キューガーデンズの孔雀

 王立植物園キュー・ガーデンズの熱帯雨林温室パームハウス。
 ガイドブックでキュー・ガーデンズの紹介を見れば,大抵この温室の写真が載っている。言わばキュー・ガーデンズの顔とも言える施設だ。

 1848年に完成したこの温室は,船を逆さにしたようなデザインが特徴。ヴィクトリア朝様式のデザインで,熱帯雨林の環境を整えている。
 内部の熱を逃がさないように設計された美しいカーブを描くガラスの壁は,ハイドパークの設計で知られる建築家デシマス・バートン氏によるものらしい。
 とにかくとても絵になる温室だ。

キュー・ガーデンズ パーム・ハウス前(2008-05-23)
キュー・ガーデンズ パーム・ハウス前(2008-05-23)

 この堂々たる温室の前の道路のど真ん中に,1羽の孔雀が座り込んでいた。
 堂々たる様子で我が物顔の孔雀。おそらくここで飼われていて植物園内で好き勝手に過ごしているのだろう。

 珍しかったのでしばらく孔雀を眺めていた。
 すると,寛いだ様子だった孔雀はふとパーム・ハウスの方に視線を移し,おもむろに立ち上がってパーム・ハウスの庭から離れるように歩き始めた。丁度,小さな女の子2人とそのお母さん2人がこちらへ向かっており,どうやら孔雀は子供から逃げたかったらしい。

 案の定,孔雀を見つけた女の子たちは,怖々と,しかし興味津々といった感じで追いかけ始める。
 それに対し,孔雀は悠々とした様子で通路横のラベンダーの茂みの中へ入り込み,とことこ歩いて行ってしまった。孔雀は人が入れない場所をよく承知しているのだ。

 ちょっと面白い光景だった。

スコーン&クロテッドクリーム

 エディンバラ城に行った日は霧が深く,景色もほんの近くしか見えない状態だった。
 歩けば霧に濡れ,凍えて体温を奪われる。
 身体があまりに冷え切ったので,カフェで一休みすることにした。

 「ONE O’CLOCK GUN」という毎日午後1時を知らせる大砲を見学したところで,その横の建物の中にカフェがあるのを発見。迷うことなく入った。
 入るなり,やたら美味しそうだ。

エディンバラ城のカフェ(2014-03-30)
エディンバラ城のカフェ(2014-03-30)
エディンバラ城のカフェ(2014-03-30)
エディンバラ城のカフェ(2014-03-30)

 カフェは閑散としていて,他のお客は1グループしかいなかった。こんなに寒いのに他の観光客の皆さんはカフェで休む必要もないのだろうか?元気だな。

 美味しそうなものが多すぎて気になったが,せっかく英国なのでスコーンと紅茶を注文することにした。

 結果,二度と忘れない美味しいスコーンで大満足だった。
 クロテッドクリームは瓶入り。これまた経験がないほどの美味しさ! スコーンとクロテッドクリームは両方揃ってお互いを引き立て合うものなのだと心底納得させられたものだ。

 寒さ故に美味しく感じたのだろうか? いや本当に美味しかったと思う。
 エディンバラ城といえば,私はまずこのスコーンのことを思い出すほどだ。

 …霧で寒くて風景もよく見えなかったということもあるかもしれないが。

エディンバラ城のカフェ(2014-03-30)
エディンバラ城のカフェ(2014-03-30)