艶髪の基本はヘアブラシ

猪毛ヘアブラシとの出会い

若い頃は何もせずとも艶々な「みどりの黒髪(※)」だったのに、
年を経るにつれ幾らブラッシングしても髪に光沢が戻らない。
ヘアスプレーやオイル、トリートメントなど頑張ってみてもダメ。

その上、生まれつき毛根が弱く、
たまに突然やってくる原因不明の多量の抜け毛。
薄毛は女性にとってあまりにも辛い悩みだ。
道行く女性達の豊かで艶やかな髪を見ながら、
「何故私の髪は?」と気持ちが暗くなるばかりだった。

そんなある日、私の状態を心配した母からの贈り物が届いた。
イタリア製、アッカカッパの猪毛のヘアブラシだ。


アッカカッパ(ACCA KAPPA)は150年の歴史を持つブランド。
「ラグジュアリービューティーブランド」と名乗るだけに、
多岐にわたる製品は高級感が溢れるものばかりだ。

私が手に入れたヘアブラシはこちら。
ヘアブラシとブラシクリーナー。

  • 製品名 ニューマティック ブリストルヘアブラシ(702-021)
  • サイズ 全長22×幅6.5×厚み4cm、85g
  • ブラシ部素材 猪毛+ナイロンフィラメント
  • 本体素材 天然コチベウッド+天然ゴム
  • 製造 イタリア
  • 製品名 ブラシクリーナー no.210
ニューマティック ブリストルヘアブラシ(702-021) と ブラシクリーナー no.210

(※)
ちなみに「みどりの黒髪」の「みどり」は
「嬰児(みどりご)」のみどりと同じで「緑色」のことではない。
「みどり」は元々色ではなく若葉や新芽をさす言葉なのだ。
「みどりご」は新しく生まれたばかりの子。
「みどりの黒髪」は艶やかで瑞々しい黒髪。


獣毛ブラシについて

現在出回っているヘアブラシのほとんどはプラスティック製だ。
私もずっとプラスティック製や柘植のブラシを使用してきた。
猪毛のヘアブラシは初体験。

実のところ、獣毛ブラシは目が詰まっているので
髪が抜けやすいのかと思って避けていた。

今まで試してきたプラスティックや柘植のヘアブラシ

猪毛や豚毛など天然の獣毛を使ったヘアブラシは、
髪に自然な艶を与え、静電気による切れ毛を防ぐ。

堅い毛質の猪毛ブラシは頭皮へのマッサージ効果も期待できる

豚毛は柔らかいので、細い髪の人にお勧め。
猪毛はロングヘアやくせっ毛の人にお勧めとのことだ。

ただ、天然の獣毛ブラシは扱いに注意が必要。
黴の原因になるため濡れた髪への使用は避けること。
勿論水洗いも厳禁だ。

乾いた髪に使用し、
お手入れは専用のブラシクリーナーを使う。

アッカカッパにはブラシ専用のクリーナーがあるが、
他メーカーも相当の製品が用意されている。
猪毛は硬くて指先で手入れをするのは難しいので
是非とも専用のクリーナーを入手した方が良いと思う。

アッカカッパのヘアブラシには風通しの良い専用の保存袋が付属している。
アッカカッパ ヘアブラシ外箱のラベル

ブラッシング方法

さて、猪毛ヘアブラシでのブラッシング方法は?
正解は無いだろう。
あちらこちらから情報を集め、下記の方法で行うことにした。
特にシャンプー前のブラッシングでは、
いつも同じ方向を向いている毛穴を動かし、
シャンプー時に汚れが流れ出しやすいように意識。

毎朝とシャンプー前に
1.毛先を使いトントンと心地よい力加減で頭皮全体を叩いてマッサージ。
2.頭を下げ、襟足から頭頂へ左右各10回。空気を含ませるように。
3.耳の上から後頭部へ向かって左右各10回。
4.こめかみから頭頂部へ左右各10回。
5.おでこから頭頂部へ頭皮を揺らしながら10回。


驚いたことに、この方法で数日ブラッシングを続けると、
髪はすべすべ艶々になった!
どんなにトリートメントや椿油でケアしても、
どうにも改善できなかったボサボサの髪だったのに。
しかも抜け毛が少ない!?
抜け毛で皮膚科へ通っていたのだが、
皮膚科の先生にも髪が健康になってきたとの言葉を頂いた。

結論、ヘアブラシはブラッシングの要
獣毛ブラシは一度お試しの価値があると思う。
その際は自分に合うブラッシング方法も研究してみることだ。

良いブラシもブラッシング方法も人それぞれだから。

アルプスの少女ハイジ

アニメの概要

アニメ『アルプスの少女ハイジ』が放映されたのは1974年。
世界名作劇場の6作目で、
「カルピスまんが劇場」と称した最初の作品群の最後の作品だ。

・どろろと百鬼丸 (1969年4月~9月 全26話)
・ムーミン (1969年10月~1970年12月 全65話)
・アンデルセン物語 (1971年1月~12月 全52話)
・ムーミン(新)(1972年1月~12月 全52話)
・山ねずみロッキーチャック (1973年1月~12月 全52話)
・アルプスの少女ハイジ (1974年1~12月 全52話)

全52話。
作品企画は瑞鷹エンタープライズ。
「アルプスの少女ハイジ」のほか
当時の人気アニメ「小さなバイキングビッケ」や
「みつばちマーヤの冒険」などを手がけた会社だ。
場面設定・画面構成に宮崎駿氏が名を連ねている。

視聴の経緯

私はハイジを小学生の頃にリアルタイムで見た。
おそらくこの作品が好きだったのだろう。
中学生になってヨハンナ・スピリの原作を新潮文庫で読んだ。

だが今改めて考えてみると、物語の内容をよく覚えていない。
今の私はハイジが好きだろうか?

子供の頃に親しんだ作品を大人になって読むと
視点が変わり、感想が悉く変わって興味深いものだ。
今の私はロッテンマイヤーさんをどう思うだろう。
おじいさんをどう思うだろう。
そういう興味を抱いて見てみることにした。

幸い、オンデマンドで全話配信されている。
昔のアニメを見るのも楽になってありがたいことだ。

アニメの全体的な印象

街と自然の描写

さて、見終わっての感想だ。
スイスの街,マイエンフェルトやデルフリ村の風景は
取材してしっかりと描かれていたと思う。
街の広場や窓辺のゼラニウム、
山の動植物の姿もリアルに描き込まれている。
有名な?チーズが乗った黒パンは本当に美味しそう!

アニメを見ていた小学生の私は、
きっと19世紀のスイスの田舎生活に
すんなりと入って行けたことだろう。

山と自然を愛する孤高のおじいさんは
詩人のような感性を持っている。

この山小屋は王様の住むお城なのだ。
風は悪戯坊主で窓をガタガタ叩くが、
あれは城の王へのご挨拶だ。
慣れるとけっこういい話し相手になる。
雨の日はしんみり物を考えるにはもってこい。
人間そんな日が必要なのだ。

アルプスの少女ハイジ 第2話

夕陽に染まるアルプスの山々は燃えるようなオレンジ色に染まり、
やがて薔薇色に変わり、色を失う。
「どうして?」と尋ねるハイジにおじいさんは答える。

太陽は山々にお休みを言う時には、
また明日来るまで忘れてもらわないようにと思って,
自分の一番美しい光を投げてやるのだ。

アルプスの少女ハイジ 第3話

子供に自然の美しさを啓蒙するには素晴らしいアニメだ。
ペーターの言う「大角の旦那」はシュタインボックで、
アルプスの高山にしかいない野生のヤギ。
かわいいの」はアルプスマーモットで、
体長50cmほどの大型のジリスだ。
美しさばかりではない、山の厳しさも描かれている。
雪崩や嵐の描写にも感心させられた。

人物への感想

だが、物語が進むにつれ、
おじいさんはデルフリ村の人々の評価通り偏屈者で、
嫌われて当然な態度で村人に接していることがわかる。
ハイジがおじいさん同様に酷い頑固者だということも。

ハイジは周囲の迷惑など全く考慮せず、
思ったことは何が何でも実行しようとする。
基本的におじいさん以外の人の言うことは聞かないので、
ペーターはハイジに振り回されっぱなし。
それでもハイジに優しいペーターは心の広い子供に思えた。

どうしても見過ごせなかったのは、
おじいさんがハイジに非常に甘いこと。

仲良しの子ヤギのユキちゃんが売られると知ったハイジは、
他所の家のヤギであるユキちゃんを勝手に自分の家に匿う。
それって窃盗行為ではないか!?
なのにおじいさんはそんなハイジを叱らなかった。
ユキを迎えに来たユキの主人に対しても、
謝るどころか上から目線で馬鹿者呼ばわり。
あまりにも不条理では? 子供の躾としてどうなの?

これを見て小学生の私は
ハイジとおじいさんを酷いと思わなかったのだろうか?
正統な権利を行使しているだけのユキの主人を
気の毒に思わなかったのだろうか?
制作者はこの場面で何を伝えたかったのだろう。
ユキを想う優しいハイジとおじいさん?
非常に胸くそ悪いエピソードだった。

ハイジのこと「優しい子」と呼び
心の支えのように可愛がるペーターのおばあさん
小学生の私はこのおばあさんに同情していたのかもしれない。
が、今回の視聴で私はこのおばあさんが嫌いだった。

「ハイジを連れていかないでおくれ」って、そればかり。
彼女は、可愛いハイジが
自分を訪ねてくれなくなることだけが心配なのだ。
何て利己的なのだろう。

ゼーゼマン家の人々に対しては比較的好印象だった。

クララはキチンと躾けられており、良い子だ。
お金持ちの我が儘お嬢様ではない。
ハイジが山へ帰ってしまうことを恐れていたが
彼女の生い立ちを思えば当然だろう。
しかしそれも受け入れる。

子供達の嫌われ者ロッテンマイヤーさん
確かにハイジには異常に厳しく、杓子定規で融通が利かない性格だ。
だが、彼女は心からクララを愛している。
クララを連れてアルムの山へやってきた彼女が、
慣れない山道を毎日歩いて山小屋へ通う姿には心打たれる。

アニメでは山への認識が甘い彼女をコミカルに描いていたが、
彼女のその行動には並々ならぬ精神力が要った筈だ。
なかなかできることではない。
全てはクララお嬢様を思うが故なのだ。
このような大人の心は小学生の頃には理解できなかった。

最終回、フランクフルトのゼーゼマン家で。
クララの歩行練習に付き沿うロッテンマイヤーさんの
愛情溢れた優しい瞳に、思わず目頭が熱くなった。

ゼーゼマン氏は非常に話のわかる優しい紳士だし、
ゼーゼマンのおばあさまも教養があり
年配者として尊敬されるだけの人格を備えている。
召使いのセバスチャンは優しく親しみの持てるおじさんだ。

最後まで利己的だったハイジ

この物語でもっとも感動的シーンとして有名なのは、
クララが初めて立って歩く場面だろう。
きっと子供の頃の私は、感動を持って見たのだと思う。

しかし、今回は今ひとつスッキリしない気分だった。
まずハイジの態度が酷い。
自分の願望をクララに押しつけ癇癪を起こす。
ハイジの辛抱のなさと思いやりのなさに
見ていて大変ストレスだった。

子供の頃の私は、
これをハイジの優しさだと思って見ていたのだろうか。
ハイジが言うように
クララのことを「意気地無し」と思ったのだろうか?

ハイジの言動は目に余るが、
クララに対するおじいさんの態度は優しく真摯だ。
偏屈者と悪評高く、
デリフリ村の人達に横柄な態度で接する人には見えない。
おじいさんがいなければ、
クララが歩くことはなかっただろう。

最終的な私のハイジへの評価は、
自分の願望に支配された利己的な少女。
可愛らしいとは思えなかったのだった。

ハイジの名前

ハイジはロッテンマイヤーさんに「アーデルハイド」と呼ばれる。
正式名=洗礼名できちんと呼ぶのが良家の作法なのだろう。

アーデルハイド(アーデルハイト)はドイツ語圏の女性の名。
「Adelheid」と書き、「adel=高貴な」「heit=姿形」を意味する。
後半の「ハイト」の部分が「ハイジ」という愛称になる。

ドイツ語では「ハイジ」より「ハイディ」に近い音になるようだ。

総括

そういうわけで、予想通り。
小学生の私が好きだった「アルプスの少女ハイジ」は 、
大人の私には「ウザくて躾が悪いガキに我慢するアニメ」だった。
昔も今も私にとって同じようにすんなり受け入れられたのは
アルプスの自然と街の風景、
そして、とろりチーズの黒パンが美味しそうなことだった。