本の記録(2025-09)

 今月から新しくサブスク契約したU-NEXT(ユーネクスト)で無料で読める本がけっこうあることに気づき,しかもカテゴリ別の表示があるので Amazon の Kindle Unlimitedより興味深い本を見つけやすい。試しに絵本を読んでみた。今後も利用していきたい。
 今月はテクノ封建制とマルタの鷹に時間がかかり読み終えた冊数は少なめ。


9月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:744
ナイス数:14

おつきさまのおさんぽおつきさまのおさんぽ感想
 クレーンにひっかかって地球に下りてきたお月様。街を散歩し,遊園地で遊んで,車たちとお話し,海の上を大行進。海の底の鯨の背中でお魚たちと遊んでお空へ帰る。絵は可愛らしく,小さなところまで描き込まれているのでじっくり見れば見るほどなお楽しい。
 最後のページに物語の中のできごと探しがあり,Webで答合わせができるようになっているのが最近風だった。
読了日:09月12日 著者:カワチ・レン

遠野ものがたり遠野ものがたり感想
 大人も楽しめて記憶に残る絵本をというコンセプトで柳田国男『遠野物語』から厳選した7つの物語に,日本画専門の森田幸子画伯が挿絵をつけている。
 挿絵がとても素晴らしく,現代人には馴染みがない風景を思い浮かべる助けになる。『遠野物語』の世界への導入として良い本だと思う。
 掲載されている物語は,三人の女神・オシラサマ・ザシキワラシ・オクナイサマ・マヨイガ・大津波・サムトの婆。
読了日:09月13日 著者:宗任 雅子

テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本)テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本)感想
 著者のヤニス・バルファキスはギリシャの政治家・経済学者。2008年の金融危機のあと,資本主義社会は崩壊し,現在は人の心と市場を奪い取る怪物的なクラウドベースの資本に牛耳られるテクノ封建制の時代の入ったという。金融危機で社会が崩壊するのを防ぐために中央銀行が無尽蔵に提供した資金でクラウド領主の帝国が誕生し,そこで人間はもはや自己の分身さえ所有していない。労働者は就業時間中はクラウド・プロレタリアートになり,それ以外の時間はクラウド農奴になっているという。農奴は自己のデータの集積によってクラウドに繋がれていて,それらを見捨てて他所のクラウドへ移動するのも難しい。

 クラウド資本に奪われた脳内資産を奪い返すために,人間が自分の心と頭を再び所有するために,クラウド・プロレタリアートであり,クラウド農奴である私たちは,クラウド資本を集合的に所有しなければならない。領主の行動誘導の手段によって生産する今日から抜け出して,協働と解放の手段として生産するためにはそれしか道がない。著者はそのように説く。

 正直言って経済用語にテクノロジー用語,政治用語,加えてギリシャ神話の概念までも持ち込まれていて難しかった!
読了日:09月14日 著者:ヤニス・バルファキス,斎藤幸平

マルタの鷹マルタの鷹感想
 「ハードボイルドの金字塔」として名高く,「史上最高のミステリー小説100冊」ではシャーロック・ホームズシリーズに続いて総合2位を獲得している作品。ハードボイルドって何?ということも知らなかったので,非常に有名な作品らしい本書を読んでみることにした。

 ミステリーはほとんど読んだことがないが,読んでみると面白いと思う。二つの,後半では三つの殺人事件の犯人特定と,依頼者たちが追い求めている鷹の彫像の謎が解き明かすべき謎となっている。兎に角登場人物が多く物語の理解を妨げてはいたが,それでも続きと結末が気になって最後まで読み通した。もう一度くらい読まないと良く解らないのかもしれない。登場人物については,後に再読するときのためにブログにまとめておこうと思う。
読了日:09月25日 著者:ダシール・ハメット


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