本の記録(2022-08)

 静かな気持ちで本の中の世界に浸りたい気分だったので,気になっていた文学作品を中心に読み,細かい空き時間にコミックを読む感じの1ヶ月だった。

8月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:2457
ナイス数:52

ハコヅメ~交番女子の逆襲~(1) (モーニングコミックス)ハコヅメ~交番女子の逆襲~(1) (モーニングコミックス)感想
 ほぼアニメ通りの内容だったが面白かった。そもそも交番のおまわりさんと刑事さんの何が違うのかもわかっていなかった。警察には確かに良い印象を持っていなかったりするが,このブラックで大変な職場で職務をこなしている警察官の方々ありがたいと思う本だ。
読了日:08月01日 著者:泰三子
ハコヅメ~交番女子の逆襲~(2) (モーニングコミックス)ハコヅメ~交番女子の逆襲~(2) (モーニングコミックス)感想
 この巻も全部アニメになったお話。痴漢の捜査や尾行,合コンに街中でのヤクザとの言い合いなど,どの話でもだいたい表紙の女性(藤部長)の腹黒さが大活躍。だんだん次はこの人何やるのと楽しみになってきた。
読了日:08月02日 著者:泰三子
ハコヅメ~交番女子の逆襲~(3) (モーニングコミックス)ハコヅメ~交番女子の逆襲~(3) (モーニングコミックス)感想
 ほぼアニメになったエピソード。UFOとか大麻の匂いとか似顔絵とか事件現場を再現する人形のブラジャーの話とか強面な捜査一課の話とか警察手帳の話など。面白かった。
読了日:08月03日 著者:泰三子
死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)死の家の記録 (光文社古典新訳文庫)感想
 ドストエフスキー自身の4年間のオムスク監獄流刑中に書いた『シベリア・ノート』を基に書かれた作品。作中の主人公は貴族のゴリャンチコフで,ドストエフスキーが政治犯だったのに対し,妻殺しでの10年の囚役と追放という設定になっている。  十九世紀ロシアの監獄や刑罰,民衆と貴族の関係,民衆が囚人に抱いている感情,ロシアという広大な国に住む多くの民族や各々の宗教観の関係などを読み解ける逸話が詳細書かれている。大作であるが,一気に読み進める面白さと迫力があった。
読了日:08月10日 著者:ドストエフスキー
ふたりエスケープ: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)ふたりエスケープ: 1【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)感想
 2巻と3巻を買ったので再読。酒飲んで現実逃避ばかりしてる二人をダラダラ見る感じで,2回目でも何も考えずに楽しめて良かった。2回目なので背景なども丁寧に見た。金沢とか福井の恐竜博物館とか行ってみたい気がした。巻末の二人が各々一人の時間も楽しく満喫している様子が楽しく微笑ましい。
読了日:08月11日 著者:田口 囁一
ふたりエスケープ: 2【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)ふたりエスケープ: 2【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)感想
 相変わらずのぶっとんだ馬鹿馬鹿しさにイヤされた。夏の室内に冬を作るとか,小学生になるとか,玄関前で野宿するとか。野宿の内容も流石!としか言いようがないバカっぷり。潔い。ダーツで決める運命に先輩の名言!  としまやのチャーシュー弁当食べてみたい。
読了日:08月11日 著者:田口 囁一
ふたりエスケープ: 3【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)ふたりエスケープ: 3【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)感想
 本巻も和みつつ一気に読んでしまったが,おそらく何度よんでも和むし笑うと思う。病気した先輩が後輩の懸命で困った看護に困ったり,おうちでお店を堪能したり,ダイエットしたり,先輩が編集さんと会ったり,パーティーに行ったり,クリスマスや花見を過ごしたり。クリスマスの準備をする先輩がキュートだった。
読了日:08月11日 著者:田口 囁一
お兄ちゃんはおしまい! (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! (REXコミックス)感想
 続き読みたかったので再読。なごむ。すばらしい。
読了日:08月12日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 2 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 2 (REXコミックス)感想
 少しずつ一人でお出かけの訓練をさせられるまひろ。ある日スーパーへお使いに。美容院にも。温泉にも。登場人物が増える。突っ込んだら負け的物語なので,何が起こっても和めて面白ければOKだし,面白い。次巻からは更にお出かけの機会が増えそう。
読了日:08月12日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 3【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 3【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 中学生になったまひろ。もみじの友人である朝日や美夜とも仲良くなって意外と楽しく学校生活。まひろさんの自宅警備員力の低下が甚だしいのでは?
読了日:08月15日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 4【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 4【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 冬休みが終わって,まひろが風邪を引いたり,本屋でみよちゃんと出会ったり,バレンタインがあったり,まひろの誕生日があったりしながら過ぎて行き,2年生に進級し,新たなクラスメイト天川なゆたが登場。
読了日:08月18日 著者:ねことうふ
移動祝祭日(新潮文庫)移動祝祭日(新潮文庫)感想
 1921年12月,無名作家だったヘミングウェイはシャーウッド・アンダースンが書いてくれた,ガートルート・スタインやエズラ・パウンドへの紹介状を携え,妻のハドリーと共にパリに渡った。自由な気風がみなぎるパリには,当時アーティストを目指す多くのアメリカの若者が渡っていた。1925年に二人目の妻となるポーリーン・ファイファーと出会い『日はまた昇る』を書き始める頃までのパリでの出来事を綴る回想録。パリのカフェでの執筆生活や貧乏な暮らしを楽しむやり方,当時のカフェの雰囲気,食生活,多くの芸術家達との交流の記憶など。
読了日:08月20日 著者:ヘミングウェイ
お兄ちゃんはおしまい!: 5【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 5【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 中学2年生になり,なゆたという安心できる味方を得て,まひろは中学生活を普通に楽しむ。健康診断とか新しいブラジャーとかシール集めとか授業参観とかプールとか。  単なる日常なのに面白い。日常系のお手本のようだ。
読了日:08月22日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい!: 6【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 6【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 梅雨時の髪の乱れ対策に家庭菜園,夏の教室とエアコン,学校怪談,水着選びに海,部屋の片付け,夏休みの課題と手芸など,中学2年生の日常が過ぎて行く。
読了日:08月25日 著者:ねことうふ
三四郎三四郎感想
 森鴎外の『青年』はこれに触発されて書かれたと知り,こちらも読んでみた。明治の終わり頃の列車の中に始まる。乗っているのは23歳の三四郎。東京帝国大学に合格し,熊本から上京しているところだ。下宿に着くと母から挨拶に行くよう言付かっていた理科大学の野々宮を訪ね,大学の池の畔で美しい美禰子を見かける。主な登場人物は野々宮の妹よし子に,三四郎の学友である佐々木与次郎,与次郎の師である広田,画家の原口など。彼らの中で三四郎は学問について考え,美禰子への恋慕に苦しみ,人生を学んでいく。『青年』より長いが読みやすい。
読了日:08月25日 著者:夏目 漱石
或る少女の死まで或る少女の死まで感想
 明治44年の夏から秋。  駒込から谷中,根津辺りを舞台にした室生犀星の若い頃が題材になっており,根津のバーで争いに巻き込まれたり,借金取りに悩まされたりする中,二人の性格の良い少女の存在に心が救われる。詩人らしい物事の真を映し出すような描写にはじっくり聞き入る価値がある。今よりずっと人の命が儚い時代で死は常に特別なものではなかったのだと思わされる。
読了日:08月26日 著者:室生 犀星
お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック (REXコミックス)感想
 豪華キャストなアンソロジーでした。
読了日:08月27日 著者:なもり,いずみ べる,しろまんた,原 悠衣,浅月 のりと,五十嵐 正邦,杜若 わか,川村 拓,小林 キナ,こめつぶ,すか,タダノ なつ,槌居,ねこうめ,藤近 小梅,森 みさき,結城 心一,優木 すず
お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック: 2 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック: 2 (REXコミックス)感想
 豪華メンバーによる気軽に読める短いアンソロジー集。下ネタちょっと多めだが罪がなくて面白い。クラスの男子二人,私も好きだ。
読了日:08月28日 著者:黒田 bb,クール教信者,足立 いまる,五十嵐 正邦,御家 かえる,おかだ アンミツ,おにお,タダノ なつ,槌居,寺井 赤音,TOもえ,なもり,ねこうめ,原 悠衣,ミナミト,もりこっこ,ゆうち 巳くみ,ルッチーフ
方丈記 (光文社古典新訳文庫)方丈記 (光文社古典新訳文庫)感想
 本の構成は,以下の通り。 

・訳者まえがき
・方丈記(現代語訳)
・エッセイ(移動の可能性と鴨長明)
・方丈記(原典)
・『新古今和歌集』所収の鴨長明の短歌
・『発心集』巻五、一三「貧男,差図を好む事」訳と原文
・図版
・解説
・年譜
・訳者あとがき  

 訳者の蜂飼耳氏による解説と現代語訳があるため,作品の背景および鴨長明自身の背景がわかってそれらを身近に感じられ理解しやすかった。
読了日:08月31日 著者:鴨 長明
ぱらのま 5 (楽園コミックス)ぱらのま 5 (楽園コミックス)感想
 競艇場グルメ,新宿区の箱根山で駅弁三昧(いやそれ食べ過ぎでしょ),上野東京ライン邑久駅,西武池袋線で秩父。秩父鉄道で長瀞駅,浦山口駅(鍾乳洞とか湧き水とか神社とか)。バスタ新宿から勝沼へ。路地が楽しい飛騨金山。時刻表でタイムスリップ。館山。
読了日:08月31日 著者:kashmir
微熱空間 4 (楽園コミックス)微熱空間 4 (楽園コミックス)感想
 前巻までのお話すっかり忘れたよーと思いながら読んだけれど,何の問題もなかった。  お父さんの家族サービスでお出掛けとか,お父さんとお母さんの夫婦げんかとか,えあこんが壊れたとか台風の夜とか。けっこう物語が進んだ感。
読了日:08月31日 著者:蒼樹うめ

読書メーター

移動祝祭日

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社(新潮文庫)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009年2月1日
  • 著者 ‏ : ‎ ヘミングウェイ 高見浩 訳

1920年代、パリ。未来の文豪はささやかなアパートメントとカフェを往き来し、執筆に励んでいた。創作の苦楽、副業との訣別、“ロスト・ジェネレーション”と呼ばれる友人たちとの交遊と軋轢、そして愛する妻の失態によって被った打撃。30年余りを経て回想する青春の日々は、痛ましくも麗しい―。死後に発表され、世界中で論議の渦を巻き起こした事実上の遺作、満を持して新訳で復活。

「BOOK」データベース

移動祝祭日とは

もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。

ある友へ アーネスト・ヘミングウェイ 一九五〇年

『移動祝祭日』ヘミングウェイ 高見浩 訳

 何の前知識も無くこの表題を見ただけでは「移動祝祭日」と言われても全く意味が掴めないが,扉に書かれたこの一言でなるほどと思う。
 タイトルの経緯は,翻訳者による巻末の解説に詳しく書かれていた。

 「ある友へ」の「友」とは『パパ・ヘミングウェイ』の著者であるA.E. ホッチナーのこと。

 本書は,ヘミングウェイの死後に夫人の手によって発行された。
 ヘミングウェイ自身によって幾つかの表題が考えられていたが,彼の死後に本作を発表することになった夫人はタイトル選定に悩んでいた。そこに,ヘミングウェイと親しかったホッチナーが,「A Moveable Feast」を提案したのだ。

 29歳のホッチナーと50歳のヘミングウェイが二人でパリを歩き回った時,パリで暮らしてみたくなったと話すホッチナーに対し,ヘミングウェイはしばらく考えた後にこう言ったのだった。
 「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは a moveable feast だからだ。」と。

 ホッチナーはこの言葉に感銘を受け,ホテルに戻るとすぐに書き留めた。
 そしてそれが,本書のタイトルになったのだそうだ。


パリのカフェで過ごした若き時代の執筆の日々

 22歳の無名作家だったヘミングウェイが,新婚の妻ハドリーを伴ってパリへ渡ったのは1921年12月のことだった。
 自由な気風がみなぎるパリ,しかもドルが強い時代でアメリカより生活費が安かったパリには,当時アーティストを目指す多くのアメリカの若者が渡っていた。

 ヘミングウェイは,シャーウッド・アンダースンが書いてくれた,ガートルート・スタインやエズラ・パウンドへの紹介状を携えており,そういった先輩アーティストたちとの交流を手掛かりに様々な感性を吸収し学んでいく。
 作中には多くの実在人物が登場し,彼らとの交際の記憶が詳しく語られている。固有名詞が多いものの,そういった芸術家たちのことを知らなくとも,面白く読むことができる。


ときどき、よく晴れた日には、私もワインの一リットル壜とパンとソーセージをいくらか買いこんで、日当たりのいい場所に腰を下ろし、持参した本を読んだり、釣りを眺めたりしたものだ。

『移動祝祭日』ヘミングウェイ 高見浩 訳

 また,当時のヘミングウェイの日常生活も生き生きと語られる。

 パリで人気だった幾つかのカフェやそこへ通う人物像,お気に入りのカフェでの出来事,本を手に入れる方法や,貧乏な宿での暮らしを楽しむやり方,食生活のこと,妻のハドリーや息子のバンビのことなどだ。
 日本人には馴染みがない風習についての記述も出てくる。


「ああ、ぼくらはいつもツイてるのさ」私は言ったが、ついうっかりして木を叩かなかった。叩く気なら、その部屋の至るところに木製の物があったのに。

『移動祝祭日』ヘミングウェイ 高見浩 訳


 英米には友人に自慢話をすると災いが訪れるという迷信があり,それを防ぐためのおまじないとして「木を叩く」のだそうだ。


 回想は,1925年,ヘミングウェイが『日はまた昇る』を書き始め,2人目の妻となるポーリーン・ファイファーと出会った頃で終わっている。
 ポーリーンとの結婚生活が不幸だったわけでもなさそうだが,本作は一貫してハドリーに寄り添った書かれ方がなされており,本作は最初のパリ生活を共に過ごしたハドリーに捧げたものではという印象を強く受けた。

 その後,ポーリーンとの浮気が原因で,この物語を通してヒロインだったハドリーとの破局を迎える。ヘミングウェイは『日はまた昇る』の印税を全てハドリーに贈ることを約束し,1927年に離婚することになるのだ。


悲哀溢れた晩年が生み出した輝く過去

 1920年代のパリの街並みを背景に繰り広げられる若い男性の遍歴から,人の世の無常な流れに感じ入る1冊であったと思う。

 ヘミングウェイがこの作品に着手したのは1957年のことだった。
 1954年に『老人と海』でノーベル文学賞を受賞したものの,同年2回に渡って飛行機事故に遭い,以降はその後遺症で肉体面でも精神面でも健康を損なった。
 そんな苦しみと闘いながら,輝かしい若い頃の記憶をたどり書き綴ったのが本書だ。

 そう思って読むと,過去の日々を愛でる慈しみの中にどこかしら深い悲哀が溢れているようだった。ハドリーに寄り添う筆運びからもそれが強く感じられた。

 ヘミングウェイと生涯つきあいのあったフィッツジェラルドについて書かれたこの一文が,まさに本書『移動祝祭日』全体に流れる切なさの結晶のように思える。


スコット・フィッツジェラルド
彼の才能は蝶の羽根の鱗粉が綾なす模様のように自然だった。ある時期まで、彼は蝶と同じようにそのことを理解しておらず、模様が払い落とされたり、損なわれたりしても、気づかなかった。のちに彼は傷ついた羽根とその構造を意識し、深く考えるようになったが、もはや飛翔への愛が失われていたが故に、飛ぶことはできなかった。残されたのは、いともたやすく飛ぶことができた頃の思い出だけだった。

『移動祝祭日』ヘミングウェイ 高見浩 訳

 本のはじめに,ヘミングウェイ自身が書いている。
 「もし読者が望むなら、この本はフィクションと見なしてもらってもかまわない。」と。


自伝とは、往々にして過去の再現というより過去の再構築であることが多い。作者の恣意が、そこで大きな役割を果たすのは、いわば不可避のことと言っていい。

『移動祝祭日』ヘミングウェイ 高見浩 訳 解説

 この物語は事実でありながら,晩年思うようにかけなくなったヘミングウェイによる,生気溢れた輝く時代が再構築されたフィクションでもあるのだろう。

 1957年に本書に着手したヘミングウェイは,何度か中断しながら1960年に完成させた。その後,おそらく原稿チェックの段階で1961年3月にハドリーに電話をかけて思い出せないことを確認した。そして,その3ヶ月後の7月にピストル自殺を図ったのだった。

 誰にでも自分の人生の祝祭日というものがあるのではないだろうか。
 それは場所かもしれないし人かもしれない。区切られた何かの時代かもしれない。あるいはペットかもしれないし物かもしれない。

 そんな自分の活き活きとした移動祝祭日に想いを馳せたい日が来たら,本書を思い出して読み返してみるのかもしれないと思う。