東京大学あたりの本郷通りは散歩が楽しい場所だ。
夏は街路樹が落とす木陰が涼しげだし,年末になると木々の紅葉が華やかだ。
周辺には学生が利用しそうな古本屋さんがあったり,金物屋さんや石材屋さんなど昔ながらの露店がぽつぽつ並んでいる。
いつもキョロキョロと風景を眺め,立ち止まったり撮ったりして歩いているはずなのに,歩く度に新しい発見があるから不思議なことだ。
この日の一番の収穫はこの看板。
稲穂に囲まれたお茶碗の上に田んぼと里山が乗っかっていて,お日様が陽気に里地里山の上に輝き,文字の上にちょこんと留まったカワセミが川のお魚を狙っている。
すごく可愛い。なるほどお米屋さんなのか。
そして文字をよく見ると「大正五年創業」と書かれている。すっごい老舗ではないか!
こんなお店が何気なく残って普通に営業しているのが東京都心だと思う。
江戸っ子の活気や息づかいが町のそこここに溢れて伝わってくる。
本郷通りを歩く楽しみがまた一つ増えた。