竿灯ポスト

 秋田駅西口。リムジンバスを降りて駅へ向かった。

 秋田駅周辺は広々と明るく,要所要所に秋田杉が遇われ落ち着いた雰囲気だ。
 秋田市ガイドマップ,秋田駅周辺ガイドマップの看板を眺め駅方面を振り向くと,赤いポストが目に付いた。

 ポストの上に乗っているのは竿灯まつりの提灯に違いない!
 着いて早々にこういう地元風情なものを目にするとテンションが上がる。

 そういえば,徳島駅の駅前には阿波踊りのポストがあったっけ。
 有名なお祭りがある土地はいいなぁ。

秋田駅前のポスト(2023-09-24)
秋田駅前のポスト(2023-09-24)

 ズンズンと近づいていくと,やっぱり竿灯の提灯だった。

秋田駅前のポスト(2023-09-24)
秋田駅前のポスト(2023-09-24)
秋田駅前のポスト(2023-09-24)
秋田駅前のポスト(2023-09-24)

 竿灯まつりは子どもの頃に2回見たことがある。
 5歳の夏と10歳の夏。

 まつり会場は大混雑だった。
 人垣に遮られてとても見えそうになかったが,母が一芝居打って見せてくれた。
 わざと熊本弁を使って「せっかく来たばってんいっちょん見えんね」と声をあげたのだ。母は自分の地元の祭を,何としてもその機会に娘達に見せておきたかったのだろう。

 九州の方言を耳にした秋田の皆さんは,すっと場所を空け,私と妹を前の方へ呼んでくれたのだった。

 特に10歳のときのことはよく覚えている。
 10m以上もある巨大な竿灯を,こうやって腰や肩,額などに移し替える妙技はいつまでも眺め続けていられるものだった。

秋田駅前のポスト(2023-09-24)
秋田駅前のポスト(2023-09-24)

秋田竿燈まつり-Akita Kanto Festival-公式ホームページ

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この夏の光の現象

 この夏は大気光学現象を見かける機会が多かった。

 夏という季節はいつの間にかとても過酷な苦しい季節になってしまったが,風景の美しさや空のダイナミックさがあるから,どうにかこうにか気持ちを引き上げ,救われて生きてゆける。

 この夏,7月から9月に見かけた大気光学現象。
 虹は例年より少なかったが反薄明光線を多く見かけた印象だった。


反薄明光線・ビーナスベルト・地球の影

 日没直前に見える反薄明光線は,地平線近い太陽が雲に隠され,雲の切れ間から漏れ出た光と雲の影が太陽の反対方向へ放射状に収束して見える現象。まるで,太陽がない筈の東の空から光が出ているようにも見えるため裏後光/裏御光(うらごこう)とも呼ばれる。

 反薄明光線はだいたいビーナスベルトや地球の影とセットで見えている印象だ。

 ビーナスベルトは,日の出・日の入り前後20分ほどの間に太陽の反対側の地平線に近い位置に現れるピンク色の帯のこと。夕焼けや朝焼けと同じ原理で空に残った波長の長い赤い光が,太陽の反対側の空に投影されて発生する。
 地球の影はビーナスベルトの下,地平線上に見えており,深い青あるいは濃い灰色のような色で地平線を縁取っている。

 いずれも地球が球形である事を宇宙規模で感じられる現象だ。

※ 写真はクリックで拡大


薄明光線

 最も一般的な大気光学現象ではないだろうか。

 壮大なるチンダル現象だ。
 またの名は,光芒,天使の梯子,天使の階段,ヤコブの階段,ゴッドレイ,レンブラント光線など。「ヤコブの階段」の呼び名は下記の旧約聖書が基になっている。

時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。

『旧約聖書』創世記28章12節


 ヤコブはこの夢を見た場所に柱を立てて町を作った。


虹色の光

 環水平アーク,虹,幻日を見かけた。

 環水平アークはそれほど珍しくない現象ではあるが,太陽がかなり昇って空が明るくなってから出現するので,空が明るすぎて見逃してしまうことが多い。

 この夏は,きちんと半円を描いた虹を見る機会はなかったが,この日の夕刻は,主虹と副虹の根元と反薄明光線が同時に見えて圧巻だった。
 何枚も写真を撮ったのにみんなピンボケで,唯一スマホのパノラマで撮ったこれだけがまともに撮れていた。広い範囲を撮っているので虹の根元,特に副虹の根元はとてもわかりにくい写真になってしまったが。

大気光学現象てんこ盛り
 (2023-09-07 17:56)
 地球の影・ビーナスベルト・反薄明光線・主虹・副虹
大気光学現象てんこ盛り(2023-09-07 17:56)
地球の影・ビーナスベルト・反薄明光線・主虹・副虹

 他ブログに載せてきた空写真や気象の記録などを,今後はこのブログに載せていくことにする。

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