時間がかかった『吾輩は猫である』をようやく読み終わった。
コミックはアニメが始まったので途中まで読んで放置していた『ダンジョン飯』を一気読みし,完結した『からかい上手の高木さん』を読み,Kindle Unlimited になっていた『推しが武道館いってくれたら死ぬ』を読んだ(忘れていたので1巻から再読)。
あとブルーバックスの積ん読を1冊消化。
吾輩は猫である
『吾輩は猫である』は超絶有名な作品なので一度はきちんと読んでおこうと思ったのだったが,まず長さにびっくり。これほどの長編作品だとは知らなかった。青空文庫から気軽にダウンロードできるのはありがたいが,紙の本のように厚さが分からないのが難点だ。
作品自体が長いこともそうだが,段落の区切りが極端に少ないことにも参った。まとまった読書時間を確保してじっくり読むような恵まれた環境で読んでいるわけではないので,仕方なく段落の区切りどころか話の最中に読むのを諦めることも多かった。
延々と連なった文字が隙間無く何ページにも渡って紙面を埋め尽くしているのだ。読むのが苦手な人には読破は無理だろう。
これだけでも十分参ったが,内容が難解過ぎて私には面白さが理解できなかった。この作品を楽しむためには教養が必要だ。私にはそれがなさ過ぎた。この本を面白いと言っている人は世の中に大勢いるわけだが,皆さん素養深く博識で凄いと思う。
この作品は,留学から帰って精神的に参っていた漱石に,高浜虚子が「小説でも書いてみたら?」と勧め『ホトトギス』に掲載されたものだ。読み切り作品のつもりが人気だったため連載になって,こんな長編に膨れ上がったということだ。故に読者層は文芸誌『ホトトギス』を読むようなインテリだから,教養のレベルも高かったであろう。
また現代人とは異なるその時代独特の知識も土台になっている。
面白さはちっとも分からなかったが,夏目漱石が尋常ではない教養の持ち主であることはよくよくわかった。彼の多方面に及ぶ深すぎる知識が遠慮無く満遍なく放出されまくっており,
今で言うところの「オタク全開」のような物語だと思った。
オタク全開だったら,段落も切らず隙間無く文字で埋め尽くされている紙面も腑に落ちる。好きな話をするオタクが早口でまくし立てている時はそうなる。要するに『吾輩は猫である』は明治のオタクトークなのかと勝手に納得したのだった。
2月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:2633
ナイス数:74
ダンジョン飯 6巻 (HARTA COMIX)の感想
カブルー&シュロー一行と出会う。ハーピーの群れが現れたり巨大キメラ化したファリンが現れたり。カブルーに対するライオスの空気読めなさ力がすごい。カブルーやシュローと別れ深部へ進む4人。人の姿を真似るシェイプシフターやシュローの仲間だった猫女イヅツミ(アセビ)に翻弄されたり,マルシルが夢でうなされたり。我が儘勝手なイヅツミにみんなが優しすぎ凄い。ダンジョンを生きる仲間はこうでなくちゃいけないのか!(みりん干し/ハーピー/キメラ/シェイプシフター-1-/シェイプシフター-2-/山姥/夢魔/モンスターよもやま話)
読了日:02月02日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 7巻 (HARTA COMIX)の感想
炎竜と戦った場所で荷物を回収。マルシルがナマリの服を改造したイヅツミの服がかわいい。羊の木バロメッツに群がるダイアウルフ。地上に帰ったカブルーは西方エルフ,カナリアの船を見つけ即座に島主を訪問,エルフたちの説得を試みる。最初は怪しげに見えたカブルーの経験や目的が少しずつ見えて来る。ライオスは幻覚幻聴だと思っていた存在が実在だと気づき黄金郷へ。そして最深部に囚われる有翼の獅子のところへ向かう。センシの存在に疑問を感じたチャルチャックの決意。センシの過去。ここまできてやっと主要人物の詳細が分かってきた。
読了日:02月03日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 8巻 (HARTA COMIX)の感想
チェンジリングの胞子で種族が入れ替わったみんな。ライオスはドワーフに,マルシルはハーフフットに(可愛い)…。面白い。ライオスとファリンの過去。チルチャックの家族のこと。また少しずつ登場人物のことが明らかに。少しずつ馴染んでいくイヅツミが可愛い。地下1階ではカブルーとカナリアの一行と狂乱の魔術師の第1戦。迷宮に心を食われる怖さがわかる。(ダンプリング-1-/ダンプリング-2-/ベーコンエッグ/地下1階にて-1-/地下1階にて-2-/地下1階にて-3-/バイコーン/モンスターよもやま話-8-)
読了日:02月03日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 9巻 (HARTA COMIX)の感想
ライオスとマルシルの出会い編。マルシルはマルシルだなぁ(年齢はあかさない)。首のない鎧騎士デュラハンと首のないバイコーン。サキュバスとイヅツミ。サキュバスによってマルシルの趣味の悪さが露呈する。夢の中での有翼の獅子との時間。後半はカブルーとカナリヤ隊ミスルン隊長の物語。ミスルンがダンジョンを制圧しなければならない理由も明らかに。カブルーの存在感が増していく巻。(兜煮/サキュバス-1-/サキュバス-2-/有翼の獅子/焼き歩き茸/6日間/モンスターよもやま話-9-)
読了日:02月04日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 10巻 (HARTA COMIX)の感想
有翼の獅子に導かれ,とうとう「狂乱の魔術師」シスルの家に辿り着いた。食卓に魂を抜かれた身体だけ座る黄金郷の住人達。フェニックスに首切りウサギなど家守の魔物達を倒しつつ,シスルと迎え撃つ作戦を練るみんな。ライオスは奪う覚悟と奪われる覚悟を決めてシスルと対峙するが…。 (コンフィ/ウサギ-1-/ウサギ-2-/カレー-1-/カレー-2-/シスル-1-/シスル-2-/モンスターよもやま話-10-)
読了日:02月05日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 11巻 (HARTA COMIX)の感想
シスルとの戦い。ライオスのモンスター知識が半端なく凄いということがすっごくよくわかる。ドラゴンたちが可愛い。シスルは本当は良い奴なので幸せになって欲しいのだが。そして流石に丸め込まれないカナリヤたち。マルシルの決断。いよいよクライマックスのようにも見えるがまだ3巻も残っているのか。(シスル-3-/シスル-4-/シスル-5-/ババロア/リリクムムアレ/迷宮の主-1-/迷宮の主-2-/モンスターよもやま話-11-)
読了日:02月06日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 12巻 (HARTA COMIX)の感想
オークに捉まるシュロー。ライオスの名を聞いてオークもシュローもかけつけたナマリも意気投合? 新しい主の誕生で迷宮が変わり始める。ファンシーな魔物達と一緒に進軍するマルシル。有翼の獅子に励まされマルシルの欲望は限りない。マルシルの欲望にはマルシルの悲しい生まれが関係していた。しかし獅子はライオスのことも諦めきれない様子。獅子は悪魔だが本人に悪意はない。(迷宮-1-/迷宮-2-/寄生虫/食物連鎖/郷土料理/マルシル-1-/マルシル-2-/マルシル-3-/マルシル-4-/モンスターよもやま話-12-)
読了日:02月06日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 13巻 (HARTA COMIX)の感想
1冊まるごとライオスと翼獅子の物語。最初はただのたゆたう塵だった翼獅子は食欲を知り,人間と出会い,人間の欲望を知って少しずつ悪魔に変わっていった。悪魔に悪意はなく欲望があるだけだと理解したライオスは考えを持ってダンジョンの主になるが,世界は滅びへとまっしぐら…。モンスターを愛するライオスは生命の欲望を知る人間だったということだろうか?(翼獅子-1-/翼獅子-2-/翼獅子-3-/翼獅子-4-/翼獅子-5-/翼獅子-6-/モンスターよもやま話-13-)
読了日:02月06日 著者:九井 諒子
ダンジョン飯 14巻 (HARTA COMIX)の感想
悪魔は去って迷宮は崩れ,崩れゆく迷宮からの脱出を済ませると,残るはファリンの救出。ライオスが皆に約束させた盛大なお食事会が開かれ,それぞれの未来が始まる。黄金郷の人々とシスルにも,生きる希望がなさそうだったミスルンにも。後半の全体的な感想だが,ライオスたちと旅するうちにイヅツミの性格がだんだん熟れてゆく様子が可愛かった。(島/ファリン-1-/ファリン-2-/ファリン-3-/ファリン-4-/ダンジョン飯/モンスターよもやま話-14-)
読了日:02月06日 著者:九井 諒子
吾輩は猫であるの感想
一度は読んでおこうと読み始めたが,最初に読んだ漱石がこれでなかったことに感謝した。これを最初に読んだら他の漱石を読む気になれなかったかもしれない。長い上に難解で面白さを理解するための教養が必要だ。漱石のあらゆる知識が手を替え品を替え繰り返し放出されており,こちらには明治の知識層ほどの教養がないため理解できない。多方面の深い知識を放出しまくっているオタク全開のような物語だ。それを半分も理解できない私には時に苦痛レベルのつまらなさだった。だが登場人物の会話は良かった。迷亭も寒月も苦沙弥も愛すべき人物であった。
読了日:02月15日 著者:夏目 漱石
からかい上手の高木さん(19) (ゲッサン少年サンデーコミックス)の感想
前巻あたりから心が急接近っていう感じだった二人。高木さんはもう気持ちを隠していない。真野ちゃん&中井君やユカリちゃんたち3人組のエピソードを挟みながら中学二年生が過ぎて行く。西片も勝負とは言え高木さんの誕生日にプレゼント? 結局高木さんと西片の下の名前は分からず仕舞いでちょっと残念。
読了日:02月15日 著者:山本崇一朗
からかい上手の高木さん(20) (ゲッサン少年サンデーコミックス)の感想
最終巻。三年生の春。毎日一緒に帰るのが当然になっていた二人だが,ある日サナエちゃんが西片のところにやってきて転機が訪れる。中学生なのに高木さんのできた態度は大人すぎる! 中学校最後の夏休みのある日,「わからないことだらけだけど、高木さんともし付き合えるのなら楽しいだろうな」と思う西片。そして高木さんが待ちに待ったお祭りの日。結末はわかりきっていたのに感動しちゃったのだった。
読了日:02月15日 著者:山本崇一朗
推しが武道館いってくれたら死ぬ(1) (RYU COMICS)の感想
続きを読むために4年ぶりに再読。
前回はアイドルオタという全く知らない世界に意味が分からないことを少しずつ理解しながら読む感じだったが,2回目なので落ち着いて読めて良かった。
巻末にChamJamメンバーのプロフィール。五十嵐れお(22歳)・松山空音(18歳)・伯方眞妃(19歳)・市井舞菜(17歳)。
読了日:02月15日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(2)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
4年ぶりに再読。人気投票に秋の運動会。れおが良い子すぎる。岡山では「桃太郎像の鞘が折られた時みたいな顔」って言うのだろうか? アイドルオタクのことはドルオタって言うらしい。人気投票疲れのえりぴよ&くまさが寄りかかっているのはJR岡山駅東口の「桃太郎ポスト」らしい。アイドルから特定のファンへのレスというシステムは知らなかった。目撃情報のことは「目情」って言うのね。巻末にえりぴよさんとChamJamメンバーのプロフィール:寺本優佳(16歳)・水守ゆめ莉(18歳)・横田文(18歳)・えり(20歳)。
読了日:02月17日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(3)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
4年ぶりの再読。
色々噂されながらもプロとして立派に振る舞う空音ちゃんの話や年末年始。メイドカフェでバイトする舞菜にバレンタインイベント。ファンがアイドルを好きなのは普通に想像できるけれど,ファンの人と仲良くなりたくてもできないアイドルの辛さというのは新鮮だ,えりぴよ怪我とか病気とかしすぎ。
巻末のプロフィールは男性オタ二人,くまささん(30代半ば)・基さん(20代前半)。そしてChamJamの推しを決めるあみだくじ(私はゆめり)。
読了日:02月18日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(4)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
4年ぶりの再読。
アイドルフェスのように色々なグループが出演する場合,前列のオタクたちは目当てのユニットによって席を入れ替えて見るらしい。徹底して自分の推しだけに興味があってお互い様で融通するって凄い連帯だ。
全く空気を読まない優佳がすごい。アイドルってめちゃ空気を読む能力がいるものだと思っていたが違うのか? アイドルは本当にファンに支えられて存在しているのだと再認識。ファンの人が来てくれない限り自分からは何もできない何のアクションも起こせないのだ。切ない。
読了日:02月19日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(5)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
4年ぶりの再読。 アイドル&ファンでキャンプ。テントを建ててカレーを作りキャンプファイヤーを囲むがチームはくじ引き。だが舞菜のエプロン姿に感動できるえりぴよ。クマの形に切った人参。推し変した人のことは他界したって言うんだ? えりぴよさんがTwitterで呟く。アイドルはTwitterも禁止されているがオタクは愛ゆえにツイートする。れおと眞妃と優佳がドアストッパーのテレビCMに出演。そして東京でのリリースイベント。Chamメンバーもえりぴよたちも,各々武道館を見学するのだった。
読了日:02月20日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(6)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
4年ぶりの再読。
グループ握手=オタクがメンバー全員と握手する(推し以外と話すことない人多数っぽい)。眞妃の従兄弟,夏未がいる香川県のアイドルグループ「ステライツ」とのツーマンライブ(2グループの合同ライブのこと?)。桃太郎と巡る岡山と香川の確執は未知だ…。香川でのライブで気圧されている舞菜に空音が言った言葉「大丈夫こっちにもちゃむのファンがついてきてくれるし」に,アイドルとファンの強い心の絆を感じ感動した。りょうか推し女性の「好きって強い呪いだから自分では解けないんですよ」の言葉は重い。
読了日:02月20日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(7)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
舞菜の足の怪我,春先の雪の日のチケット購入,舞菜の好きなパンの剥製?を持ち歩くえりぴよ,大阪のアイドル「神薙ラビッツ」との対バン。他のアイドルとのイベントも増えてきたし,舞菜も以前よりえりぴよと話せるようになった。が,えりぴよは誤解ばかり。ゆめ莉の名前のこと,れおの名前のこと。れおにはアイドルになるために生まれたオーラと苦悩の影が常に同居する感じだ。意外とリアルの痕跡に無頓着だったみんなに驚く。あーやと優佳の生誕祭,そして浴衣イベント。
読了日:02月21日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(8)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
同じ年のいとこでずっと比べられて育ってきた眞妃と夏未。眞妃には複雑な感情があるが夏未はまっすぐ。眞妃はそんな時でも冷静なところがすごい。香川のTV番組に出演するCham Jam。あーやは動画撮影のためのドーナツで太りすぎてしまう…。
れおの昔の仲間メイがいる広島の「めいぷる♡どーる」との動画コラボ。480円の服を着て人気を博する舞菜だが…舞菜の希望を叶えるえりぴよの愛情は本物だった。
読了日:02月21日 著者:平尾アウリ
推しが武道館いってくれたら死ぬ(9)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)の感想
れおの生誕祭に始まる巻。くまささんの「今年もお祝いできてよかった」には万感の想いが込められているように思えた。SSRカードにこめた舞菜の信頼とそれを読み取るオタクたち。アイドルとファンの世界とはこんなにもエモく切ないものなのかと思わされる。基の妹玲奈が実はアイドルより人気だった件。最近の世界はそんなことも多々あるのかもしれない。舞菜の初めての生誕祭は嬉しいイベントだったが,次巻は一区切りの巻になる。「僕はオタクをやって長いからなんとなく分かるんですよね アイドルって卒業する前が一番キレイなんですよ」
読了日:02月22日 著者:平尾アウリ
欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防 (ブルーバックス)の感想
日本人の体を知ることが如何に重要であるかを知った上で,糖尿病・高血圧・脂質異常症と動脈硬化・胃がん・大腸がん・乳がんなど個別に現在わかっている原因や対策などが紹介されている。データの表示はふわっとしていて科学書というより読み物だったが,気軽に読めて分かりやすい本だった。
日本人は白人とは筋肉の質が違い筋トレで痩せるのが難しいこと,日本人は地中海食を目指す必要がないこと,牛乳やヨーグルトが日本人には必ずしも良いわけではないこと,欧米白人に比べアルコール・カフェイン・喫煙に弱い体質であるなど豆知識になる。
読了日:02月27日 著者:奥田昌子
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