積ん読コミックを徹底的に消化した月になった。あと実家で懐かしい絵本などを少々。
もうしばらく積ん読コミックが続く予定。
読んだ本の数:50
読んだページ数:6472
ナイス数:114
星屑テレパス 1巻 (まんがタイムKRコミックス)の感想
『まんがタイムきらら』の作品で2023年秋アニメ。
内気な少女,小ノ星海果(このほしうみか)が高校で宇宙人のクラスメイト明内ユウ(あけうちユウ)と出会い,ロケットを作って宇宙へ行こうとする物語。和気藹々とした女の子たちの日常物語だが,宇宙へ行くというしっかりした芯がある感じ。クラスの副委員長である宝木遥乃(たからぎはるの)とメカに詳しい雷門瞬(らいもんまたたき),そして担任かつ顧問の笑原(えみはら)先生が主な登場人物。
読了日:10月01日 著者:大熊らすこ
瑠璃の宝石 1 (HARTA COMIX)の感想
かなりガチな地学(鉱物)の話。この巻は水晶にガーネット,黄鉄鉱,紫水晶,砂金など。各々の生成条件なども含めて解説されているので,地学に興味がある人,自然科学に興味がある人なら楽しめると思う。かつて地学部だった私はわかるわかるって感じで面白かった。
読了日:10月02日 著者:渋谷 圭一郎
河畔の街のセリーヌ 1巻 (ブレイドコミックス)の感想
14歳の少女セリーヌは”先生”に言われたように生きていくためにフランス北部のルーアンから一人パリへやってきた。そして縁あって職業体験の仕事に就いた。19世紀のパリの雅な風景を楽しみつつ,当時の職業について,当時の人々の日常生活についての解説を,セリーヌの目を通して見ていく感じの物語。続きが気になるし,当時のフランスのことももっと知ってみたくなる良書。
読了日:10月03日 著者:日之下あかめ
透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~ 【電子コミック限定特典付き】の感想
あらゆる種族の者たちが集う世界(だがこの世の地球と同じ産地のお茶とかあるらしい世界)で探偵業を営む透明人間の男性と,探偵事務所の事務員をする人間の盲目の女性の物語。人から見られることができない透明人間と,見ることができない人間という取り合わせが大変新鮮。本の背景が全て水色で校正されており,それが独特で不思議な世界の雰囲気を強く醸し出しているように感じる。二人の関係はとってもほのぼの。
読了日:10月04日 著者:岩飛猫
透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~ : 2 【電子コミック限定特典付き】 (アクションコミックス)の感想
透明人間の透乃眼あきらさんと,目が見えない人間の夜香しずかさんは,付き合い始めて1週間の初々しい関係。事務所での過ごし方や服やお互いの呼び方など色々と悩むことが尽きない。事務所で調査員をしている鬼木羅だいちさんや護衛をしている獣人女性の写螺子さんは生暖かく見守る。お茶屋さんのエルフ夫婦は常連の登場人物になりつつあり,仕事依頼のためよく事務所を訪れる弁護士の斑糸コウスケさん,夜香さんのお母さんが新たに登場。シャツを着なければならない透明人間のこだわりが面白かった。
読了日:10月04日 著者:岩飛猫
ふしぎの国のバード 1巻 (HARTA COMIX)の感想
元ネタは,イギリス人女性冒険家イザベラ・バードによる『日本奥地紀行』(1880 年)。イザベラ・バードが通訳の伊藤鶴吉と共に横浜から蝦夷地へと旅する物語。明治初期の日本の文化や人々がフィクションを交えて描かれる。
始まりは1878年(明治11年)の横浜港。6月,降りしきる五月雨の中,パスポートを手に入れ江戸を出発。横浜→江戸→粕壁→日光。粕壁では車屋の男性が腐った井戸水で体調を崩したり,日光では日本を見下す西洋人に出会ったり,宿の少女の大人になったお祝いに参加したり。
読了日:10月05日 著者:佐々 大河
螺旋じかけの海【新装版】(1)の感想
2016年5月〜12月に月刊アフタヌーンで連載された作品で全5巻。
水没した街が舞台となっており,人間以外の動物の組織が15%以上である「ヒト種優生保護法」基準外の「動物」として扱われる人たちが存在する。主人公の音喜多は,遺伝操作を生業とし,自らも動物の組織を持つことから自分を実験体にしながら様々な事情を抱えた者たちと関わっていく。片腕が翼になった少女の物語「虚ろ羽の飛ぶ海」,突然羊の毛が生えてきた少女と彼女の兄を巡る物語「仔羊の惑う街」,ある日顔が変形し鰐になっていった青年の物語「鰐の歌う淵」の3本。
読了日:10月05日 著者:永田礼路
螺旋じかけの海【新装版】(2)の感想
内胚葉と中胚葉の発現が多い内蔵優位の異種キメラ体=内蔵機能が異種キャリアであるため臓器の寿命が短く本体の寿命が短い,という鹿のキメラ体である男性の物語「花と揺れる嘘」。賢い配送用キメラ種の鳩を巡る物語「金色を渡る鳩」。そして人魚を食べると寿命が延びる伝説のために作られたイルカベースの人魚の物語「人魚が融ける指」の3本。
難しい倫理の問いかけがあるかと思えば酷く人間くさく泥臭く,どの物語も面白かった。
読了日:10月06日 著者:永田礼路
螺旋じかけの海(3)の感想
じいちゃんが残した鳥のキメラ,キビを可愛がるタツキ。タツキは陸の森に住む魔女がじいちゃんの魂を食べたのだと信じている。オトが会いに行くのは空が真っ黒になるくらいの大きな鳥イルマ。鳥のキメラが繋ぐ物語「魔女の語る森」。
アリイ(有井さん)が繋ぐ雪晴と音喜多の出会いの物語「烏を屠る旅」。
読了日:10月06日 著者:永田礼路
螺旋じかけの海(4)の感想
人の内側を覗き込む占い師の物語「千を視る蛇」,水没の街を訪れる麻取と薬局の店主キイラをめぐる麻薬の物語「樽の中の芥子畑」。冒頭に人物紹介で音喜多と雪晴,加藤木警部,トキ婆が紹介されている。estraは「午後の海上にて」。3巻に引き続き陸の人間の差別意識や水没の街の人々との精神的断絶の大きさが垣間見られるが,どれくらいの年月が経過すればこんな社会になるのであろうか。
読了日:10月07日 著者:永田礼路
はたらく血小板ちゃん(1) (シリウスコミックス)の感想
リーダーちゃん・副リーダーちゃん・うしろまえちゃん・そとはねちゃんに,見習いのきょろちゃん・じとめちゃんの6人チームの物語。お馴染みの血液凝固に関する話が主で生物学的な新たな知識は血小板がたまに白血球に乗って体内を移動すること,血小板は巨核球から生まれることくらいだった。血小板は小さいけれど別に子どもではないよなーと思うのだが,そこはツッコんではいけないのだろうな。
読了日:10月07日 著者:柿原優子
はたらく細胞BLACK(1) (モーニングコミックス)の感想
ブラックな環境(状態が悪い身体)の中で起こっているかずかすの現象。
喫煙に細菌,アルコールと肝臓。肝細胞提供のADHや類洞のクッパー細胞と赤血球の最期。勃起と射精,精原細胞とセルトリ細胞にED。淋菌とペニシリン。ストレスで錯乱したキラーT細胞による円形脱毛症。
読了日:10月07日 著者:原田重光,初嘉屋一生
はたらく細胞BLACK(2) (モーニングコミックス)の感想
脂肪肝で荒れる肝臓。毛穴に脂質がつまり抜け毛が進行。白癬菌の侵入,減った精子たち。白血球の減少。足白癬による水虫。ブテナフィン塩酸塩による白癬菌の殺菌。胃潰瘍とピロリ菌。ピロリ菌を攻撃する抗生物質クラリスロマイシン。
働く気力を無くした眼鏡の赤血球くん。脾臓で検査を受ける赤血球たち。太る脂肪細胞と記憶細胞が知らない未知の細菌。結晶化した尿酸(痛風)とコルヒチン。
冠動脈のプラークが崩壊。狭心症→心筋梗塞。胸骨マッサージにAED,ステント治療。
この体は最低だが,この体の白血球さんは最高だな。
読了日:10月07日 著者:原田重光,初嘉屋一生
クプルムの花嫁 1 (HARTA COMIX)の感想
鎚起銅器(ついきどうき)職人の修と婚約した大学生しいなの日常を,新潟県燕市を舞台に描く。燕市といえば職人の街というイメージだが,本当にその通りのようだ。職人達の知らない世界と普通の現代の大学生の価値観が絡み合って,面白く分かりやすく職人の世界に親しみを感じていける。現在4巻まで発売されているようだ。
読了日:10月07日 著者:namo
綺麗にしてもらえますか。 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)の感想
熱海に住むクリーニング業を営む若い女性が主人公。
クリーニング屋の仕事内容や仕事場など今まで想像もしたことがない技術や世界がたいへん興味深い。描かれている熱海の街並みもリアルで行ってみたくなる。
読了日:10月09日 著者:はっとりみつる
螺旋じかけの海(5)の感想
「海を飼う者」前編・中編・後編,3編合わせてオトのルーツを総括する物語。
オトとハルはバイオロギング用のロガーをつけたマッコウクジラと出会う。鯨と二人は交流を楽しんでいた。一方,藤堂紫苑は叔父,愼=オットー・レンツ(悪魔/ジン)の保護に疲れていた。愼は妻ユリカと娘スズが心疾患を患って亡くなったことから新しい臓器を作る技術を開発。だが遺伝子から解き放たれたウイルスの発症が始まり軟禁された。
トキ婆から鳩便を受け取ったオトは嫌な予感を感じつつ紫苑と会う。鯨はオトの気持ちを感じ行動する…。
読了日:10月09日 著者:永田礼路
ふしぎの国のバード 2巻 (HARTA COMIX)の感想
日光で旅の道程を決める。鬼怒川を北上する会津道を行きたいというイザベラに対し,奥羽街道を推薦する伊藤。
二荒山温泉では混浴の露天風呂に挑戦。
会津道に入ると,まず大きな藁人形に驚く。道陸神(どうろくじん)という厄除けの神だった。宿の環境は劣悪さを極め,伊藤も初めて見る貧しい村に驚いている。次の村ではまず切禿(きりかむろ=おかっぱ)髪の男の子に出会うが酷い咳。村人達も衣服もまとわず肌がボロボロ。イザベラは獣脂で薬を作る事を教える。
読了日:10月10日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 3巻 (HARTA COMIX)の感想
会津道3。よく働くのに貧しい人たちに戊辰戦争の名残を見る。焼き討ちから免れた大内宿。
1878年7月2日,船着き場がある津川に到着。菓子屋が多い。伊藤は美味しそうな夕食を作ってイザベラを感動させる。 阿賀野川の渡りは先着順で朝早い。急流の阿賀野川でイザベラは伊藤の大切な筆を川に落とす。新潟で待っていたのは駐在英国全権公使兼総領事パークスと医療宣教師ヘボン。伊藤の前雇用者チャールズ・マリーズ。
イザベラは宣教師のファイソン邸に宿泊。ファイソンの娘ルースはイザベラに憧れている。伊藤は休暇をもらう。
読了日:10月11日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 4巻 (HARTA COMIX)の感想
1877年伊藤はマリーズに出会い雇われる。新潟で朝顔を見かけ,駒込で奇品朝顔を紹介した苦い記憶が甦る。越後街道では馬が調達できず牛に乗って移動。文字に興味がある歩荷の女性に出会う。7月15日山形到着。山形は文明開化した都会。髷を切られそうになる男と警官,病院の視察など。山形近郊の楯岡宿で,按摩と梓巫女に会う。伊藤の母からの手紙に同封されたマリーズからの手紙。英国全権公使兼総領事のパークスに伊藤からイザベラの病気のことを書いた手紙が届き,約束を反故にされた妻ファニーがボート競技で憂さ晴らしをする逸話。
読了日:10月11日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 5巻 (HARTA COMIX)の感想
7月17日,最上地方の羽州街道。
金山で蝗送りの儀式を見かけ,そこでバードは雀蜂に刺された。熱を出し気を失って昔を思い出す。背中の病気が悪かった頃,若いジョン・ビショップ医師に,天候が良く自然が豊かなアジアやオセアニア等へ一人で旅することを勧められた。「運命はいつも自分自身の意志の中にあるもの」はビショップ医師の言葉。船で肺を病んだ少年に出会い,ハワイでアメリカ人旅行家メアリ・カープに出会い,人生が変わった。老医師に養生しろと言われたバード。伊藤はようやくマリーズからの手紙のことを告げた。
読了日:10月12日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 6巻 (HARTA COMIX)の感想
羽州街道を北上。
予定外に宿泊することになった宿場町院内で脚気の患者に膝行車の指導をする医師の小林と出会う。当時脚気は伝染病と考えられていた。秋田へ帰る小林と共に出発するが宿泊予定の湯沢で火事。屋根の上で赤い腰巻を振り回す女性,風下の建物を壊す火消し法。屋根の上の纏持ち。火事で焼け出されても陽気な村人。秋田で再会を約束し小林とは一旦別れる。バードは和紙に興味を抱き紙漉きの里である十文字を訪ね,紙漉きを体験。宿場町横手へ。その後,六郷の大きな家で主人の弔いに参加することに。彼は梅雨の水害で亡くなったのだった。
読了日:10月12日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 7巻 (HARTA COMIX)の感想
雄物川の川下り。秋田に到着すると警察に出迎えられフランス料理で歓迎される。
マリーズは麹町の英国大使館を訪れ蝦夷の旅行免状を手に入れる。秋田町(旧久保田城下町)に滞在中のイザベラに近所から秋田諸越の菓子折が届き,秋田で一番の神童の実演を見せられる。そして小林との再会。小林の診察でイザベラの背中の痛みの問題が明らかになり,改善のために伊藤は小林から按摩を学ぶ。ヘボン博士やパークス氏の口添えで旅は守られていた。二人は久保田郵便局でマリーズへの手紙を出す。郵便局には今まで出会った人たちからの手紙の束が届いていた。
読了日:10月12日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 8巻 (HARTA COMIX)の感想
秋田市茶町通りの宿で照法師を釣り下げるイザベラ。
宿の娘志乃は翌日に婚礼を控え,イザベラに鉄漿付見学を提案。婚礼の見学を父親に頼みにいったイザベラは,志乃が「嫁盗み」で結婚を認められたことを知る。婚礼は酒を酌み交わし楽しいものだった。伊藤の朝の念入りな身支度を見学するイザベラ。伊藤はお洒落ではなく人としての礼儀だと断言。7月25日,土崎湊で祭の曳山や曲独楽を見て秋田市を出発。小林に「この先食糧が手に入らないだろう」と言われ,函館までの7日分の食料を渡される。7月27日,土砂降りで氾濫寸前の米代川を渡る。
読了日:10月12日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 9巻 (HARTA COMIX)の感想
7月30日羽州街道碇ヶ関を通過中に日食。山崩れで食糧を失う。
山崩れで孤立した碇ヶ関に足止めされたバードは怪我人の治療や病人の看病に明け暮れる。松皮餅・畳の芯の芋がら・囲籾など非常食の知恵が興味深い。取越正月にバードは感動し大切な儀式に文明の主食が用いられることに気づく。8月4日青森県黒石町。弘前英学校の生徒がヘボンからの手紙を持ってくる。8月7日津軽海峡。伊藤はバードにアイヌに興味を持った理由を聞く。8月8日函館。ロシアが狙う北海道は英国の世界戦略の要の地だった。旅籠町にいた伊藤はマリーズに連れ去られる。
読了日:10月12日 著者:佐々 大河
ふしぎの国のバード 10巻 (HARTA COMIX)の感想
8月9日英国領事館でバードとマリーズはヘボンとユースデン同席のもと会談。
伊藤から暇乞いを聞かせるというマリーズに連れられバードは七重勧業試験場に。マリーズはこの農業試験場にアドバイザーとして滞在していた。伊藤の事情を聞きバードは話をビジネスに切り替え話が纏まる。その後,函館でバードは外交官・考古学者ヘンリー・シーボルト会い,英国とアイヌの国際問題やヘンリーがバードの目的地アイヌの拠点集落に翌日出発すると聞く。巻末はマリーズの1877年5月八甲田山,新種の樅Abies Mariesiiを発見したときの物語。
読了日:10月13日 著者:佐々 大河
違国日記(1) (FEEL COMICS swing)の感想
とても変わった物語。静かに胸に響く感じ。
冒頭は朝が高校3年の春。そして過去へ。中学3年の冬,田汲朝15歳。両親が死んで母の妹の高代槙生35歳と暮らし始める。愛せるかわからないけれど,良かったら帰ってきなさいと。物書きをしている槙生は一日家で仕事をしていて掃除も料理もずぼら。日記を書けばと言われ書くことにした。槙生の友人,醍醐奈々と元彼の笠町信吾が登場。それぞれが槙生としっかりした信頼関係を持っている感じ。朝は親ではない大人を新鮮な目で見ている。「違国」は槙生が書いている時に入り込んでいる世界のことだ。
読了日:10月13日 著者:ヤマシタトモコ
違国日記(2)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing)の感想
朝の家の整理。取り込まれるはずだったタオルや水をもらえるはずだった植木たち,期限どおりに返されるはずだった図書館の本などを片付けながら槙生は世界から忽然と消えた存在に別れを告げる。そして朝の中学校の卒業式。朝のことを想って傷ついている友人のえみり。酷すぎる先生達の対応。槙生が語る学校時代の話。肉を持ってやってくる笠町に箸が転んでも恋話15歳はわくわく。高校はお弁当になるらしい。新しい生活が始まるまでのお話という感じの巻だった。
読了日:10月14日 著者:ヤマシタトモコ
違国日記(3)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing)の感想
朝の高校生活の始まり。朝が通う高校はレベルが高い高校のようだ。槙生が入学式に来ないことに批判的なえみりの母親。えみりは薄く化粧。最近の高校生は化粧をしたり髪を染めたりが普通? 朝は初日から余計なことを喋って槙生が何て言うか想像したが,実はその想像は母の実里の記憶。母の意向に沿うこともできないと気づく。槙生も勧めてくれた軽音部に入ろうと思うが,母に反対されていたトラウマから解放されるのは難しい。槙生の,朝が家にえみりを連れて来るのが辛い,ピザ屋に電話するのも,知らない電話に出るのも辛い気持ちが分かりすぎる。
読了日:10月14日 著者:ヤマシタトモコ
欠けた月とドーナッツ: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)の感想
お化粧してランチしてみんなに合わせてばかりの宇野ひな子さん。5歳年上でしっかり者…とみんなに想われている佐藤あさひさん。各々皆が知らない一面を垣間見て近づいていく。何だかとても切なくて優しい物語。
読了日:10月14日 著者:雨水 汐
ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~@COMIC 第1巻 (コロナ・コミックス)の感想
2023年秋アニメ作品のコミカライズ。原作は「小説家になろう」のライトノベル。表題が物語の主題を語っており,その通り断頭台で死刑になった皇女が幼い自分に転生し断頭台から逃れるために奮闘する物語。先は見えているが面白く読めるのでよくできた作品なのだと思う。コミックに原作小説も挿入されている珍しいタイプの本だったが,原作もストレスなく面白く読める文章だった。
読了日:10月14日 著者:杜乃ミズ,餅月望,Gilse
河畔の街のセリーヌ 2巻 (ブレイドコミックス)の感想
セリーヌの世界が少しずつ広がっていく。
公証人の助手をして辞書をもらい,言葉の勉強を始め,次はモンマルトルで給仕の仕事。それから医師の往診の手伝い。大学で近代医学を修めた医学博士と,簡単に資格を取得でき能力も低い免許医が混在する時代だった。
ある休日には,お針子仕事で一緒だったエミリーと彼女の友人で女優のアネット,そして百貨店の仕事で知り合ったマリアンヌと馬車でドライブ。
そして硝子製のアーケードを備えた商業施設パサージュにある学術書の本屋さんで,仕事を片付けて『エピクテトス』を読むセリーヌ。
読了日:10月15日 著者:日之下あかめ
河畔の街のセリーヌ 3巻 (ブレイドコミックス)の感想
ソルボンヌ大学の女子教育講座。女性の知育教育の道が開かれた時代で,セリーヌは講座を受ける女性たちから「学びの場への渇き」を感じる。ルネはセリーヌの故郷でセリーヌの乳母と会いセリーヌの先生(叔母)の友人を訪ねる。その後セリーヌは電信局へ。電信手は自活したい女性の花形職業だった。電信局のベアトリス・オジェは,セリーヌの先生(叔母シャルロット)の友人。オジェはシャルロットからの手紙をセリーヌに渡す。キオスクや車掌の仕事を経て柔らかい表情になったセリーヌに,ルネは原稿を書かせてみようと思い始めた。
読了日:10月16日 著者:日之下あかめ
転生したらあかりだけスライムだった件: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)の感想
原作なもり先生の『ゆるゆり』公式スピンオフ。「あかり」は勿論あかりんこと赤座あかり。京子が持ってきたVRゲームをやっているうちに異世界に。京子は盗賊,結衣は騎士,ちなつは魔法少女(ミラクるん),スライムあかりは透明無職。生徒会の綾乃と千歳も同じ世界へ来ていた…。本家ゆるゆりとの違いはファンタジー世界であかりがスライムであること,要するに表題通りのギャグ漫画。本家と同じくテンポ良く爽快。
読了日:10月16日 著者:水鳥 なや,なもり
ウスズミの果て 1 (HARTA COMIX)の感想
突然発生した異形達が撒き散らす瘴気により人類の大半が死滅して50年。「永遠の子」と呼ばれる不死の人造人間,丑三小夜とクーは丑三技研機関の臨時調査員で,生存者の発見・保護及び結晶病原体の浄化を目的として探索している。
瘴気を吸うと,体中から鉱物に似た結晶体が形成される奇病に侵されたちまち死に至り,非常に感染力が強いため感染域で人が生きられない。
一人映画を見続ける人格データをコピーした機械人形,屋敷を一人守るアンドロイドのメイド。博物館で一人生き延びて仲間のことを考え続けた老人…。
読了日:10月16日 著者:岩宗 治生
ウスズミの果て 2 (HARTA COMIX)の感想
博物館で従業員だったトミネという老人に会って,別れ間際に「楽しめ」と言われて以来,ちょっと無気力になっていた小夜のもとに,図書館の本を回収しに来たロボットがいた。彼の名はイーサン。仕事の傍ら図書館の業務も手伝うことにした小夜。イーサンには図書館の館長との思い出があった。任務の途中で出会った兄妹イサミとカノコ。彼らは感染死体から生まれた感染しないタイプの人間だった。同じ生まれの宇佐という人物を探していた。二人を手伝うことにした小夜はイーサンと別れ出発する。都市にはまだ動いている鉄道があった。
読了日:10月16日 著者:岩宗 治生
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(1) (角川コミックス・エース)の感想
始動編。
ほぼ機動戦士ガンダムの第1話の内容。
アニメで怒濤の展開であるところを絵と文字でゆっくり読めてアムロやアムロの父親,ブライトさんはフラウ・ボウの状況がわかりやすい。またジオン側もシャア配下のザクの任務も理解しやすいと思う。
読了日:10月17日 著者:安彦 良和
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(2) (角川コミックス・エース)の感想
激闘編。
宇宙へ出たホワイトベースを襲うザク,引かないアムロ。ガンダムに乗っているのがアムロだと知って複雑そうなカイとハヤト。帰還したアムロにブライトがかけるのは厳しい言葉のみ。ホワイトベースは避難民を乗せてルナツーへ。月の反対ポイントにあるルナツーが小惑星帯から牽引されてきたユノーだということを今まで認識していなかった。文字にされるとわかりやすい。補給するシャアたちを追い詰めるブライトだが,ルナツー司令ワッケインに拘束されてしまう。そこへ攻め込むシャア。ここでシャアとセイラの邂逅。かつてワッケインの教官だったホワイトベースのパオロ艦長はワッケインに言葉をかけ亡くなり,ワッケインはホワイトベースをジャブローへ出発させる。だが大気圏突入という段階になってシャアがやってきた。
読了日:10月18日 著者:安彦 良和
フルカラー版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN(3) (角川コミックス・エース)の感想
ガルマ編・前。
ジャブローから6000kmも離れたジオン勢力圏内に降下したホワイトベースをガルマ・ザビが待ち受ける。ジャブローの支援はなし。ホワイトベースに乗る避難民達は地上に降りたいと言い始め一時停戦。停戦を巡って両陣営は策略を練る。戦いたくないアムロだが決意が固まれば細かいところにまで注意が回り非常に優秀。ミライさんの非凡さも徐々に発揮されている。シャアに手玉に取られているガルマ。補給にやってきたマチルダ中尉に褒められて舞い上がるアムロ…。
読了日:10月19日 著者:安彦 良和,大河原 邦男
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(4) (角川コミックス・エース)の感想
ガルマ編・後。
地球でひとときの休暇を楽しむクルー達。アムロは子どもの頃に住んでいたロサリトの町の家へ帰ってみる。地球に家があるだけでもエリートだと僻むカイ。ロサリトはサンディエゴのすぐ南。家は連邦軍に接収されており,母はジオン軍の占領下にある難民キャンプにいた。母との再会と別れ。ガルマと市長の娘との恋愛,ジオン軍へのゲリラ戦。
読了日:10月20日 著者:安彦 良和
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(5) (角川コミックス・エース)の感想
ランバ・ラル編・前。
ガルマの死を利用し民衆を鼓舞するギレン。痛み入るドズルはシャアを除隊させる。撃沈したガウにザビ家一族が乗っていたことを知って驚くブライト。初めて「ニュータイプ」という言葉が。アムロはマチルダさんに夢中だ。ガルマの弔い戦のためザンジバル級戦艦に乗り,新型モビルスーツ,グフを装備したランバ・ラルが地球降下。「ザクとはちがうのだよ」は名台詞だ。アムロはやられっぱなし。酒場でガルマの葬儀を見るシャアにキシリア勢からのコンタクト。ブライトとミライの会話を聞いてホワイトベースを下りるアムロ。
読了日:10月20日 著者:安彦 良和
八郎 (日本傑作絵本シリーズ)の感想
1967年発行。八郎潟と寒風山の物語。
子供の頃に母がネイティブ秋田弁で読み聞かせてくれたことを思い出して、帰省の機会に読んでみた。
ヒワにムクにヤマガラ、カッコウまでが懐く優しい山男、八郎。海を見て泣く男わらしこ。
滝沢二郎さんの趣ある絵と、今は地元でも聞かれなくなった古い秋田弁がしみじみと心に響く。
読了日:10月23日 著者:斎藤 隆介
三コ (日本傑作絵本シリーズ)の感想
八郎と同じく秋田の民話。
オイチャ(土地を相続できない次男三男)たちのためにオイダラ山を守った話。秋田が木の国になったわけが描かれている。
みんなのために生きた大男という点で八郎と共通している。秋田県の南にあって火が燃える山ということで,オイダラ山は鳥海山がモデルだろうか?
読了日:10月23日 著者:斎藤 隆介
とっておきのはなし とっておくって? (かがくのとも2023年8月号)の感想
大事に育てて収穫したミニトマト。でも菌が先に食べちゃうと腐っちゃうから、取っておく方法を考える。ドライトマト、ピクルス、ピューレ、ジャム。上手にとっておけば、とっておきになる! 可愛い絵を見ながら読み進むと、美味しいとっておきが作れる気がしてくる。
読了日:10月23日 著者:こがしわ かおり,まるもと ただゆき
すらすら読める方丈記 (講談社文庫)の感想
原文を音読しながらゆっくり再読。何度も読んでいると少しずつ原文のままでも意味がとれるようになっていく気がする。
読了日:10月24日 著者:中野 孝次
おんちょろちょろ (こどものとも絵本)の感想
1970年2月、こどものとも167号。
道に迷った男の子が迷いこんだ家で寺の息子を装って適当に唱えた偽お経が、泥棒を防いだ愉快なお話。
子供の頃に母によく読み聞かせてもらった。
読了日:10月25日 著者:
ごろはちだいみょうじんの感想
1969年1月、こどものとも154号。
べんてはんの森に住んでいた、てんごしい、いたずら者のタヌキのごろはち。いたずらしてもお返しは忘れない几帳面な奴。子供の頃、ごろはちが村人の家の前に置いていく、アケビやヤマブドウなんかがとても美味しそうだと思ったものだった。駅ができて汽車が来て、物を知らない村人たちを救ってごろはちが冷たくなったのはとても悲しかった。でも最後まで明るく愉快な五呂八大明神で、関西弁の語りは軽やかだ。
読了日:10月25日 著者:中川 正文
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(6) (角川コミックス・エース)の感想
ランバ・ラル編・後。
WBから逃げだしダイナーでラル一行と出会うアムロ。アムロを追いかけるフラウ。アムロはWBに戻るが営倉に入れられ,スパイの疑いをかけられたセイラも同じく営倉に。カイやハヤトもWBを脱走。アムロやハヤトをフォローするリュウさんの存在感がぐっと増す。ブライトとアムロの関係も変わったようでWB内人間関係の「雨降って地固まる」的な巻ではないだろうか。
読了日:10月29日 著者:安彦 良和
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7) (角川コミックス・エース)の感想
ジャブロー編・前。
巻頭の出来事を載せた南北アメリカ大陸の地図がわかりやすい。リマに到着した場面から始まる。カイの機転でWBにやってきたマチルダ中尉とみんなで記念撮影。ジオンのマ・クベ司令のところに黒い三連星。WBはマチルダ中尉のミデア機と共にリマを発ち中立地帯のクスコへ向かう。クスコの街中でアムロたちはルウム戦役で知られる黒い三連星と出会う。彼らは新型MSドムを携えていた。敵討ちを決意するハモン。ウルバンバ渓谷にて軍規違反のリュウ・ホセイ。黒い三連星との遭遇し戦うアムロ,そこへマチルダ中尉のミデアが…。
読了日:10月30日 著者:安彦 良和
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(8) (角川コミックス・エース)の感想
ジャブロー編・後。
ジャブローに到着。マチルダ中尉の婚約者ウッディ大尉に会う。民間人だったアムロたちは軍属になり,アムロとミライは准尉。ブライトは大尉に昇進し正式にWB艦長となる。ガンダムやWBの補修をしている間にアムロは特に念入りに検査やテストをされ,薬を飲まされたり。そして「満月の夜ジャブローが開く」。ジャブロー最深部にシャアが潜入。保育園から逃げ出したカツ・レツ・キッカは深部で見てはいけないものを見てしまうが大活躍。シャアとセイラの二度目の邂逅。
読了日:10月31日 著者:安彦 良和
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