誰もいない駅には物語がある

 
 ゴールデンウィークのただ中の,都営三田線 内幸町駅。

 深夜とか早朝ではない。13時半頃の写真だ。
 そもそも常日頃,休日平日・朝昼晩,常に混雑している都営三田線も珍しく空いていた。

 世間が休みになると東京は混雑している所と閑散としているところに真っ二つに分かれるが,コロナ禍で一時期そんな状況も緩和されたような印象だった。それが元に戻った感じ。この駅で降りたことは何度もあるが,こんなに誰もいない様子は初めて見た。

 政府関係機関や大手企業のオフィスなどが近くに多いこの駅は,休暇中は閑散とする駅なのだろう。

都営三田線 内幸町駅(2023-05-04)
都営三田線 内幸町駅(2023-05-04)

 人がいない駅には何か独特の風情がある。透けて見える物語があると思う。
 新しい駅なら新しい駅なりの,古い駅なら古い駅なりの。

 人がいない空っぽな駅だからこそ,物語が入り込む余地があるのだろう。

都営三田線 内幸町駅(2023-05-04)
都営三田線 内幸町駅(2023-05-04)
都営三田線 内幸町駅(2023-05-04)
都営三田線 内幸町駅(2023-05-04)

 私にだけ見える駅の物語を残したくて,シャッターを切る。

「都会」の要素って?

 この写真を見て母が言った。「都会風な風景。でも何故だろう?」と。
 確かにこの風景を見たら都会の商店街だと思う。

霜降銀座商店街(2023-04-27)
霜降銀座商店街(2023-04-27)

 「人が沢山いたり,シャッターが下りている店がなくてみんな営業していたり,ちょっとした看板が綺麗だったり,掃除が行き届いていたり,そういう小さな事の積み重ねだと思う。都会はお金があるから道路の掃除や草取りなんかも行き届いていると感じる。」と私は答えた。

 私の答が的を射ているのかどうかは分からない。 
「都会的」を醸し出す要素は何なのだろう。