小説NieR:Automata(ニーアオートマタ)

・小説NieR:Automata(ニーアオートマタ)少年ヨルハ (デジタル版GAME NOVELS)
・小説NieR:Automata(ニーアオートマタ) 長イ話 (デジタル版GAME NOVELS)
・小説NieR:Automata(ニーアオートマタ) 短イ話 (デジタル版GAME NOVELS)


ニーアオートマタの世界とは

『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』は、
PlayStation4のアクションRPGゲームです。

舞台は美しき廃墟となった地球。

エイリアンに侵略され、人類は月へ逃亡。
地球を取り返すべく、
戦うためのアンドロイドが作られます。

人類に模して造られたアンドロイド、
オートマタ(自働人形)たち。
彼らは地球へ送り込まれ果てしなく闘い続けます。

アンドロイドたちを地球で迎え撃つのは、
エイリアンの兵器、機械生命体。

戦闘は決着がつかないまま延々と続き、
もはや人類もエイリアンも死に絶えた。

なのに、アンドロイドと機械生命体は
各々の創造主のために闘い続ける…。

ゲーム画面

ニーアオートマタは、SFが好きならば、
ゲームを知らなくても楽しめる物語です。

被造物であるアンドロイドと機械生命体。
彼らのパーソナルデータは共有化されていたり、
保存されていたりしている。
本当の意味での「死」を知らない存在である彼ら。

そんな彼らが長い長い時をかけて
少しずつ変化していきます。


少年ヨルハ

『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』前日譚となる舞台「少年ヨルハ」を、著者:映島巡、監修:ヨコオタロウで完全ノベライズ化。“呪い”と”罰”のはじまりを綴った朗読劇作品「ヨルハ計画」から、舞台では語られなかったヨルハM部隊結成に至るまでの物語を含む、自動歩兵人形・ヨルハの定められた運命を辿る――。

Amazon 内容紹介より

《長イ話》=ゲームシナリオの前日譚。


女性型に続いて作られた
ヨルハ型男性モデルによる実験小部隊の物語。

初のヨルハ型男性部隊として、
彼らはデータ集めを目的に様々な戦場へ送られる。
後に続く、たくさんの男性型ヨルハ型アンドロイドのために。

勝てる可能性のない戦場へ何度も送られ、
そのたびに全滅しては
また新たな体で目覚める。
本当に死んで消えることはなくても、
死ぬときの恐怖の記憶だけは積もっていく。

二号(少年型):ディフェンダー
三号(成人型):アタッカー
四号(成人型):ガンナー
六号(少年型):アタッカー
九号(少年型):ヒーラー
二十一号(少年型):スキャナー
二十二号(少年型):ガンナー
教官:ブラック

隊員全員の視点で次々と語られる方式で
各々の性格が細かく描写され
心を持つアンドロイドとしての彼らの生き様に目が離せなかった。


「君は……優しいままで、いてくれ」

少年ヨルハ 位置2508

男性のヨルハ型の適正や、
その後のヨルハ型の運用についても示唆されおり、
世界観を理解する上で読んでおきたい作品だと思う。


長イ話

著者:映島巡、監修:ヨコオタロウで贈るPS4ゲーム『NieR: Automata(ニーア オートマタ)』の長編ノベライズ。ゲーム本編裏側のエピソードを語りながら、各キャラクターの知られざる心情を浮きぼりにする!

Amazon内容紹介より

ゲームストーリーのノベライズで、シリーズの基本となる1冊。

ゲームの幾つものルートを繋げ、
1本の筋の通った物語として紡がれています。
未プレイの方も、問題なく楽しめます!

行動を共にする女性型アンドロイドの2Bと
少年型アンドロイドの9S。
アンドロイドに随行支援するポッドたち。

平和を好む機械生命体や
人類というものに興味を抱く機械生命体。

各々に芽生える自我の可能性が描かれ
絶望の中にも
最後には一縷の希望を見いだせるSF物語です。


「そういう好奇心旺盛なところは、嫌いじゃないよ」
 たとえ、その好奇心が諸刃の剣であったとしても。
「ありがとう、2B」
 9Sの口許が少しだけ綻ぶ。好奇心旺盛で、素直で、明るくて……まるで地上に注ぐ陽射しのような、仲間。

長イ話 位置894

短イ話

著者:映島巡・ヨコオタロウ、監修:ヨコオタロウで再び贈る、PS4ゲーム『NieR: Automata(ニーア オートマタ)』の中・短編小説集。転載収録作品『プロメテウスの火』『記憶ノ檻』『衛星軌道基地バンカー観察日記』『小サナ花』『静カスギル海』『記憶ノ棘』に加えて、「エミールの楽しくも哀しい不退転のエピソード」、舞台ヨルハ原作「A2の知られざる物語」新規書き下ろし中編2編を含む「短イ話」の結晶体!

Amazon内容紹介より

本編の背景にある小さな物語を詰め込んだ短編集。

ハイライトとも言えるのは、中編の『ヨルハ―Ver.1.05』。
A2こと二号がアネモネと出会い、仲間を失い、
生き残って逃亡者になった物語だろうか。
今は亡き個性的な隊員たちの日常。
彼らのこの時間があってこその
ニーア オートマタ(NieR:Automata)であることを感じた。

他には2Bと9Sの因縁めいた繰り返しを語る
『記憶ノ檻』と『記憶ノ棘』

花を育てる機会生命体の物語『小サナ花』
10Hとポッド006が孤独に繰り返す時間を綴る『静カスギル海』
小さな花「月の涙」から蘇る遙か昔の物語『エミールの追憶』

どの物語にも、気が遠くなるような長い時を超えて
使命を果たし続けた創造物たちの悲しさが溢れる。
身に染み入る一冊だ。


「どうして、私達には悲しいなんて気持ちがあるんでしょう? アンドロイドなのに」
「様々な状況に対応し、適応していく為。牙も爪も翼も持たない人類は、多様性を持つ事で生存競争を勝ち抜いて、繁栄したから。私達は、その人間を模倣して造られた……と説明されました。ずっと昔」

短イ話 位置1267

ヨルハ型アンドロイドのこと

ニーアオートマタ(NieR:Automata)を読む上で
知っておくとちょっと便利なチップ。
ヨルハ型アンドロイドの記号の意味をメモしておく。

A型(アタッカー)
B型(バトラー)
D型(ディフェンダー)
E型(エグゼキューショナー)
G型(ガンナー)
H型(ヒーラー)
O型(オペレーター)
S型(スキャナー)

『地球の放課後』

 『地球の放課後』は、『チャンピオンRED』(秋田書店)にて 2009年9月号~2012年7月号に連載されたSFコミック。
 いわゆる「終末もの」で、単行本は全6巻で完結済み。
 長すぎず短すぎず、ゆるゆる日常系って感じで楽しく読めます。

 「SF」と言っても、従来の「SF=サイエンス・フィクション(空想科学小説)」より、藤子・F・不二雄氏によって定義されたファンタジー的「すこし ふしぎ=SF」に相当する作品が多そうな昨今ですが、『地球の放課後』はサイエンス・フィクションに分類できる、しっかりしたSF作品ではないかと思います。

 「しっかりしたSF」と言っても、別に内容が固くて難しいわけではないところが凄い。
 登場人物は小学生から高校生までの男女4人。4人は終末の世界を「放課後のようだ」と例え、ポジティブに楽しく生きている。
 本当に放課後のクラブ活動をしているみたい!

 登場人物の4人を簡単に紹介しておきましょう。

  • 川村正史:17歳。杉並区在住で、正史の家にみんなが住んでいる。 理科系全般にわたって大変な知識と能力を持っていて、ほぼみんなの生命線になっている。性格も柔和で温和。そして前向き。清美という妹がいる。
  • 八重子:17歳。多摩区出身。で大きな家のお嬢様だが、性格は少しもお嬢様っぽくない。数学が得意で貧乳が悩み?
  • 早苗:16歳。千葉県出身。眼鏡のボブっ娘で巨乳。キャンプで杏南と知り合い、その後正史と出会う。
  • 杏南(あんな):浅草出身の小学生。物語の中で11歳を迎える。お転婆で明るい性格。突拍子も無い行動で度々みんなを翻弄する。浅草の家では「ぼんきち」という名の猫を飼っていた。

謎の現象“ファントム”により、人類が消えた世界に残された4人の少年少女。再会を信じ、力を合わせて生きていくが…!?

(1巻 Amazon内容紹介より)

 1巻の前半では、荒廃していく街の中で4人の日常生活がゆるーく繰り広げられ、4人の性格や生活ぶりが紹介されます。後半には謎解きに関係しそうな伏線が幾つか。

人類が消えた地球で生きてゆく正史たち4人の少年少女。彼らに訪れる出会いと別れ。その先に見える光とは…!?

2巻 Amazon内容紹介より)

 2巻ではみんなの家があった場所のことや、八重子ちゃんの学校時代の回想シーンが印象的。実は八重子ちゃんは勉強のできる子。数学が得意!
 消滅しちゃうファントムのことを、杏南ちゃんは「具合の悪いファントム」と呼ぶ。実はアホでノーテンキな杏南ちゃん、優れた洞察力の持ち主なのかもしれない?
 消えてしまった正史の妹の清美ちゃん、ファントムの中の星空、時間跳躍など、謎解きの鍵なのだろうかどうなのだろうかという巻。
 巻末の「初期スケッチ集」が素敵!

4人以外の人影が!? その正体は!? 正史たちの静かな生活に、謎の影が忍びよる…!?

3巻 Amazon内容紹介より

 映画づくりをしてみたり、杏南の誕生日を祝ったり、楽しむことを忘れない4人。
 雨が降って思い出した「コティヤール予想第7段階」のこと。
 「ファントム(phantom)=幽霊・幻影・幻」という名前の意味のこと。
 正史が「みんな生きている、帰ってくる」と思っている理由。
 少しずつ少しずつ謎に迫っていく感じがする巻。

正史が時間を跳躍して、ファントムが現れたあの日、あの場所へ……!?正史はあの娘を救えるのか!?

4巻 Amazon内容紹介より

 物語の「現在」が2036年7月だと分かる。
 正史はいつも服を着ているのに、女の子たちは常に水着なのが何か謎というか、ちょっとあざといというか。そもそも7月の太陽で日焼けが大変では!?
 まぁそんなことはともかく、自衛隊キャンプで見つけたビデオからヒントを探す正史。
 流れ星の夜の早苗と正史。たまに起こる時間跳躍。杏南と清美の作戦などなど。
 ぼんきちとファントムには何か関係があるの? 前の巻から引き続き星空が何かの鍵になっているように思えるがまだわからない。
 確信に近づいている手応えを感じる巻。
 で,杏南ちゃんは絵がとても上手。正史はとても下手なのだった。

 ビデオの中の山本士長の言葉と早苗ちゃんの言葉を引用しておこう。
 山本士長の言葉は「終末」ではなくとも真理だし、
 早苗ちゃんの言葉は胸に刻んでおきたい。

「もしあなたに守るべき人がいたら…全力で守ってほしい あなたが守っていると思っている人からも あなたは守られているのだから…」

地球の放課後 4巻(山本士長)

「考え事ばかりしてると早く歳をとるんだよ 大人になると時間が過ぎるのが早く感じるって言うけど…それはいつも考え事ばかりしてるからなんだよ」

地球の放課後 4巻(早苗)

残された4人の共通点に気付いた正史。彼らは選ばれし存在なのか? 誰が、なぜ、何の目的で…!?

5巻 Amazon内容紹介より

 動物とファントムの関係を探ろうと思う正史。アップルとファントムにもどんな関係があるのだろうか。
 1巻からずっとそうだが、とにかく正史が有能すぎる。終末には一家に一人、正史!
 終末生活も2年になり、なるほど2年も学校へ行ってなかったら学力も落ちるであろうと思い至るみんな。
 さて、フェルマーの定理 n=4を証明しようということで、4人の共通点に気がつく正史なのだった。

ついに、すべての謎が明らかに…!?滅亡迫る地球に独り残された正史。彼の決断が、地球の未来を決める!?日常系終末ストーリー、ついに完結!

6巻 Amazon内容紹介より

 各キャンプに同時に現れていた老人の正体は?
 そして、とうとうその日がやってくる。星が増えていく。
 みんなファントムの向こう側へ行かなければならないのか?
 ガンマ線バーストにオールト雲…。
 疑問点はキッチリ説明され、スッキリ爽やかな気分になれるラストだった。
 2歳歳をとった清美の年齢も、アップルの存在も、理由があった。
 後書きでは初恋の彼女やキャンプの男の眼帯の理由、未来の4人の年齢差についても理由が明かされる。
 アブラゼミがミーンミーンって鳴いているのは、たぶん杏南ちゃんがアホだからね?

人間の視覚は光に頼っている
よって”事象の地平”に似た現象が起きる
”シュバルツシルト面”だね!
実際に起きている事と見えているものは違う

地球の放課後 6巻 P.88

 『地球の放課後』
 SFが好きな方、終末ものが好きな方、日常系が好きな方にもにお勧めなコミックではないかと。
 読後、登場人物たちとのお別れが寂しかったのでした。


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