夏の土蔵

 六義園を訪れる度に楽しみに眺めるのがこの土蔵。
 冬枯れの枝の向こうに見える姿,新緑で柔らかに見える姿,紫陽花に囲まれた梅雨の頃。木々に囲まれた夏は,まるで森の中に佇む一軒家のよう。

六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)

 六義園を設計し作った人物は江戸時代の柳沢吉保(1659-1714)だ。
 第5代将軍徳川綱吉の寵愛を受けた柳沢吉保は,1695年に綱吉からここを拝領し,造園して下屋敷とした。綱吉も度々訪れたという。
 明治になって六義園は岩崎弥太郎によって購入され,土蔵が建ったのはその時代だったそうだ。非公開なので中を見たことはないが,階段は西洋風だとのこと。

六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)

 現在は姿を眺めるだけの土蔵だが,東京都建設局の資料を見ると今後活用も検討されるようなことが書かれていた。
 外から中を覗くだけでもいいので,この土蔵をもっと知る機会ができればと願っている。

六義園の土蔵(2023-08-17)
六義園の土蔵(2023-08-17)
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スピカありがとう

 2023年8月20日の午後,熊本市動植物園のユキヒョウ,スピカが永眠したそうだ。腎不全,18歳だった。

 スピカは2006年4月に多摩動物園から熊本へやってきたのだったが,その時たまたま私は熊本市動植物園の近くに住んでいた。美しいユキヒョウはそれ以前から大好きで,嬉しくて,動物園に行くたびにスピカと会えるのを楽しみにしたものだった。

熊本市動植物園(2019-03-09)
2016年4月の熊本地震で被災し休園。2022年12月に全面開園した熊本市動植物園
スピカ@熊本市動植物園(2019-03-09)
スピカ@熊本市動植物園(2019-03-09)

 スピカは熊本地震のあと大牟田市動物園で2年半の避難生活を送り,熊本へ帰ってきた。古巣へ戻って寛いで眠るスピカを撮ったのは,熊本市動植物園が全面開園してしばらく経った春の日のことだった。

 なんて幸せそうなスピカだろう。


 熊本市動植物園の動物たちの前には,コーダヨーコさんの愛情溢れる絵の説明版があり,動物園を訪れる楽しみの一つになっている。
 スピカがいなくなってしまった。もう熊本にユキヒョウはいない。この絵を見ることも,もうなくなるのだろう。寂しい。

スピカ@熊本市動植物園(2019-03-09)
スピカ@熊本市動植物園(2019-03-09)

 スピカ,熊本に来てくれてありがとね。
 もっと何度も会えたらよかったな。寂しいよ。どうか安らかに眠ってね。


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