台地と低地が入り交じる東京の都心部は、
美しい坂道や階段の宝庫。
散歩しながら見かけた階段や坂道の記憶を残していく。
本郷台地の上を通る中山道と、根津の谷を通る不忍通り。
その中間の本郷台地中腹を通るのが、
団子坂上交差点と根津神社の裏門あたりを繋ぐ藪下通りだ。
森鴎外の散歩道だったという由緒ある藪下通りだが、
ここから本郷台地へ上る長い坂道が「解剖坂」だ。
風情ある素敵な階段坂道なのにおどろおどろしい名がついているのは、
坂の横が日本医科大学で、
実際に解剖学の教室がすぐ横にあったかららしい。
東京の坂道にはだいたい説明看板が立っているが
ここには坂の名前や由来を書いた看板がない。
穏やかではない名前であるための配慮ではとのことだ。
坂の途中には民家もあり、人通りが絶えない。
誰もいない写真を撮るには随分と待たなければならなかった。
坂を途中まで上って見下ろしてみる。
向こうに見えている高いマンションは不忍通りだ。
夕刻の比較的人通りが少ない時間帯に撮ったが、
朝は大学関係者が頻繁に行き来して大変活気がある。
坂を上りきったところには夏目漱石旧居跡
通称「猫の家」があるので、
解剖坂とセットで散歩コースに加えるのがお勧め。
“解剖坂(かいぼうざか)―文京区” への1件の返信
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