古い箪笥の古い金具

 実家にある桐の箪笥の金具。
 一つ一つが手作りらしい異なる形をしており,錠前部分には素朴な模様が彫り込まれている。

昭和初期の桐の箪笥の金具
昭和初期の桐の箪笥の引き手と錠前

 この箪笥は祖母の嫁入り道具だった。
 明治40年(1907年)生まれの祖母が結婚したのは,おそらく昭和になってすぐのことだろう。その頃の職人さんの手によるものだ。

 昭和元年は1926年だから,今から丁度100年くらい昔。
 生まれて100年経った桐の箪笥は今も少しも問題なく使われている。

 総桐はとても軽く女性一人でも移動できるし,もちろん衣服の保護は完璧だ。
 積み重ねられてきた日本人の知恵と技術が形になった製品なのだと思う。

昭和初期の桐の箪笥の金具
昭和初期の桐の箪笥の引き手と錠前

 これら半円形を描く引き手は蕨手型(わらびてがた)と呼ぶらしい。
 錠前の模様は植物のようだが何だろう。

昭和初期の桐の箪笥の金具
昭和初期の桐の箪笥の錠前

 考えてみれば,箪笥の全貌も撮っておくべきだった。
 次回帰省したら忘れずに撮って帰ろう。

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夕暮れの熊本市

 夕映えの街はそれだけで美しい。
 どの街にも夕暮れ時が似合う場所があるだろう。

熊本市 通町筋電停(2023-05-19)
熊本市 通町筋電停(2023-05-19)

 熊本城と市電が同時に見えるこの場所は,熊本市がNHKの全国中継に出てくる時に必ずといってもよいほど使われる”熊本市らしい”風景だ。

 熊本城も市電の電停も横断歩道の西にあるため,夕焼け色に染まった空の下で逆光になる。逆光だから電車の行き先表示やヘッドライト,信号の光が映える。繁華街の中心部なので慌ただしい夕刻時の雰囲気も感じられる。

熊本市 通町筋電停(2023-05-19)
熊本市 通町筋電停(2023-05-19)
熊本市 下通から(2023-05-19)
熊本市 下通から(2023-05-19)

 電停の南に続く下通商店街を歩いて行く。
 飲食店が多い路地では灯が温かな光を放ち,お腹を空かせた仕事帰りの人を誘っているようだ。

 帰宅の人が行き交うせいか,夕暮れ時の街は郷愁を誘うと思う。

熊本市 三年坂通り(2023-05-19)
熊本市 三年坂通り(2023-05-19)
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