黄金のアウトプット術 インプットした情報を「お金」に変える (ポプラ新書)
著者:成毛 眞
発売日:2018-04-10
著者が言うには、現代の大人、具体的にはゆとり教育以前、
30代後半以上の「詰め込み教育」時代の大人はインプットにだけ長けている。
インプット重視の教育を受けてきたその世代は、
圧倒的にアウトプット不足で損をしているのだそうだ。
確かに私もその世代だ。
言われる通り、インプットの教育オンリーだったと思う。
とはいえ、私はどちらかというとアウトプットに偏る生活をしており、
アウトプットの方法に悩みこの本を読んでみた。
著者の成毛眞(なるけまこと)氏は、マイクロソフト代表取締役社長を経験し、
現在は書評サイト「HONZ」代表として活躍なさっている。
端的に言って社会の成功者で、アウトプットのプロと言うべき存在だろう。
著者の主張によると、
今の時代は情報収集し教養を詰め込んでいるだけではダメ。
AIに置き換えられない仕事をしたいなら、
インプットを自分の血肉に変え、付加価値をつけ、
言い換えるなら「編集」をして、お金に変えていくことを意識しよう。
アウトプットを前提にインプットを行うことにより、
センスが磨かれ、思考や人脈が広がってゆく。
今の時代にはアウトプットの方法が満ちあふれているし、
まずはアウトプットをしないと、誰にも発見してもらえない。
こと才能というものに関しては、他人の評価が必須。
インプットしている時間を、リアクションしている時間を、
アウトプットに回そう!
そういうことを軽快に語る本だった。
書評の書き方や、「漢字の割合を多くても3割に」
「七七七語調で文章を整える」「スマホで読む」など
具体的な書き方は参考になる。
プレゼンで悩んでいる方にも良いアドバイスがあるし、
「英語より落語」やSNSの活用方法、読書の仕方など、
日常生活で自分を磨ける良きインプット方法も目新しい。
正直言うと「今の時代に○○を知らない人はいないだろう」
なんて語り口に、少々うんざりし、
「知らない人います!!」とか突っ込みたくもなった。
が、アウトプットの必要性や実現方法を考える手掛かりとして、
良い入門書だと思う。
AIに奪われない仕事の大半は会社への所属など必要ないそうだ。
あっという間に読める本なので、一読して損はない本だろう。
インプット世代であっても
アウトプットの海へ漕ぎ出す方法が幾らでもある時代なのだ。
黄金のアウトプット術: インプットした情報を「お金」に変える (ポプラ新書 な 9-1)
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