本の記録(2025-10)

 『塩』と『大きな森の小さな家』はU-NEXTの読み放題にて。

 子供の頃から数え切れないほど繰り返し読んだ『大草原の小さな家』シリーズを別の訳でも読んでみたいと思っていたので,読み放題で読めるのは嬉しかった。『大草原の小さな家』と『プラム・クリークの土手で』も読めるようなので,そのうち読んでみようと思う。私は圧倒的に親しみのある恩地三保子さん訳が好きだが,別の訳では違う発見があるので面白いと思う。

 『塩』は美しい図鑑という感じだが,塩の作り方が分かって面白かったし,海に囲まれていながら湿潤な日本では火を使って暑い想いをしながら塩を作ってきたのかと,ちょっと塩に敬意を払う気持ちになった。単に写真を眺めるだけでも美しい本だと思う。

 『ファクトフルネス』な読もうと思って何年。ようやく読んだ。
 内容は普段から感じていること考えてきたことの言語化でそれほど目新しくは思わなかったが,例に挙がっているヨーロッパ人の考え方に驚いた。ここまで優越意識を持っているんだなぁと。

 『CITY』はアニメを見てようやく面白みがわかり始めて来たので読んでいる。3巻まで持っているのに1巻で終わっていたのだった。続きも読もうと思う。


10月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:870
ナイス数:18

塩 地球からの贈り物塩 地球からの贈り物感想
 東アフリカ大地溝帯,ナトロン湖,死海,デスバレーなどの塩を抱く壮大な風景写真。タウデニ岩塩鉱山,シパキラ岩塩教会,ウユニ塩湖,レトバ湖などの塩。古代ローマのマルサーラ塩田,インカの塩の棚田,バリ島の椰子の幹で作る塩など。そして火や電気を使う日本の塩作り。世界の風景を巡りながら塩と人間の関わりを学べる美しい写真図鑑。巻末の数ページでは地球で塩が作られていった過程などが地球科学的に解説され塩についての見識が深まる1冊になっていた。
読了日:10月06日 著者:片平 孝

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣感想
 基本的に普段の生活で感じ続けていることを言語化した内容だった。本書に出て来る質問も,幾つか分からなかったが大半は正解できた。中には本書によって有名になったから知っていた質問もあったかもしれない。この本に書かれているような思考を多くの人ができるようになったら世界はもう少し楽な方向に変わっていくのではないかという気がする。
読了日:10月11日 著者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド

大きな森の小さな家 小さな家シリーズ (角川つばさ文庫)大きな森の小さな家 小さな家シリーズ (角川つばさ文庫)感想
 昔から何度も何度も読み慣れた恩地三保子さん翻訳の福音館書店版は敬体(です・ます体)で書かれていたが,こちらは常体(だ・である体)で書かれていて,絵柄もガース・ウィリアムズさんの美術的絵画ではなくアニメ寄り。現代の子供達にはきっとこちらが馴染みやすいのだろうと思ったが,私は昔の本の方が好きだと思った。
 道具の名前や動植物の名称が異なる箇所が幾つもあった気がするので比べてみると面白そうだ。
読了日:10月17日 著者:ローラ・インガルス・ワイルダー,中村 凪子,椎名 優

CITY(1) (モーニングコミックス)CITY(1) (モーニングコミックス)感想
 アニメを見て,意味が分からないのにそこはかとした面白さを感じあっけにとられたので再読してみた。たぶん一度目より面白く読んだ。一度目は一度読めばもういいかと思ったけれど,今回は続きも読もうかと思う。不思議な作品だ。転落しそうな面白さの境界にあって,でも絶対的に面白いという作者に天才的なものを感じた。
読了日:10月29日 著者:あらゐけいいち


読書メーター

読書日記ランキング

本の記録(2025-09)

 今月から新しくサブスク契約したU-NEXT(ユーネクスト)で無料で読める本がけっこうあることに気づき,しかもカテゴリ別の表示があるので Amazon の Kindle Unlimitedより興味深い本を見つけやすい。試しに絵本を読んでみた。今後も利用していきたい。
 今月はテクノ封建制とマルタの鷹に時間がかかり読み終えた冊数は少なめ。


9月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:744
ナイス数:14

おつきさまのおさんぽおつきさまのおさんぽ感想
 クレーンにひっかかって地球に下りてきたお月様。街を散歩し,遊園地で遊んで,車たちとお話し,海の上を大行進。海の底の鯨の背中でお魚たちと遊んでお空へ帰る。絵は可愛らしく,小さなところまで描き込まれているのでじっくり見れば見るほどなお楽しい。
 最後のページに物語の中のできごと探しがあり,Webで答合わせができるようになっているのが最近風だった。
読了日:09月12日 著者:カワチ・レン

遠野ものがたり遠野ものがたり感想
 大人も楽しめて記憶に残る絵本をというコンセプトで柳田国男『遠野物語』から厳選した7つの物語に,日本画専門の森田幸子画伯が挿絵をつけている。
 挿絵がとても素晴らしく,現代人には馴染みがない風景を思い浮かべる助けになる。『遠野物語』の世界への導入として良い本だと思う。
 掲載されている物語は,三人の女神・オシラサマ・ザシキワラシ・オクナイサマ・マヨイガ・大津波・サムトの婆。
読了日:09月13日 著者:宗任 雅子

テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本)テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本)感想
 著者のヤニス・バルファキスはギリシャの政治家・経済学者。2008年の金融危機のあと,資本主義社会は崩壊し,現在は人の心と市場を奪い取る怪物的なクラウドベースの資本に牛耳られるテクノ封建制の時代の入ったという。金融危機で社会が崩壊するのを防ぐために中央銀行が無尽蔵に提供した資金でクラウド領主の帝国が誕生し,そこで人間はもはや自己の分身さえ所有していない。労働者は就業時間中はクラウド・プロレタリアートになり,それ以外の時間はクラウド農奴になっているという。農奴は自己のデータの集積によってクラウドに繋がれていて,それらを見捨てて他所のクラウドへ移動するのも難しい。

 クラウド資本に奪われた脳内資産を奪い返すために,人間が自分の心と頭を再び所有するために,クラウド・プロレタリアートであり,クラウド農奴である私たちは,クラウド資本を集合的に所有しなければならない。領主の行動誘導の手段によって生産する今日から抜け出して,協働と解放の手段として生産するためにはそれしか道がない。著者はそのように説く。

 正直言って経済用語にテクノロジー用語,政治用語,加えてギリシャ神話の概念までも持ち込まれていて難しかった!
読了日:09月14日 著者:ヤニス・バルファキス,斎藤幸平

マルタの鷹マルタの鷹感想
 「ハードボイルドの金字塔」として名高く,「史上最高のミステリー小説100冊」ではシャーロック・ホームズシリーズに続いて総合2位を獲得している作品。ハードボイルドって何?ということも知らなかったので,非常に有名な作品らしい本書を読んでみることにした。

 ミステリーはほとんど読んだことがないが,読んでみると面白いと思う。二つの,後半では三つの殺人事件の犯人特定と,依頼者たちが追い求めている鷹の彫像の謎が解き明かすべき謎となっている。兎に角登場人物が多く物語の理解を妨げてはいたが,それでも続きと結末が気になって最後まで読み通した。もう一度くらい読まないと良く解らないのかもしれない。登場人物については,後に再読するときのためにブログにまとめておこうと思う。
読了日:09月25日 著者:ダシール・ハメット


読書メーター

読書日記ランキング