本の記録(2024-04)

 放送大学の今期の授業が始まったので,今年度集中的に学ぼうと思っている『枕草子』の教科書と関連コミック,その間に続きものやちょっと興味を抱いたコミックをちらし読みする月だった。『清少納言と申します』はそのうち全巻まとめて読みたいと思う。
 島内裕子先生が校訂した『枕草子』(ちくま学術文庫)は講義と照らし合わせながら摘まみ読みしている。通して読破したいが古文は難しい。しかも『枕草子』がこんなに長い書物だとは知らなかった。高校の古典の授業は摘まみ読みさせるだけではなく,もっと本体の概観を教えて興味を持たせて欲しいものだ。


4月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:870
ナイス数:45

清少納言と申します(1) (BE・LOVEコミックス)清少納言と申します(1) (BE・LOVEコミックス)感想
 『枕草子』を勉強中につき再読。清少納言が男というぶっとび設定についていけず挫折していたが,改めて読むと登場人物の設定や当時の風習などしっかり描かれている。続きも読んでみたくなった。
読了日:04月04日 著者:PEACH-PIT

清少納言と申します(2) (BE・LOVEコミックス)清少納言と申します(2) (BE・LOVEコミックス)感想
 2巻のみ期間限定無料になっているのを見つけて。
 兄の清原致信(むねのぶ)に藤原家からは道隆・詮子・道長。安倍晴明などの新キャラ登場。一条天皇(後の)と定子の見合い場面や『枕草子』名場面の白楽天の「香炉峰の雪」や猫がペットとして人気だったことなどのミニ解説。清少納言が『枕草子』で書いている宮仕え意識や苺を食べる稚児を可愛らしく思うことなどもキッチリ盛り込んである。道長はなぎ子を時姫の女房に望むが,道隆はなぎ子を定子の女房に望み実方に依頼する。
読了日:04月04日 著者:PEACH-PIT

姫様“拷問”の時間です 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)姫様“拷問”の時間です 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)感想
 アニメで見ているのに面白い。「姫の話した秘密と魔王の反応の記録」や登場人物のプロフィールなど,アニメでは得られなかった情報も良かった。あんパンを半分に切ってトースターで焼く(さらにバターを乗せる)のはやってみたい。
読了日:04月14日 著者:春原ロビンソン,ひらけい

姫様“拷問”の時間です 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)姫様“拷問”の時間です 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)感想
 エクスの拷問からカツカレーの拷問まで(拷問15〜28)。巻末には『週刊少年ジャンプ』に出張掲載された読み切り(おにぎり)と番外編「終業後の拷問官」を収録。トーチャーさん好き。
読了日:04月15日 著者:春原ロビンソン,ひらけい

アルテ 17巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)アルテ 17巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)感想
 続きを読むために再読。
 護衛の一人パコの死のショックを乗り越え,グイドたちの仕事が何であるか認識を新たにし,アルテはグイドとの絆を深め危険な旅を続ける。途中で立ち寄った街で混乱のフィレンツェから避難していた旧友のダーチャとアンジェロと再会。
読了日:04月22日 著者:大久保圭

アルテ 18巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)アルテ 18巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)感想
 主にレオさんの現在と子供の頃の物語。
 フィレンツェ陥落の情報を聞きつけ,混乱に乗じてフィレンツェに入るためアルテたちは出発する。
読了日:04月22日 著者:大久保圭

アルテ 19巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)アルテ 19巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)感想
 アルテ一行はフィレンツェへ向かう船を調達。
 レオさんの過去の物語が続く。ウベルティーノとの出会い。エッツィオに気に入られ,ウベルティーノに認められ,レオの身の上は安定してきたように見えるが,エッツィオの家族に病魔の影がさし9巻は終わる。次巻は2024年秋頃の発売とのこと。
読了日:04月23日 著者:大久保圭

『枕草子』の世界『枕草子』の世界感想
 2024年開始の放送大学講義の教科書。1冊で『枕草子』を概観し,テンポ良く書かれた原文を読みながら現代語で内容を知り,背景を知ることができる。今まで有名な箇所しか知らなかった『枕草子』をより深く知ることができ,また清少納言の置かれた立場や執筆姿勢がわかり,清少納言と『枕草子』が大変身近に感じられるようになった。
 島崎裕子先生がお書きになった『枕草子』上下巻(ちくま学芸文庫)も,時間はかかるだろうが読破したいと思う。
 また清少納言を高く評価した樋口一葉にも興味が沸いた。
読了日:04月23日 著者:島内 裕子


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読書日記ランキング

本の記録(2024-03)

 3月は,主に昨年のブルーバックス60周年で購入したブルーバックスのkindle本を読む月になった。まだ読めていない本がたまっているが,ひとまずこれにてブルーバックスから離れる。
 主に日常生活に関係が深い内容の本を読んだので,お茶やコーヒー,ウォーキングなどの知識は早速活用している。


3月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1562
ナイス数:35

認知バイアス 心に潜むふしぎな働き (ブルーバックス)認知バイアス 心に潜むふしぎな働き (ブルーバックス)感想
 「何を見たかは覚えているが,どこで見たかは意外に覚えていない」「日常的に知っていることは豊富な事例から適切なプロトタイプを作るが,そうでないものは目立つ代表例を用いて予測や判断を行ってしまう」「自分の行動の原因はその時の状況に求めるのに,他人の行動の原因はその人の性格や意志などに求めることが多い」「同じタイプのことが100回起きることと一つの事例を100回聞くことを区別していない」「接触回数が増えればそれを好きになってしまう」等々,日常生活に身に覚えがあることが実験例を用いて解説されており興味深かった。
読了日:03月07日 著者:鈴木宏昭

人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか (ブルーバックス)感想
 水月湖には厚さ45m(7万年分)の年縞がたまっており,水月湖は地質時代の標準時計になった。著者はこれを元に1年単位の詳細な過去の気象データを復元する研究に取り組んでいる。数十万年のスケールで見れば地球では氷期が「正常」な状態で,現代のような変動の少ない温暖な時代は例外的な時代。過去の大規模な温暖化では東京がマニラに変わるほどの激しい温暖化が起き,海位が350年で20m上昇した。知見が得られていない理由で気候が突然変動し始めることだって起こる可能性があるのだ。ダイナミックな地球が分かりやすく解説されていた。
読了日:03月12日 著者:中川毅

悲しみよ こんにちは (新潮文庫)悲しみよ こんにちは (新潮文庫)感想
 高校生の頃に朝吹登水子訳で読んだ。当時は恋愛と自分勝手な欲望に浮ついて過ごす父と娘の自堕落でバカっぽい物語にしか思えなかった。「○○さんが○○をした」以外の部分に含まれる膨大な情報を全く読み取れていなかったのだ。これほどの人間描写を18歳で書くとはサガンは天才だ。相反する感情を同時に抱き引き裂かれるセシルの若さ。規律正しく生きてきて,今,愛する人達と理想の家庭を築こうとしている40代女性のアンヌ。アンヌの悲劇もセシルにとっては夏とともに浮かび上がる心地よい悲しみでしかなく,それがとてもリアルだと思った。
読了日:03月13日 著者:フランソワーズ サガン

お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ (ブルーバックス)お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ (ブルーバックス)感想
 本書の著者は,原木を訪ねてアジアの奥地を旅し,時に日本茶人気への逆風も吹き荒れる中,お茶の研究を50年間続けてこられたそうだ。本書は茶の木のルーツに始まり人類史におけるお茶の歴史,産地,お茶の種類と特徴,成分と栄養,成分の特性を踏まえた美味しい淹れ方,茶飲料の加工の歴史など幅広く,しかも一般読者向けに科学的に詳しく解説されている。早速生活の中で試してみようと思うお茶の飲み方なども紹介されており,お茶の教養が深まったと思う。
読了日:03月19日 著者:大森正司
コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)感想
 医師であり珈琲オタクである著者が,現時点での知識の集大成を科学と熱意で語り尽くすという感じの本。正直言って興味を持てない分野も詳しく語られていて少々ついていけない部分もあったが,逆に珈琲のどの方面に興味がある人にも欲しい情報を見つけられる内容ではないかと思う。
 珈琲の抽出や健康への影響など日々の珈琲生活に直結する知識も興味深かったが,珈琲を淹れるための器具や歴史も面白かった。日頃からよくわからないなぁと思っていたマキネッタとモカポットの呼び方についても腑に落ちる解説があって納得できた。
読了日:03月24日 著者:旦部幸博

ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方 (ブルーバックス)ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方 (ブルーバックス)感想
 「ややきつい」と感じる早歩きとゆっくり歩きを繰り返す「インターバル速歩」を続けることで,加齢によって低下していたミトコンドリア機能が改善し,最高酸素消費量が増加する。結果,生活習慣病や睡眠,うつ症状,認知機能など多くの問題が解決されて医療費の削減にも繋がる。これらの研究と得られた結果について,データを示しながら分かりやすく解説されており,自分もインターバル速歩を始めて身体機能を改善したいという気持ちになった。
読了日:03月27日 著者:能勢博


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