『天気の子』の田端

 2019年公開の新海誠監督のアニメ映画『天気の子』。
 舞台が田端だということは今さらだし,聖地巡礼の写真もネットにたっぷり出回っている。とはいえ,2023年になってようやくこの映画を見たので田端へ行ってみた。


 作品内で主人公の森嶋帆高の背景に描かれていた田端駅南口。
 三角屋根も自動販売機もフェンスも映画そのままだ。レトロな雰囲気が素敵。

田端駅南口(2023-01-21)
田端駅南口(2023-01-21)

 出口から続く坂道は,主人公がヒロインの天野陽菜のもとを訪れる際に何度も出てきた。
 ラストもこの坂道の上だった。

田端駅南口前の坂道(2023-01-21)
田端駅南口前の坂道(2023-01-21)

 下の地図で黄色で示した場所が,この写真の坂道にあたる。

地図:田端駅南口 『天気の子』ロケ地
田端駅南口 『天気の子』ロケ地
(c) OpenStreetMap contributors
https://www.openstreetmap.org/copyright

 坂道には名前がないようだ。どの地図にも載っていない。駅と出口ができるまで道として存在していなかったのだろうか?

 坂道の正面に見えるビルは東京シティビューホテル田端ステーション。坂の上にビルがあると映えないためか?映画の中では風景からカットされていた。
 このホテルのウェブサイトを見ると,バルコニーから『天気の子』と同じ風景が見えることを謳っている。

 上野台地の崖っ縁に当たるここからの眺望は大変すばらしく,映画の中でもこの坂道を歩く主人公の背景に,この風景が広がっている。
 新幹線の高架の向こうに見える「マルエツ」や「あみ印」は,映画の風景の中にも描きこまれていた。

 ちなみに「あみ印」(あみ印食品)さんは,日本で初めて炒飯の素を作った会社だそうだ。

田端駅南口からの風景(2023-01-21)
田端駅南口からの風景(2023-01-21)

冬晴れのスカイツリーと田端駅

 北風が冷たく吹きすさぶ午後だった。

 JR田端駅の周辺を散策していると,田端駅と東京スカイツリーを同方向に見渡せる場所を見つけた。
 田端駅のホーム,西日暮里方面へ向かう山手線と京浜東北線の線路,そしてそれらの線路と平行して走る東北新幹線と山形新幹線の高架の様子がよくわかる。

田端駅とスカイツリー(2023-01-21)
田端駅とスカイツリー(2023-01-21)

 田端駅は武蔵野台地のきわ,崖下に位置する。
 上野駅・鶯谷駅・日暮里駅・西日暮里駅・田端駅と,山手線は武蔵野台地から飛び出た上野台地の縁に沿って,低地側を通っているのだ。

 田端駅の西隣,駒込駅から巣鴨・大塚・池袋,それから品川までの西半円の山手線は,武蔵野台地を貫いて,文字通り「山の手」を走る。
 日暮里駅などもそうだが,台地のきわは概ね眺めが良好なのだ。