゆかりもない人であっても
「玉川上水」という名前は聞いたことがあるだろう。
玉川上水は、
人口が増え続ける江戸に飲み水を供給するため、
1653年に玉川兄弟によって作られた。
羽村取水堰で多摩川から取水し、
武蔵野台地を流れて四谷大木戸まで全長43km。
本企画「玉川上水を歩く」では、
この43kmを四谷から羽村まで遡って歩いてみた。
→ 玉川上水を歩く Index
1日目は2019年2月18日。四谷大木戸を出発し、
玉川上水暗渠の上の緑道を笹塚まで歩いた。
2日目の2019年3月20日は、前回の終点、
新宿区笹塚「南ドンドン橋」を出発。
杉並区久我山の「岩崎橋」まで。
3日目の2019年3月24日は、
岩崎橋を出発、三鷹駅前の三鷹橋まで。
4日目の2019年3月31日は、
三鷹駅を出発、桜を見ながら小金井橋まで。
5日目の2019年4月6日は、
小金井橋を出発、小平市鷹の台駅近くの鷹の橋まで。
6日目の2019年4月21日は、
鷹の橋を出発、立川市武蔵砂川駅近くの見影橋まで歩いた。
7日目の2019年5月3日は、
見影橋から拝島駅まで歩いた。
この記事には、7日目、
玉川上水と残堀川が交差する地点の写真を載せた。
玉川上水の南側を歩くと，
残堀川との交差地点で上宿橋を渡る。
上宿橋と玉川上水緑道 
上宿橋の親柱 
すずかけ橋から見た上宿橋
残堀川（ざんぼりがわ）は、多摩川水系の一級河川。
狭山池を源に立川断層に沿って流れ、
立川市で玉川上水を乗り越え、多摩川に合流する。
しかし、残堀川には水がほとんど流れておらず、
まるでワジのよう。
川原は壮大な草地になっていた。
玉川上水の北側を通る上水北通りが残堀川を渡る部分には
歩行者用のすずかけ橋と、車両用の上水橋が架かる。
残堀川の横からは、玉川上水が見える。
玉川上水がいきなり途切れ、
水のない残堀川に繋がっているように見えて不思議だ。
玉川上水は残堀川をくぐっているので、
残堀川の横は玉川上水の上ということになる。
玉川上水の上流方面を見て残堀川を撮ると、
左（南）が上宿橋、右（北）がすずかけ橋と上水橋。
すずかけ橋と上水橋 
すずかけ橋と上水橋 
上水橋と残堀川の北方面
すずかけ橋の横に「多摩川まで6km」という案内版があった。
あと6kmで玉川上水の羽村取水口に到着するということだろう。
玉川上水と残堀川の交差について説明する看板があった。
玉川上水、ふせこし図
玉川上水 ふせこしの説明板
ふせこし（サイホン工法）
玉川上水と唯一交差している川、残堀川（村山川、砂川或いは蛇掘川とも言った）が、西武拝島線武蔵砂川駅近くを流れている。
かつては「狭山池（箱ヶ池）助水」として玉川上水に合流していたが、明治時代になって川が汚れてきたため、玉川上水の下を潜らせて多摩川に放流するように改修された。
その後、残堀川の洪水対策として、サイホンの原理を応用した「ふせこし」と呼ばれる工法で再改修され、現在では残堀川の下を玉川上水が潜っている。
「小平市玉川上水を守る会編、玉川上水事典より」
残堀川周辺をぐるりと歩いて、
残堀川の西側から玉川上水の上流方向を見る。
玉川上水は、残堀川などなかったかの如く
川を挟んで蕩々と流れているのだった。
