小川町交差点の夏

 本郷通りと靖国通りが交わる小川町交差点(東京都千代田区神田小川町)。

 この日,東京都心の最高気温は37.5℃を記録した。
 この写真を撮った正午過ぎ,気象庁の観測値は既に37℃を超えていて,おそらくアスファルトの上の街中は40℃とかあったのではないだろうか。
 息をすれば苦しくなるほどの暑さだった。

 そんな中,偶然通りかかった小川町交差点。
 鳴り響く風鈴の音に和んで思わず表情も緩んだ。けれど,その風鈴たちでさえ暑い暑いと訴えているように感じてしまった。

小川町交差点の風鈴(2023-07-18)
小川町交差点の風鈴(2023-07-18)

 千代田区のウェブサイトに風鈴のことが載っていた。「風鈴花壇」だそうな。2022年のニュースなので,毎年風鈴を飾っているのだろうか。
 このあたりは,年始には例年「神田小川町雪だるまフェア」で雪だるまが並んでいるし,何気なく楽しい場所だと思う。

風林火山(違っ) 炎天の夏にチリンと涼を呼ぶ 小川町交差点の 「風鈴花壇」です!🎐|千代田区|千代田区民ニュース

小川町交差点の風鈴(2023-07-18)
小川町交差点の風鈴(2023-07-18)
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狛象さん

 神社ではなく寺,狛犬ではなく狛象。

 「狛犬」の本来の意味は「高麗犬」。高麗から伝来した獅子に似た獣のことだ。なので,犬でも獅子でもない時点で「狛」をつけて呼ぶことが正しいのかどうか怪しんでしまう。

 しかし既に「高麗の」という意味などどうでも良さそうな現代では,高麗とは無関係そうな神社の守護獣のことをみんな「狛猫」とか「狛猿」とか普通に呼んでいて違和感もないし,拘らなくても良いのだろう。お稲荷さんの前に鎮座する2対の狐像のことも「狛狐」と呼ぶようだし。

 ここ瑞泰寺(ずいたいじ)は,東京メトロ南北線本駒込駅のすぐ近く。
 よく前を通るが,けっこう可愛らしい造形の象なので,狛象さんたちは大変気になる存在だ。前を通る度に撮ってしまう。

 阿吽なのかどうかイマイチわからないが,向かって右側は牙が生えているのでオス。左側は牙が見当たらないのでメスだろう。
 アジアゾウのメスは牙を持たないか非常に短い。背中が丸くて耳が小さいのでアジアゾウであることは間違いないと思う。そもそも寺ならインドがルーツであろうし。

狛象@瑞泰寺(ずいたいじ)(2023-06-23)
狛象@瑞泰寺(ずいたいじ)(2023-06-23)
狛象@瑞泰寺(ずいたいじ)(2023-06-23)
狛象@瑞泰寺(ずいたいじ)(2023-06-23)

 お寺の象は,釈迦の誕生伝説に由来するようだ。

 釈迦(ガウタマ・シッダールタ)の母親である摩耶夫人は,6本の牙を持つ白い象が胎内に入る夢を見て釈迦を懐妊したとされているらしい。
 狛象たちは6本の牙ではないけれど,釈迦に縁の深い獣としてここで門番をしているのであろう…と思う。

瑞泰寺

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