春の七草

せりなずな
ごぎょうはこべら
ほとけのざ
すずなすずしろ
これぞ七草

芹はセリ科。
薺(ナズナ/ペンペン草)・菘(スズナ/カブ)・蘿蔔(スズシロ/大根)はアブラナ科。
ゴギョウ(御形/ハハコグサ)・ホトケノザ(仏の座/小鬼田平子)はキク科。

(2024-01-06)
(2024-01-06)
(2024-01-06)
(2024-01-06)

 六義園の入り口に飾られていた籠に入った春の七草。
 食べられるばかりに準備されてスーパーで売られている七草セットと違って,こうして植えられたセットは活き活きとしていて可愛らしい。

 七草は「子の日の遊び」として古くから行われてきたイベントだ。
 正月最初の子の日に野原に出て,若菜を摘み引き抜いた小松を庭に植えた。

 これは,平安時代にはとても一般的な行事だったらしい。
 『源氏物語』にも数カ所の記述があるし,『枕草子』にも「七日の日の若菜を六日人の持て来 さわぎ取り散らしなどするに…」(正月七日の日の若菜を六日に人が持ってきて騒いで散らかしたりして…)と書かれている。また清少納言の父,清原元輔が子日の行事を詠んだ歌も残っている(清少納言パパを訪ねて —藤崎八旛宮)。

 ちなみに2024年1月の子の日は,1日・13日・25日だ。


 お正月というのは確かに胃腸にとって試練の時である。普段から減塩生活に余念がない私はお節の塩っ辛さに心から疲れてしまった。七草粥というのは素晴らしい伝統だと思う。
 お鍋でゆっくりとお粥を作ろう。

六義園 2024年ご利益花壇(2024-01-06)
六義園 2024年ご利益花壇(2024-01-06)
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お椀の上の里地里山

 東京大学あたりの本郷通りは散歩が楽しい場所だ。
 夏は街路樹が落とす木陰が涼しげだし,年末になると木々の紅葉が華やかだ。
 周辺には学生が利用しそうな古本屋さんがあったり,金物屋さんや石材屋さんなど昔ながらの露店がぽつぽつ並んでいる。

 いつもキョロキョロと風景を眺め,立ち止まったり撮ったりして歩いているはずなのに,歩く度に新しい発見があるから不思議なことだ。

本郷通りにて(2023-12-25)
本郷通りにて(2023-12-25)

 この日の一番の収穫はこの看板。
 稲穂に囲まれたお茶碗の上に田んぼと里山が乗っかっていて,お日様が陽気に里地里山の上に輝き,文字の上にちょこんと留まったカワセミが川のお魚を狙っている。
 すごく可愛い。なるほどお米屋さんなのか。
 そして文字をよく見ると「大正五年創業」と書かれている。すっごい老舗ではないか!

本郷通りにて(2023-12-25)
本郷通りにて(2023-12-25)

 こんなお店が何気なく残って普通に営業しているのが東京都心だと思う。
 江戸っ子の活気や息づかいが町のそこここに溢れて伝わってくる。

 本郷通りを歩く楽しみがまた一つ増えた。

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