玉川上水を歩く (9) 初台緑道と代右衛門橋

東京と縁もゆかりもない人であっても
「玉川上水」という名前は聞いたことがあるだろう。

玉川上水は、
人口が増え続ける江戸に飲み水を供給するため、
1653年に玉川兄弟によって作られた。

羽村取水堰で多摩川から取水し、
武蔵野台地を流れて四谷大木戸まで全長43km。
本企画「玉川上水を歩く」では、
この43kmを四谷から羽村まで遡って歩いてみた。

→ 玉川上水を歩く Index

四谷大木戸を出発。
新宿御苑の横を通り過ぎ、新宿駅を通り抜け、
葵橋跡を眺め、西新宿の高層ビル前を通り、
玉川上水を遡る。

新宿から笹塚までの玉川上水は暗渠になっており、
暗渠の上は「玉川上水旧水路緑道」として整備されている。

玉川上水旧水路 初台緑道
初台緑道横の商店街

代々木地区を通り過ぎ,
山手通りの首都高中央環状線の高架をくぐって初台地区へ入る。
初台地区はけっこう長く続き、
伊東小橋跡を通り、
初台駅に続く通りを渡る改正橋跡を越えて更に西へのびる。

初台緑道の駐輪場

緑道の横には雰囲気の良い商店が並んでおり、
昔ながらの店もありそうだった。
こんな店で傘を買ってみたくはないだろうか?

初台緑道横の商店街の看板

初台駅から幡ヶ谷駅まで区間には
「玉川上水旧水路 初台緑道」という名前がついていて、
初台駅寄りには公衆トイレや遊具がある。

初台緑道の遊具
初台緑道の遊具

緑道に沿って、
玉川上水を思い起こさせる水路が設けられていた。
水路に水が流れるのは夏場だけ、
7月13日~8月31日の間だけらしい。
2月のこの日は乾いた水路でスズメたちが遊んでいた。

初台緑道の水路
初台緑道の水路
初台緑道の水がない水路で遊ぶスズメたち

水路の横は桜並木となっている。
桜の頃は綺麗だろう。

初台緑道の新水施設の稼働について

玉川上水が流れていたことを思い起こさせる
水道の基準点の柱が水路脇に埋め込まれていた。

水路横の基準点

初台緑道の端には目立つモニュメントが立っていた。

初台緑道のモニュメント

初台緑道の終点、
西原地区との境目、幡ヶ谷駅跡の交差点に
代右衛門橋がある。

代右衛門橋
代右衛門橋

気をつけて見ないと、
道路との境にある単なるガードレールだと思って通り過ぎてしまいそうだ。

代右衛門橋

橋の名前の由来は寛政年間(1789~1801)の大地主、
並木代右衛門。
『上水記』(1791年/寛政3年)に
代右衛門橋の名が書かれているとのこと。

その後の記録では、明治3年(1870年)に代々木橋、
明治39年(1906年)に代右衛門橋と記されているそうだ。
歴史ある橋である。

代右衛門橋のあと短い緑道が続き、
旧水路緑道は初台地区から西原地区へと移り変わる。

玉川上水旧水路緑道

所々に東京都水道局の基準点が埋め込まれている。

東京都水道局 基準点

初台地区と西原地区の境目の道路。
ここには橋の跡は見当たらなかった。

初台地区と西原地区の境目