本の記録(2022-09)

 『三体』を読む月だった。
 かねてより気になっていた panpanyaさんの漫画は独特な世界で大変素晴らしく,別の本も読んでいるが読み終わるのがもったいなくてゆっくり読んでいる。

9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2527
ナイス数:66

三体三体感想
 続きを読むために再読。  三体世界から送り込まれた2個の陽子,智子。人間と虫けら。
読了日:09月06日 著者:劉 慈欣
魚社会 (楽園コミックス)魚社会 (楽園コミックス)感想
 細かく描き込まれた絵と,日常と空想の狭間に填まり込んだようなシュールな物語で淡々と紡がれていく独特な世界。間に挟まれる1ページのエッセイ。自分の日常の中でもいつか感じたことがある感覚を異世界で発見するような1冊だった。
読了日:09月07日 著者:panpanya
三体Ⅱ 黒暗森林(上)三体Ⅱ 黒暗森林(上)感想
 物語は三体世界との対決が必須になった時代から始まり,登場人物もかなり入れ替わる。物語を構成するアイディアも斬新で,どんどん面白くなってきた。
読了日:09月09日 著者:劉 慈欣
三体Ⅱ 黒暗森林(下)三体Ⅱ 黒暗森林(下)感想
 時が流れて先の時代の人々は逝ってしまい,羅輯は185年間の眠りから覚めた。2世紀後の世界で史強と再会。また章北海も冬眠から目覚め,宇宙観「自然選択」に乗艦。物理学者の丁儀も冬眠から目覚め,三体世界からやってきた探査機の調査をする。根拠不明な楽観や突然の絶望の中で各々が危機回避と対峙していく。物語の構成や結末も面白かったし,時代による人間の違いの描写も面白かった。  しかし黒暗世界だとしたら,地球は既に地球の位置を示す銘板を乗せてボイジャーを外宇宙に飛ばしてるわけだが…。
読了日:09月14日 著者:劉 慈欣
三体Ⅲ 死神永生 上三体Ⅲ 死神永生 上感想
 1巻『三体』が終わった頃,『三体II』と同じ時代から始まる。主人公は変わり,航空宇宙エンジニアの女性,程心。彼女も羅輯と同じく冬眠をし,未来へ飛ぶ。羅輯が100歳になった頃の未来へ。  性懲りも無く楽観的になりすぎたり,あっというまに考え方が変わったりする人類がアホすぎる描かれ方という気がするが,物語は面白い。どう結末を迎えるのか続きが楽しみだ。
読了日:09月16日 著者:劉 慈欣
三体Ⅲ 死神永生 下三体Ⅲ 死神永生 下感想
雲天明のおとぎ話の謎解きから始まる。人類は光速宇宙船の手掛かりを得るが,それが暗黒森林の中で大きな危険をはらむことも知り,危機回避の方向性を決めていく。しかし宇宙の高度な文明には様々な技術があった。次元の利用や物理法則の改竄,人工ブラックホールに異なる宇宙。古典的SFの概念でありながら最新のSFらしいアイディアが犇めいている壮大なスケールの物語であった。
読了日:09月24日 著者:劉 慈欣
睡眠と健康〔三訂版〕 (放送大学教材)睡眠と健康〔三訂版〕 (放送大学教材)感想
 放送大学基礎科目の教科書。ラジオ放送を何度か聞いたので教科書も買って読んでみた。ラジオ講座で得た睡眠の知識のおさらいになると共に,様々な資料を視覚的に確認できて良かった。快適な睡眠をとるための体の仕組みを最新の研究をもとに知ることができ,大変参考になる。
読了日:09月28日 著者:宮崎 総一郎,林 光緒

読書メーター

本の記録(2022-08)

 静かな気持ちで本の中の世界に浸りたい気分だったので,気になっていた文学作品を中心に読み,細かい空き時間にコミックを読む感じの1ヶ月だった。

8月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:2457
ナイス数:52

ハコヅメ~交番女子の逆襲~(1) (モーニングコミックス)ハコヅメ~交番女子の逆襲~(1) (モーニングコミックス)感想
 ほぼアニメ通りの内容だったが面白かった。そもそも交番のおまわりさんと刑事さんの何が違うのかもわかっていなかった。警察には確かに良い印象を持っていなかったりするが,このブラックで大変な職場で職務をこなしている警察官の方々ありがたいと思う本だ。
読了日:08月01日 著者:泰三子
ハコヅメ~交番女子の逆襲~(2) (モーニングコミックス)ハコヅメ~交番女子の逆襲~(2) (モーニングコミックス)感想
 この巻も全部アニメになったお話。痴漢の捜査や尾行,合コンに街中でのヤクザとの言い合いなど,どの話でもだいたい表紙の女性(藤部長)の腹黒さが大活躍。だんだん次はこの人何やるのと楽しみになってきた。
読了日:08月02日 著者:泰三子
ハコヅメ~交番女子の逆襲~(3) (モーニングコミックス)ハコヅメ~交番女子の逆襲~(3) (モーニングコミックス)感想
 ほぼアニメになったエピソード。UFOとか大麻の匂いとか似顔絵とか事件現場を再現する人形のブラジャーの話とか強面な捜査一課の話とか警察手帳の話など。面白かった。
読了日:08月03日 著者:泰三子
死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)感想
 ドストエフスキー自身の4年間のオムスク監獄流刑中に書いた『シベリア・ノート』を基に書かれた作品。作中の主人公は貴族のゴリャンチコフで,ドストエフスキーが政治犯だったのに対し,妻殺しでの10年の囚役と追放という設定になっている。  十九世紀ロシアの監獄や刑罰,民衆と貴族の関係,民衆が囚人に抱いている感情,ロシアという広大な国に住む多くの民族や各々の宗教観の関係などを読み解ける逸話が詳細書かれている。大作であるが,一気に読み進める面白さと迫力があった。
読了日:08月10日 著者:ドストエフスキー
ふたりエスケープ: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)ふたりエスケープ: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)感想
 2巻と3巻を買ったので再読。酒飲んで現実逃避ばかりしてる二人をダラダラ見る感じで,2回目でも何も考えずに楽しめて良かった。2回目なので背景なども丁寧に見た。金沢とか福井の恐竜博物館とか行ってみたい気がした。巻末の二人が各々一人の時間も楽しく満喫している様子が楽しく微笑ましい。
読了日:08月11日 著者:田口 囁一
ふたりエスケープ: 2【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)ふたりエスケープ: 2【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)感想
 相変わらずのぶっとんだ馬鹿馬鹿しさにイヤされた。夏の室内に冬を作るとか,小学生になるとか,玄関前で野宿するとか。野宿の内容も流石!としか言いようがないバカっぷり。潔い。ダーツで決める運命に先輩の名言!  としまやのチャーシュー弁当食べてみたい。
読了日:08月11日 著者:田口 囁一
ふたりエスケープ: 3【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)ふたりエスケープ: 3【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)感想
 本巻も和みつつ一気に読んでしまったが,おそらく何度よんでも和むし笑うと思う。病気した先輩が後輩の懸命で困った看護に困ったり,おうちでお店を堪能したり,ダイエットしたり,先輩が編集さんと会ったり,パーティーに行ったり,クリスマスや花見を過ごしたり。クリスマスの準備をする先輩がキュートだった。
読了日:08月11日 著者:田口 囁一
お兄ちゃんはおしまい! (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! (REXコミックス)感想
 続き読みたかったので再読。なごむ。すばらしい。
読了日:08月12日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 2 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 2 (REXコミックス)感想
 少しずつ一人でお出かけの訓練をさせられるまひろ。ある日スーパーへお使いに。美容院にも。温泉にも。登場人物が増える。突っ込んだら負け的物語なので,何が起こっても和めて面白ければOKだし,面白い。次巻からは更にお出かけの機会が増えそう。
読了日:08月12日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 3【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 3【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 中学生になったまひろ。もみじの友人である朝日や美夜とも仲良くなって意外と楽しく学校生活。まひろさんの自宅警備員力の低下が甚だしいのでは?
読了日:08月15日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 4【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 4【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 冬休みが終わって,まひろが風邪を引いたり,本屋でみよちゃんと出会ったり,バレンタインがあったり,まひろの誕生日があったりしながら過ぎて行き,2年生に進級し,新たなクラスメイト天川なゆたが登場。
読了日:08月18日 著者:ねことうふ
移動祝祭日(新潮文庫)移動祝祭日(新潮文庫)感想
 1921年12月,無名作家だったヘミングウェイはシャーウッド・アンダースンが書いてくれた,ガートルート・スタインやエズラ・パウンドへの紹介状を携え,妻のハドリーと共にパリに渡った。自由な気風がみなぎるパリには,当時アーティストを目指す多くのアメリカの若者が渡っていた。1925年に二人目の妻となるポーリーン・ファイファーと出会い『日はまた昇る』を書き始める頃までのパリでの出来事を綴る回想録。パリのカフェでの執筆生活や貧乏な暮らしを楽しむやり方,当時のカフェの雰囲気,食生活,多くの芸術家達との交流の記憶など。
読了日:08月20日 著者:ヘミングウェイ
お兄ちゃんはおしまい!: 5【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 5【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 中学2年生になり,なゆたという安心できる味方を得て,まひろは中学生活を普通に楽しむ。健康診断とか新しいブラジャーとかシール集めとか授業参観とかプールとか。  単なる日常なのに面白い。日常系のお手本のようだ。
読了日:08月22日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 6【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 6【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 梅雨時の髪の乱れ対策に家庭菜園,夏の教室とエアコン,学校怪談,水着選びに海,部屋の片付け,夏休みの課題と手芸など,中学2年生の日常が過ぎて行く。
読了日:08月25日 著者:ねことうふ
三四郎三四郎感想
 森鴎外の『青年』はこれに触発されて書かれたと知り,こちらも読んでみた。明治の終わり頃の列車の中に始まる。乗っているのは23歳の三四郎。東京帝国大学に合格し,熊本から上京しているところだ。下宿に着くと母から挨拶に行くよう言付かっていた理科大学の野々宮を訪ね,大学の池の畔で美しい美禰子を見かける。主な登場人物は野々宮の妹よし子に,三四郎の学友である佐々木与次郎,与次郎の師である広田,画家の原口など。彼らの中で三四郎は学問について考え,美禰子への恋慕に苦しみ,人生を学んでいく。『青年』より長いが読みやすい。
読了日:08月25日 著者:夏目 漱石
或る少女の死まで或る少女の死まで感想
 明治44年の夏から秋。  駒込から谷中,根津辺りを舞台にした室生犀星の若い頃が題材になっており,根津のバーで争いに巻き込まれたり,借金取りに悩まされたりする中,二人の性格の良い少女の存在に心が救われる。詩人らしい物事の真を映し出すような描写にはじっくり聞き入る価値がある。今よりずっと人の命が儚い時代で死は常に特別なものではなかったのだと思わされる。
読了日:08月26日 著者:室生 犀星
お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック (REXコミックス)感想
 豪華キャストなアンソロジーでした。
読了日:08月27日 著者:なもり,いずみ べる,しろまんた,原 悠衣,浅月 のりと,五十嵐 正邦,杜若 わか,川村 拓,小林 キナ,こめつぶ,すか,タダノ なつ,槌居,ねこうめ,藤近 小梅,森 みさき,結城 心一,優木 すず
お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック: 2 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック: 2 (REXコミックス)感想
 豪華メンバーによる気軽に読める短いアンソロジー集。下ネタちょっと多めだが罪がなくて面白い。クラスの男子二人,私も好きだ。
読了日:08月28日 著者:黒田 bb,クール教信者,足立 いまる,五十嵐 正邦,御家 かえる,おかだ アンミツ,おにお,タダノ なつ,槌居,寺井 赤音,TOもえ,なもり,ねこうめ,原 悠衣,ミナミト,もりこっこ,ゆうち 巳くみ,ルッチーフ
方丈記 (光文社古典新訳文庫)方丈記 (光文社古典新訳文庫)感想
 本の構成は,以下の通り。 

・訳者まえがき
・方丈記(現代語訳)
・エッセイ(移動の可能性と鴨長明)
・方丈記(原典)
・『新古今和歌集』所収の鴨長明の短歌
・『発心集』巻五、一三「貧男,差図を好む事」訳と原文
・図版
・解説
・年譜
・訳者あとがき  

 訳者の蜂飼耳氏による解説と現代語訳があるため,作品の背景および鴨長明自身の背景がわかってそれらを身近に感じられ理解しやすかった。
読了日:08月31日 著者:鴨 長明
ぱらのま 5 (楽園コミックス)ぱらのま 5 (楽園コミックス)感想
 競艇場グルメ,新宿区の箱根山で駅弁三昧(いやそれ食べ過ぎでしょ),上野東京ライン邑久駅,西武池袋線で秩父。秩父鉄道で長瀞駅,浦山口駅(鍾乳洞とか湧き水とか神社とか)。バスタ新宿から勝沼へ。路地が楽しい飛騨金山。時刻表でタイムスリップ。館山。
読了日:08月31日 著者:kashmir
微熱空間 4 (楽園コミックス)微熱空間 4 (楽園コミックス)感想
 前巻までのお話すっかり忘れたよーと思いながら読んだけれど,何の問題もなかった。  お父さんの家族サービスでお出掛けとか,お父さんとお母さんの夫婦げんかとか,えあこんが壊れたとか台風の夜とか。けっこう物語が進んだ感。
読了日:08月31日 著者:蒼樹うめ

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