本の記録(2025-06)

 宮沢賢治を読んで色々調べたり,コミックを読んだり。
 『ぱらのま』はようやく最新巻。春アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のせいで無限ループガンダム消費に陥ってしまい,後年のカイさんが当時を振り返る漫画を見付けて思わず買ってしまった。たまたまWebで見付けて読み始めた『おじ転生』は非常に面白い! ストーリーは面白く絵が綺麗,思わず止められない止まらないになってしまった。久しぶりにアルファさんに会いたくなったので,1日1冊寝る前にという感じで『ヨコハマ買い出し紀行』を再読中。


6月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:643
ナイス数:36

ぱらのま 8 (楽園コミックス)ぱらのま 8 (楽園コミックス)感想
 群馬・栃木・埼玉の三県境。田圃の中にあって一歩で三県を行き来できるらしい。
 裏砂漠風景が表紙にもなっているが,調布飛行場から行く伊豆大島。体重を量って席を決める小さな飛行機だ。伊豆大島には昨年行ったところだが,べっこう寿司を食べに入った店が同じだし,三原山お鉢周りで強風で死にそうになる場面は登場人物たちと現地での私の発言が悉く重なり,この作品が実に臨場感を持って描かれていることがよくわかった。
 あとはバスで行く長距離の旅,島作り(古事記&工作)と江ノ島。
読了日:06月03日 著者:kashmir

やまなしやまなし感想
 水の底に棲む蟹の兄弟の物語。水面の上からやって来るものがどのように見えるか,水の中にいるものがどのように見えるかを美しい文体で描き出す。独特な擬態語が楽しい。
 随分と考察されている作品のようなので,時間ができたら掘り下げてみたい作品だ。
読了日:06月11日 著者:宮沢 賢治

人間が生きているってこういうことかしら?人間が生きているってこういうことかしら?感想
 友人から送られてきたので読んでみた本。「かしら?」などという口語タイトルは,私だったら背筋がむず痒くなって決して手に取らないし読もうとしないと思う。だが,他人の感性で選ばれた本には新たな発見があるはず!と思って読んだ。
 生命科学者の中村桂子さんと在宅ホスピス医の内藤いづみさんの対談。学識ある二人が各々の観点から生命や人間,生きることと死ぬことなどについて語り合う。「対談」という形式が苦手なのでイマイチ頭に話が入ってこなかったが,特に中村さんの動物としての人間観には興味を覚えた。人間と蝶に共通する味蕾の話や「生きものの世界に差違はあっても格差と差別はない」という話も興味深い。しかしだからといって複雑怪奇になってしまった人間社会をどう変えればよいというのだろう?と思う。「脱炭素」という言葉への疑問は私も感じていた。
読了日:06月16日 著者:中村 桂子,内藤 いづみ

月夜のでんしんばしら月夜のでんしんばしら
 一語一語にこだわって調べながら,何度も再読中。当時の鉄道や電気のことを知って,少しずつ理解が深まってきた。
読了日:06月17日 著者:宮沢 賢治
『注文の多い料理店』広告文『注文の多い料理店』広告文感想
 イーハトヴについての説明や,童話集が賢治にとってのどういうものであるかが書かれ,童話集の中の作品について一言ずつコメントされている。作品をより細かく味わいたいならとても参考になると思う。
読了日:06月17日 著者:宮沢 賢治

『注文の多い料理店』序『注文の多い料理店』序感想
 これらの物語がどうやって賢治さんの頭の中に登場したか,心象スケッチとはどのようなものであるかがわかる序文。最後の文の「すきとおったほんとうのたべもの」という言葉にとても宮沢賢治を感じる。
読了日:06月17日 著者:宮沢 賢治

狼森と笊森、盗森狼森と笊森、盗森感想
 小岩井農場の北にある4つの黒い松の森,狼森(オイノもり),笊森(ざるもり),黒坂森,盗森(ぬすともり)と,そこへやってきた四人の百姓一家の交流の物語。人間と自然が折り合って共に暮らしてきた長い時間の流れを感じた。
読了日:06月17日 著者:宮沢 賢治
おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~(1) (サンデーうぇぶりコミックス)おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~(1) (サンデーうぇぶりコミックス)感想
 悪役令嬢転生ものにこんな発想があったとは。そして絵が綺麗だし物語のテンポも良く面白い! ついつい読み進んだ。
読了日:06月22日 著者:相葉キョウコ

おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~(2) (サンデーうぇぶりコミックス)おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~(2) (サンデーうぇぶりコミックス)感想
 《クロエ・デマントイドの華麗なる生活》なるゲームがあることを知った黒江。いよいよ前世が絡んでくる。そしてクロエ(黒江)を見守っている天使?の登場。面白さもテンポも変わらず続きも楽しみだ。
読了日:06月22日 著者:相葉キョウコ

機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-(1) (角川コミックス・エース)機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-(1) (角川コミックス・エース)感想
 一年戦争から約半世紀が過ぎ,ズム・シティに《一年戦争記念館》がオープンすることになった。開館を3日後に控え,インタビューに呼ばれたカイ・シデン。案内係の女性ロゼ・ヤカモトと一緒にWB展会場を巡りながら,当時を振り返る。カイ視点の「あの頃」は興味深い! パイロットのテストやスレッガーとアムロやハヤト,カイのボーイズトーク,ハロのことなど。初代ガンダムをエンドレスで見たくなる。
読了日:06月25日 著者:ことぶき つかさ

機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-(2) (角川コミックス・エース)機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-(2) (角川コミックス・エース)感想
 記念館の開館を前に,カイもロゼも不穏な空気を感じる。ジオン側では連邦に対しての反感が根強く,地球側は意に介していない。温度差を利用しようとしている者がいる? ミハルのエピソードが出てきたり,ジョブ・ジョンが登場したり,WB展示品の中に懐かしい物を見付けたり。
 振り返るだけではなく,結局は現在の社会状況の複雑さが主題になっているガンダムらしい物語だと思った。
読了日:06月27日 著者:ことぶき つかさ

ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC)ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC)感想
 アルファさんに会いたくなって5年ぶりの再読。
 おじさんにタカヒロ,ミサゴ,初日の出。夏が来て西瓜に夕立,先生との出会い,初日の出。初瀬野アルファさんに初瀬野さんからのお届け物。
読了日:06月27日 著者:芦奈野 ひとし

ヨコハマ買い出し紀行 2 (アフタヌーンKC)ヨコハマ買い出し紀行 2 (アフタヌーンKC)感想
 5年ぶりの再読。ココネさんが配達してくれたのはオーナーからのカメラ。メッセージなどの伝達方法が独特だ。アルファさんはA7M2型機,ココネさんは汎用型のA7M3型。ミサゴと会いたいタカヒロはカマス飼い?のアヤセと出会う。 花火大会。先生とおじさんの過去とその続編。ちょっと切ない物語。
読了日:06月29日 著者:芦奈野 ひとし

ヨコハマ買い出し紀行 3 (アフタヌーンKC)ヨコハマ買い出し紀行 3 (アフタヌーンKC)感想
 5年ぶりの再読。遊びに来たココネさん。お魚に飾られたアルファさんの部屋,月琴,ムサシノ高井戸でのココネちゃん。風が出会う北の大崩でアヤセと見たターポン。生きている水神さまにミサゴの一日。街灯が灯る時間帯。黄昏の時代の悲しくも穏やかな雰囲気が溢れている。
読了日:06月30日 著者:芦奈野 ひとし

ヨコハマ買い出し紀行 4 (アフタヌーンKC)ヨコハマ買い出し紀行 4 (アフタヌーンKC)感想
 5年ぶりの再読。マッキ登場。学校もなくなった世界なのか,タカヒロはマッキのおじいさんに勉強を教えてもらっている。フナムシのヘロヘロ…。タカヒロとココネさんの初対面,二人で泳ぐ最後の砂浜。
 「しゃげしゃげしゃげ」って蝉の声かな? 故郷を感じようとするアルファー室長。アルファさんが作ったお魚のキーホルダーと,ミサゴに乗ってデータをとる若き日の子海石先生。カフェ・アルファのこと。アルファさんにちょっと素直になれないマッキが可愛らしい。
読了日:06月30日 著者:芦奈野 ひとし


読書メーター

読書日記ランキング

本の記録(2025-05)


 宮沢賢治は切りが無いので,一旦中断して積ん読の『ぱらのま 8巻』を読むために1巻から再読。数年経って再読すると発見が多くて面白い。
 『ドゥリトル先生のブックカフェ』は絵本が好きな友人から送られてきたので読んだ。よく知った本の話が興味深かったが,物語自体は私にはちょっと共感できなかったかな。

5月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:508
ナイス数:29

水仙月の四日水仙月の四日感想
 童話集『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』に収録された作品。
 雪が降る日である水仙月の四日に雪を降らせる雪の精のような雪の妖怪のような存在である雪婆んご,雪狼を連れた雪童子と人間の子供の物語。
 地球が織りなす自然の厳しさと自然の美しさ,そして時に自然が見せる優しさを垣間見る。

読了日:05月03日 著者:宮沢 賢治

イギリス海岸イギリス海岸感想
 農学校の教師時代,生徒たちを連れて遊びにいったイギリス海岸をめぐる手記。イギリス海岸は賢治作品を読む上で抑えておきたい場所なので早めに読んでおいた。
 『銀河鉄道の夜』に登場する胡桃の化石や牛の足跡の化石を見つけたこともサラッと書かれている。賢治さんの地質へのこだわりや知識がよくわかる。またどれほどこの北上川の河岸を気に入っていたかもよくわかる随筆。

読了日:05月04日 著者:宮沢 賢治

月夜のでんしんばしら月夜のでんしんばしら感想
 一度目は何のことかさっぱり理解できなかったので,もっとイメージを膨らませて再読した。
 「はりがねの槍」「亜鉛のしゃっぽ」「長靴のタール」「瀬戸もののエボレット」などの用語に一々きちんとした意味があり,それを踏まえて読むことで一度目より情景を思い浮かべやすかった。
 更に再読を繰り返し,電信柱たちが行進している理由や軍歌の意味なども考えてみたい。

読了日:05月04日 著者:宮沢 賢治

ぱらのま 1 (楽園コミックス)ぱらのま 1 (楽園コミックス)感想
 一度目の読了は2017年2月8日。
 8年ぶりに読んでみるとその間に世田谷線やエスカルゴに乗ったし,秋芳洞を再訪したし,自分が知っている場所も増えていて,一度目より解像度高く読めた。続きもゆっくり再読予定。

読了日:05月09日 著者:kashmir

ぱらのま 2 (楽園コミックス)ぱらのま 2 (楽園コミックス)感想
 初読は2019年6月27日。
 この巻も前回読んだ後の知識で解像度が上がって読めた。亀戸天神に都内のバス移動。内房線にも乗ったから地名がわかるし風景もわかった。たまに読み返してみるものだ。
 あと,交通機関に弱い眼鏡のお姉さんには共感する。

読了日:05月12日 著者:kashmir

ぱらのま 3 (楽園コミックス)ぱらのま 3 (楽園コミックス)感想
 初読は2020年12月30日。
 青春18切符を有効に使って牛を食べ歩く旅や長野県の温泉,眼鏡のお姉さんとの伊豆旅行。アニメの背景を作りたいツインテール少女の初登場は聖蹟桜ヶ丘。おじさんからゲットした株主優待券活用の千葉や茨城の旅など。

読了日:05月14日 著者:kashmir

ぱらのま 4 (楽園コミックス)ぱらのま 4 (楽園コミックス)感想
 初読は2021年06月19日。
 カードに漢数字を揃える旅に山陰の旅。松陰神社つながりで世田谷。そしてまた山陰。松陰神社は先日訪れたばかりだったので,やはり解像度が上がる。
 石見銀山から日本海へ出たところの沖泊の温泉街と出雲大社。宿泊できる恐竜博物館。
 ツインテール少女と巡る坂道巡りの話は濃い。天気の子の聖地,須賀神社男坂に新宿区荒木町,新宿区舟町の階段,曙橋念仏坂,文京区の富士見坂&日無坂,文京区胸突坂,鳥尾坂,鼠坂,八幡坂,鷺坂,金剛寺坂,徳永慶喜終焉の地今井坂,庚申坂,切支丹坂,蛙坂,釈迦坂,大塚の階段群。皆よさげな坂だが巡るのは大変そうだ。

読了日:05月17日 著者:kashmir

ぱらのま 5 (楽園コミックス)ぱらのま 5 (楽園コミックス)感想
 初読は2022年8月31日。
 西武多摩川線の競艇場前駅。駅弁を持って出かける新宿区の箱根山。上から見ると軍艦みたいな場所にある尾久駅から飛鳥山とアルカルゴ。西武池袋線で浦山口駅,終着駅の三峰口駅。バスタから行く勝沼の旅。兄の推薦,高山本線の飛騨金山駅。
 1986年の時刻表に触発された,35年前から来た設定でのタイムスリップ旅は懐かしいと同時に興味深い。内房外房の特急は,当時は京葉線経由ではなかったらしい。関東最南端の野島崎にはそのうち行ってみたい。

読了日:05月18日 著者:kashmir

ぱらのま 6 (楽園コミックス)ぱらのま 6 (楽園コミックス)感想
 初読2023年5月29日。再読2024年6月29日。
 今回は再再読だがけっこう忘れている。江東区の富岡八幡宮,木場の洲崎神社,南砂町の富賀岡八幡神社。極限まで荷物を減らした関西南部の旅,上越高田の路地,ビジホの朝食,青春18切符で下る東海道の末に行き着いた尾道。

読了日:05月20日 著者:kashmir

ぱらのま 7 (楽園コミックス)ぱらのま 7 (楽園コミックス)感想
 初読は2024年06月29日。
 スケッチブックに手書きの地図日記の話。河岸段丘の町,山梨県上野原市へ行ってみるが,絵を描くために解像度が上がるが歩くスピードが遅くなり,頭の中の情報が程よく落ち着いてから描くのが丁度良さげという結論に。ツインテール少女の絵を描くアドバイスは興味深かった。
 宇都宮の路面電車に乗ったり,落ち葉を踏むために奥多摩へ行ったり。初読では兄の「逆光は勝利」発言を見逃していた。確かに兄は『あ〜る』が好きそうなイメージだ。足元のドングリに「めんどな裁判あったのか」と書かれていることにも注意を払っていなかった。これは宮沢賢治の『どんぐりと山猫』だな?

読了日:05月22日 著者:kashmir

ドゥリトル先生のブックカフェ (幻冬舎文庫 か 56-3)ドゥリトル先生のブックカフェ (幻冬舎文庫 か 56-3)感想
 とある夫婦と,彼らが通うブックカフェに集う人達の人生と本の物語。
 登場する本は,『ドリトル先生航海記』『長くつ下のピッピ』『ちいさいおうち』『あおい目のこねこ』『賢者の贈り物』。
 カフェに置いてある本は英語の本だけで,『ちいさいおうち』には「HER STORY」という副題が付いていることを初めて知った。手元にある日本語訳の本には「彼女の物語」とは書かれていない。「歴史=history」は "his story" だということも知らなかった。
 軽く読める物語で普通に面白かったが,ラストは何だかちょっと腑に落ちず「何だかな?」という気持ちになった。
 それはともかく表紙がかわいい。

読了日:05月31日 著者:賀十つばさ


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