種から育てるジャボチカバ (1)

種の入手と同定(2024-04-09)

種を入手したのは2024年4月9日。
とあるオフィスの観葉植物が2個の実をつけ,そのうちの1個だった。
その観葉植物を含むインテリア管理会社の人は「実が生るのは珍しい」「種を植えたら芽が出るかも」と仰ったとのこと。
貴重らしき種の1個は,植物を育てるのが好きな私のもとへやってきたのだった。


ジャボチカバの種(2024-04-14)
ジャボチカバの種(2024-04-14)

私は種を頂いただけで,自分で実を食べたわけでも,実を見たわけでもない。
更に実が生っていた観葉植物を見たわけでもない。
1個の種を手掛かりに何の種なのかを調べなければならなかった。
2〜3cmくらいの黒っぽい実だったそうで南の方の植物。
情報はそれだけ。

種は12mmほどの大きさで濃茶色だった。
実(果実)は傷みやすく直ぐに食べなければならないそうで,私の手元にやってきた種には表面に食べ残しの果肉が付いた状態だった。
桃やサクランボのように,表皮を覆う果肉が綺麗に取れないタイプの種なのだ。

兎にも角にもこの種には是非とも発芽して育ってもらわねばならない!
まずはネットを駆使し,何の種なのか調査した。
どうやらジャボチカバで間違いなさそうだとわかったが,
種から育てるための情報の少ないこと少ないこと!

だが皆無というわけではない。
ジャボチカバを種から育て,ネットに記事を書いている人はいる。
枯れたり記事が途中で止まっていたりしてイマイチ参考にならないだけで。

少ない情報を基に自己流でやってみる他なさそうだった。


吸水(約2ヶ月)

ジャボチカバは熱帯・亜熱帯の植物で,低温は苦手らしい。
まだ季節は4月上旬で肌寒い。
種に果肉がついたままでも発芽するという情報はあったが,発芽前に黴にやられるのが心配だったし,吸水と種表面の有機物を取り除くことを目的に温かくなるまで水に浸すことにした。

水は毎日取り替え,種の表面の果肉を無理なく少しずつ落としていく。


播種(2024-06-07)

播種前のジャボチカバの種(2024-06-07)
播種前のジャボチカバの種(2024-06-07)

2024年6月7日。
約2ヶ月綺麗な水に浸されていた種は表面が割れ始めており,気温も高くなってきたことからいよいよ土に植えることにした。

しかしどのような土にどのように播種すれば良いか,情報がない。
無難にバーミキュライトを使うことにし,割れ目を上にして2cmくらいの深さに植え付けた。
運が良ければ3週間〜2ヶ月,場合によっては数ヶ月かかって発芽するとのこと。

夏の間にある程度大きくし,秋の温かいうちに苗床から鉢へ移植し越冬させたい計画だ。
できればさっさと発芽してほしい。
発芽の可能性は30%くらい? あまり高くなさそうだった。

だが,植えたからには毎日灌水しながら見守って,気長に発芽を待つだけだ。


発芽(2024-07-13)

3本発芽(2024-07-13)
3本発芽(2024-07-13)

 バーミキュライト表面に異変を見たのは播種から5週間後の2024年7月13日。

 前日までは確かに無かった芽が2本,いや3本!
 ジャボチカバは多胚で1個の種から2〜4本の芽が出るようだが,最終的には7本の芽が出た。

3本発芽(2024-07-13)
3本発芽(2024-07-13)

 何と嬉しかったことか!
 正直言って,芽が出ることはあまり期待していなかったが,種はちゃんと生きていたのだった。


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