本の記録(2022-12)

 まるでコミックばかり読んでいるようだが,裏でずっと『銃・病原菌・鉄』を読んでいる。その合間にコミックで気分転換をしていた。

12月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:3047
ナイス数:45

月の子 MOON CHILD 1 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 1 (白泉社文庫)感想
 大昔に持っていたコミックだが引越の時にやむにやまれず廃棄してしまい,kindle で見つけたので。人魚姫の物語。昭和63年ララ10月〜12月号,平成1年ララ1〜4月号掲載分。月を見てベンジャミンは?
読了日:12月01日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 2 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 2 (白泉社文庫)感想
 ショナの肩越しに月を見たベンジャミン。にがよもぎの星が来年(1986年)の春に落ちる夢。セツ助けたさに自暴自棄になるティルト?  今となっては古風な絵柄になるが,とても美しい。所々に挟まれる塗り絵も楽しい。
読了日:12月02日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 3 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 3 (白泉社文庫)感想
 気持ちを自覚するショナ。ショナとセツの出会い。セツのために道を踏み外すティルト。人間の青年ギルの運命は? 「ぼくは女の子なんだって」とジミー。新たなキャラクターが出てきて不穏な展開になっていく巻。
読了日:12月03日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 4 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 4 (白泉社文庫)感想
 ベンジャミンとアート,セツとショナ,ベンジャミンとショナ。関係が少しずつ変わっていく。ティルトは計画を進めていく。ホリーの弟とギル。1985年11月13日 コロンビアのネバドデルルイス火山泥流災害。女の人の時間が増えるジミー。
読了日:12月04日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 5 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 5 (白泉社文庫)感想
 ティルトはどうしてベンジャミンを嫌いになったのか。どうしてセツを嫌いにならなかったのか。思い出すベンジャミン。アートのオレンジを潰したマスコミの人たちとベンジャミン。ベンジャミンが意識的に物をこわした最初の瞬間…。
読了日:12月05日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 6 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 6 (白泉社文庫)感想
 ジミーは綺麗な女の人のベンジャミンが自分であることをアートに伝え,女の人の姿でアートと一緒にソビエトへ渡る。セツも追いかける。1986年1月28日チャレンジャー号の爆発事故。ギル(ティルト)にとってのリタの価値。
読了日:12月06日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 7 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 7 (白泉社文庫)感想
 ティルトの計画に気がついたベンジャミン。セツをニューヨークに帰そうとするティルト,ベンジャミンをニューヨークに帰そうとするアート。キエフに向かうショナ。ギルに注釈するリタ。  恋愛ってこの世で最悪な感情では?と思わされる巻。
読了日:12月06日 著者:清水玲子
月の子 MOON CHILD 8 (白泉社文庫)月の子 MOON CHILD 8 (白泉社文庫)感想
 1986年4月2日から。チェルノブイリの事故は1986年4月26日午前1時23分。その時刻に向かってベンジャミンもギルもアートもセツも動く。  そして,何百年も昔にかなえられる筈だった人魚の夢は。
読了日:12月06日 著者:清水玲子
伊勢物語など伊勢物語など感想
 短い手紙のような(というか手紙そのもの?)随筆。  伊勢物語の一部分を引用し,そこから広がった思考を書き留めている。「僕は、さういふ古代の素朴な文學を發生せしめ、しかも同時に近代の最も嚴肅な文學作品の底にも一條の地下水となつて流れてゐるところの、人々に魂の靜安をもたらす、何かレクヰエム的な、心にしみ入るやうなものが、一切のよき文學の底には嚴としてあるべきだと信じて居り」など,旧仮名遣いの文語調で読みにくいが哲学的視野が広がる。
読了日:12月08日 著者:堀 辰雄
模型の町 (楽園コミックス)模型の町 (楽園コミックス)感想
 「ここはどこでしょうの旅」シリーズに「模型の町」シリーズほか。主人公とレオナルド,そして「ローポポー」ないつも通りのいつも通りではない世界。
読了日:12月12日 著者:panpanya
軍師 黒田官兵衛伝 1 (ジェッツコミックス)軍師 黒田官兵衛伝 1 (ジェッツコミックス)感想
 『信長の忍び』にも出てくる軍師と名高い黒田官兵衛の焦点を当てた4コマ。相変わらず表題のつけかたが秀逸。播磨国で小寺家に仕える黒田官兵衛。播磨は織田と毛利に挟まれ苦しい立場だったが,官兵衛は織田につくよう小寺家を説得。岐阜へ赴き秀吉と懇意になる。が,愛息子の松寿丸を織田の人質に取られ,摂津国の荒木村重と小寺の裏切りに遭いピンチに…。
読了日:12月14日 著者:重野なおき
軍師 黒田官兵衛伝 2 (ジェッツコミックス)軍師 黒田官兵衛伝 2 (ジェッツコミックス)感想
 荒木村重の牢獄からの救出劇と再会。竹中半兵衛と黒田官兵衛の繋がり。牢獄経験で軍師として一回り成長した官兵衛の初仕事。新潟城兵糧攻め。そして物語は運命の年,天正10年(1582)を迎える。
読了日:12月15日 著者:重野なおき
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 27 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 27 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
 色々あったが白銀はカリフォルニアへ出発。夏休みに入り,かぐやの父親,四宮雁庵が亡くなる。石神君とかぐや様の関係が素敵。お父様の写真撮れなくて残念だったね…。  千花ちゃんを見てつけ麺を食べたくなるラスト。
読了日:12月22日 著者:赤坂アカ
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 28 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 28 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
 登場人物達それぞれの最終回。みんなの現在と未来が何となく少し見えたような見えないような,でもみんなのことを思い出しつつ卒業式を迎える。美しい終わり方だった。
読了日:12月22日 著者:赤坂アカ
果ての星通信1 (PASH! コミックス)果ての星通信1 (PASH! コミックス)感想
 久しぶりにマルコや局長に会いたくなった。
読了日:12月23日 著者:メノタ
果ての星通信【電子版特典付】2 (PASH! コミックス)果ての星通信【電子版特典付】2 (PASH! コミックス)感想
 ヨルワンガとマルコの心臓の物語が始まる。局長の変身とマルコの怖いもの。アルコールに弱い宇宙人たち(いやロシア人が強いんだろ?)。UMA(未確認生物)好きなマルコとモンゴリアンデスワーム。マルコの星作り。ドールハウスの星と寄生虫。キアラ星の少女と第8銀河図書館の入場券。市場の星(ルイナク)と銀河図書館。  2度目でも面白い。
読了日:12月25日 著者:メノタ
果ての星通信【電子版特典付】3 (PASH! コミックス)果ての星通信【電子版特典付】3 (PASH! コミックス)感想
 第6銀河出身のガカルとノッティカとの出会いと別れから,図書館で『宇宙探偵ゴーティオ』を調べ始めることに。第6銀河支局,惑星ルトイヤの局員の話。そしてマウーの幼稚園計画に星間旅行をする199年セミ。局長の休日とヨルワンガを釣るカノーウィ博士との出会い。だんだん局員らしくなったマルコ。
読了日:12月27日 著者:メノタ
果ての星通信【電子版特典付】4 (PASH! コミックス)果ての星通信【電子版特典付】4 (PASH! コミックス)感想
 マルコが局員になって2年が過ぎた。ナナギさんの局員生活は終盤。ヨルワンガ釣りの作戦は励行中。マルコは強い糸を求めて小さなコロイヤ星人たちを訪ねる。ボロボロのヨルワンガが何だか不憫に思えた2回目だ。ついに「上の人」が現れて…。  マウーは少し成長して初等教育校へ。第11銀河の惑星テキューやドールハウスの星ケデルで会ったあの人のその後,マルコが作った歌う幼星など。
読了日:12月29日 著者:メノタ
果ての星通信【電子版特典付】5 (PASH! コミックス)果ての星通信【電子版特典付】5 (PASH! コミックス)感想
色々エピローグの巻。気持ちよく2022年の読書仕舞いになった。
読了日:12月31日 著者:メノタ

読書メーター

月の子 MOON CHILD

本の概要

  • 全8巻(完結)
  • 著 者:清水玲子
  • 出 版:白泉社(白泉社文庫)
  • 発売日:1998/6/12(1巻)~1999/3/12(8巻)
  • 連載:『ララ』昭和63年(1988)年10月〜平成4年(1992)12月号

 アンデルセン童話『人魚姫』(1837)と,1986年4月のチェルノブイリ原子力発電所の事故をはじめ1985年後半〜1986年初頭にかけて起こる様々な災害を2本の柱として織りなされる長編の恋愛少女漫画。
 登場するのは人魚と人間。人魚たちにはアンデルセンの童話のように事情がある。

 人魚の寿命は200〜800年。人魚は大宇宙を泳ぎ回る生き物だ。
 たまたま地球が産卵地として適していたので人魚たちは地球を選んだ。そして産卵の期間だけ人間に擬態する。稚魚は10年おきにくる産卵期に地球へ帰り,それから半年ほどの間に相手を決めて卵を生み死んでゆく。

 一途すぎるほど一途な登場人物達は,ちょっと重く感じるかもしれない。人魚であることを考えるとハッピーエンドな未来は見えないけれど,幸福を願って読み進みたくなる。

 文庫が出た頃に一度読んだのだが,チェルノブイリやキエフなどが登場することもあり,読み返したくなったが,ひとときその時代に帰って楽しめた。

 絵柄は今となっては古い雰囲気に見えるかもしれないが,とても芸術的で美しいと思う。所々に挟まれる塗り絵の一枚絵も楽しい。


 昭和63年ララ10月〜12月号,平成1年ララ1〜4月号掲載分。
 月を見てベンジャミンは?


 ショナの肩越しに月を見たベンジャミン。にがよもぎの星が来年(1986年)の春に落ちる夢。セツ助けたさに自暴自棄になるティルト?


 気持ちを自覚するショナ。ショナとセツの出会い。セツのために道を踏み外すティルト。「ぼくは女の子なんだって」とジミー。人間の青年ギルの運命は? 新たなキャラクターが出てきて不穏な展開になっていく巻。


 ベンジャミンとアート,セツとショナ,ベンジャミンとショナ。関係が少しずつ変わっていく。ティルトは計画を進めていく。ホリーの弟とギル。1985年11月13日 コロンビアのネバドデルルイス火山泥流災害。女の人の時間が増えるジミー。


 ティルトはどうしてベンジャミンを嫌いになったのか。どうしてセツを嫌いにならなかったのか。思い出すベンジャミン。アートのオレンジを潰したマスコミの人たちとベンジャミン。ベンジャミンが意識的に物をこわした最初の瞬間…。


 ジミーは綺麗な女の人のベンジャミンが自分であることをアートに伝え,女の人の姿でアートと一緒にソビエトへ渡る。セツも追いかける。1986年1月28日チャレンジャー号の爆発事故。ギル(ティルト)にとってのリタの価値。


 ティルトの計画に気がついたベンジャミン。セツをニューヨークに帰そうとするティルト,ベンジャミンをニューヨークに帰そうとするアート。キエフに向かうショナ。ギルに注釈するリタ。
 恋愛ってこの世で最悪な感情では?と思わされる巻。


 1986年4月2日から始まる巻。チェルノブイリの事故は1986年4月26日午前1時23分。その時刻に向かってベンジャミンもギルもアートもセツも動く。
 そして,何百年も昔にかなえられる筈だった人魚の夢は。
 平成4年 ララ9〜12月号掲載。


登場人物

人魚

ジミー(ベンジャミン) 主人公の少年または美少女。ジミーは本当は猫の名前。ティルトとセツとは三つ児で一緒に月から泳いできた。
ティルト ベンジャミンの兄弟。口が悪い。最初に孵化した。3人の中では体も大きく丈夫でリーダー格。もともと卵細胞を持っていない。
セツ ベンジャミンの兄弟。身体が弱く内気で優しい。
ショナ 14世紀生まれ。400光年離れたアスガルド星から帰ってきたマーメイド。ジミーたちの母親セイラの許嫁だったポントワの息子。昔からセイラの夢を見ていた。
ノエラ ショナをマーメイドだと気づきコミュニティに連れて行く。ショナが好き。
セイラ アンデルセンの『人魚姫』のモデル。人間に恋をし仲間の人魚たちを魔女狩りに売った。「足の先まで流れるハチミツ色の髪に砂糖菓子のような愛くるしい顔」だった。
グラン・マ 卵を生まない代わりに長生き。
アイーダ グラン・マの手伝いをしている。
シリル 人魚の女性。
ジュリ 人魚の女性。
サラ セイラの姉妹。ベンジャミンたちを守り育てた。
ミラルダ セイラの姉妹。ベンジャミンたちを守り育てた。

人間

アート ジミーを助けた保護者。ダンサーで父親はソ連人。
ホリー アートの元恋人でダンサー。
ギル・オウエン テレンス・オウエン財団の会長アルバート・オウエンの一人息子。1964年生まれ。突然月にいる夢を見るようになる。イエール大学の首席。再生不良性貧血症を患っている。
パメラ ギルの妹。
ミス・クロディ(リタ) パメラの家庭教師で6カ国語を操る。霊能力もある。身長190cm。ヤンという婚約者がいたが解消してギルに仕える。
アルテム・ザイコフ ソ連の有望な若いダンサー。17歳。お姉さんに見えるお兄さん。リムスキーの息子。
アレクセイ アルテムの三つ子の甥。将来アメリカへ行くのが夢。
コンスタンチン アルテムの三つ子の甥。
ウラジーミル アルテムの三つ子の甥。
アンナ アレクセイたち三つ子の母親でアルテムの異父姉。