本の記録(2022-03)

 『無職転生』を読み終わった(Web版では完結済)。異世界モノの金字塔と呼ばれるだけあって大変面白かった。


 だがラノベを沢山読むと,私は決まって格調高い文章に浸りたくなる。そういうわけで今回は森鴎外を読んだ。
 かつて森鴎外が暮らしていた町で私が暮らしていることもあって,以前から森鴎外の作品を読んでみたいとは思っていたが,文章が難しすぎて無理と敬遠していた。高校の現代国語で『舞姫』を読んで絶望的に分からなかったので。だが少なくとも現在の私は高校生の頃よりは日本語が使えるようになったらしく,高校生の時よりは苦労せずに読めた。
 『青年』は青空文庫版を読んだが,注釈がないと理解が難しい箇所(文語体のフランス語?のようなのが散りばめられている)が非常に多いので,現在読んでいるものが一段落したら,注釈つきを買って読み直してみようと思う。


 『紛争でしたら八田まで』は,2巻〜3巻がウクライナの紛争解決の物語だったので読んでみた。1巻・2巻がkindleで無料になっていた(Kindle Unlimitedだったかも)ので読んだのだが,無料で入手できたのは2巻までだったため続きはWeb版で読んだ。
 世界の知らない国々の地政学的事情が分かって面白いコミックだった。


 『シメジ シミュレーション』はそのうちまとめて読み直そうと思う。つくみずさんは天才だと思う。
 そういえば,以前この漫画を読んでオシロスコープを衝動買いしたっけ。どこやったかな(^^;?(オシロスコープは衝動買いするようなものではないが,個人で気楽に買えるお値段で売っていたので思わず興味本位で…。)


 
 『大砲とスタンプ』は架空の世界のウクライナ周辺を舞台に描いた兵站軍の物語ということで,「読み直すなら今だ」と思って再読中。5回目の再読だが,何度読んでもとても面白い。


3月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:2102
ナイス数:53

無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 24 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 24 (MFブックス)感想
 手分けしてミッションをこなすオルステッドカンパニー。ルーデウスはアリエルから派遣された戦士シャンドルとドーガと行動を共にする。冥王ビタとスペルド族。天才クリフ! ヒトガミはだからクリフを殺したかったのだろう。  剣神ガル・ファリオンに北神カールマン三世ことアレクサンダー・ライバック。事務所襲撃。総力戦の様を呈してきた,
読了日:03月02日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 25 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 25 (MFブックス)感想
 剣神ガル・ファリオンに北神カールマン三世ことアレクサンダー・ライバック。シャンドルとドーガの正体。北神カールマン二世ことアレックス・ライバックと三世との親子対決や懐かしいデッドエンドの戦いなど,ほぼ全巻が戦いに終始。鬼神とは和解したが,ギースと3人目の使途が残っている。
読了日:03月02日 著者:理不尽な孫の手
青年青年感想
 主人公の小泉純一は谷中の初音町に住まいを借り,行動範囲は上野から本郷・千駄木・谷中など。当時の町の様子が目に浮かぶように描かれていることが興味深く,主人公の他人を自尊心を保ちつつ他人を尊重するよう自分を律する純粋さには好感が持てた。  ただ,度々重要なキーワードがアルファベットで書かれた英語ではない単語(古いフランス語?)であったことに参った。明治時代の教養層とはこういった単語に慣れ親しみ使いこなす人たちだったのだろうか?
読了日:03月10日 著者:森 鴎外
舞姫舞姫感想
 仮名遣いも言葉遣いも古文と現代文の中間のようで難しく高校生の時は現代国語の教科書で少しばかり読んで諦めた作品だが,今一度読んでみようと思った。高校生の頃よりは読めるが,英語の本を読んでいるのと同じ程度の理解で読み進む感じだった。物語の筋はわかるが分からない部分は気にせず読み飛ばす感じ。  物語はただひたすら非常に救い難い。
読了日:03月11日 著者:森 鴎外
紛争でしたら八田まで(1) (モーニングコミックス)紛争でしたら八田まで(1) (モーニングコミックス)感想
 イギリスを出発しミャンマーへ。事件が解決したとたん今度はタンザニアへ。世界を股にかけ地政学的知識で紛争原因を突き止め爽快に解決していく地政学リスクコンサルタントの八田百合さん。世界の勉強にもなって面白かった。
読了日:03月11日 著者:田素弘
紛争でしたら八田まで(2) (モーニングコミックス)紛争でしたら八田まで(2) (モーニングコミックス)感想
 タンザニア事件を解決し,イングランドに戻ってビールに絡む事件を解決! そして次の依頼はウクライナ。今注目のウクライナについて知る機会にもなって興味深い
読了日:03月12日 著者:田素弘
バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)感想
 面白かった。兎にも角にも色々と読んでみたくなって困る。バーナード嬢はバカそうだが,何だかんだ言ってけっこう頭良いと思う。いや作者が頭良いなと思う。一番好きな本を挙げる話があったが「一番」って難しいと思う。
読了日:03月14日 著者:施川 ユウキ
アルテ 15巻 (ゼノンコミックス)アルテ 15巻 (ゼノンコミックス)感想
 アルテと母親との時間がこの巻の見所。色々擦れ違ってきた親子の,もしかしたら最後になるかもしれない時間だ。  そして舞台はカスティーリャ王国に移り,アルテはイレーネの兄カール5世に謁見する。
読了日:03月19日 著者:大久保圭
アルテ 16巻 (ゼノンコミックス)アルテ 16巻 (ゼノンコミックス)感想
 イレーネの宮廷画家として8年間働いたアルテは混乱に乗じてフィレンツェに帰ることを決意。カスティーリャの人々に別れを告げ,イレーネの配慮でつけられた護衛の傭兵たちと共にフィレンツェを目指す。  社会情勢の変化や当時の地中海の航海の様子などが興味深かった。次巻は2022年秋頃に発売とのこと。
読了日:03月20日 著者:大久保圭
シメジ シミュレーション 03 (MFC キューンシリーズ)シメジ シミュレーション 03 (MFC キューンシリーズ)感想
 街に起こる様々なおかしな現象。それを普通に楽しむしじまとまじめ。おかしなことを正そうと頑張る庭師さん。眠ることを止めて研究に没頭しているお姉ちゃん。自由研究で変な石を調べ始めるしじまとまじめ。  お姉ちゃんと夢の中へ行って何か謎がわかったようでわからない。益々シュールさが増して続きが気になる。つくみずさん天才だと思う。
読了日:03月20日 著者:つくみず
大砲とスタンプ(1) (モーニングコミックス)大砲とスタンプ(1) (モーニングコミックス)感想
 1巻を読むのは多分5回目くらい。  舞台が架空世界の黒海周辺ウクライナ辺りゆえ再読しようと思った。第1話の平和号の話からして物語が現実的な戦争の世界であることが明白で,物資の横流しや記者の接待なども架空の世界とはいえ非常に現実にありそうな話で引き込まれる。やはりこの作品は何度読んでも面白いと思った。
読了日:03月27日 著者:速水螺旋人
大砲とスタンプ(2) (モーニングコミックス)大砲とスタンプ(2) (モーニングコミックス)感想
 4度目の再読。  マルチナ中尉に昇進。コースチャ登場。野蛮連隊第一大隊の反乱騒ぎ。イイダコ高地への出張。ザミャーチン軍曹との出会い。ずっと出てくるんだよね,この人。そしてキリールとアゴゾコ観光しスィナンと出会う…。
読了日:03月28日 著者:速水螺旋人
大砲とスタンプ(3) (モーニングコミックス)大砲とスタンプ(3) (モーニングコミックス)感想
 5回目の再読。  アーネチカの北極刑務所暮らしやマルチナの帰省の話など。
読了日:03月28日 著者:速水螺旋人
大砲とスタンプ(4) (モーニングコミックス)大砲とスタンプ(4) (モーニングコミックス)感想
 5回目の再読。  キリールの命令で「存分に」憲兵隊と戦うマルチナ。キリールさんは世界的作家? 帝国出張に軍靴の調達。そしてキリュシキン元帥の来訪。
読了日:03月30日 著者:速水螺旋人
大砲とスタンプ(5) (モーニングコミックス)大砲とスタンプ(5) (モーニングコミックス)感想
 5回目の再読。  キリュシキン元帥の護衛に始まり,アーネチカが新兵さんを助けたり,アゲゾコスペシャル醸造所を捜したり,国債のノルマを達成するためマルチナが怪しい施設に入ったり,共和国を設立したり,赤紙ラジオの捜査をしたり。
読了日:03月31日 著者:速水螺旋人

読書メーター

堕落論・続堕落論

本の概要

  • 堕落論
  • 著者 坂口安吾
  • 青空文庫(kindle版 2012/9/13)
  • 本の長さ 13ページ

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の評論。初出は「新潮」[1946(昭和21)年]。「日本文化史観」や「教祖の文学」と並ぶ、安吾の代表的評論。「半年のうちに世相は変った」という有名な書き出しを枕に、戦後直後の日本人が自らの本質をかえりみるためには、「堕落」こそが必要だ、と説いたことで世間を賑わせた。現在も賛否両論を集める、過激な評論作品。

本の説明より

 終戦翌年に書かれた本。

 戦争中に堕落はなかった,と著者は言う。
 戦争は驚くほどの理想郷で,無心でいられ虚しい美しさが咲きあふれ,充満していた。だがそれは人間が本来あるべき美しさではない。戦争に負け,今や堕落が可能になった。
 堕ちる道を堕ちきることによって人は自分自身を発見し,救うことができる。堕落が母胎となり,人性が,人間が誕生するのだと。

 生きて落ち続けるという手順は,真に人間を救い得る便利な近道なのだ。


日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ。生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。

堕落論

堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。

堕落論


  • 続堕落論
  • 著者 坂口安吾
  • 青空文庫(Kindle版 2012/9/13)
  • 本の長さ 14ページ

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の評論作品。初出は「文学季刊」[1946(昭和21)年]。共同体的な規範から逃れ「堕落」する姿勢こそ、戦後日本人に必要な姿勢だと説いた代表作「堕落論」の続編として記された。「堕落論」で多用された警句的表現をより分かりやすく整え、「堕落」のもたらす意義をより直接的に説いた。

本の説明より

 著者は,まず日本の耐乏精神を強烈に批判する。


農村の美徳は耐乏、忍苦の精神だという。 乏しきに耐える精神などがなんで美徳であるものか。必要は発明の母と言う。乏しきに耐えず、不便に耐え得ず、必要を求めるところに発明が起り、文化が起り、進歩というものが行われてくるのである。

続堕落論

ボタン一つ押し、ハンドルを廻すだけですむことを、一日中エイエイ苦労して、汗の結晶だの勤労のよろこびなどと、馬鹿げた話である。しかも日本全体が、日本の根柢そのものが、かくの如く馬鹿げきっているのだ。

続堕落論

  乏しさに耐える精神など美徳ではない,必要は発明の母,必要を求めるところに進歩が起こるのだと著者は説く。人性の正しい姿とは,欲するを素直に欲し厭な物を厭だと言うただそれだけのことであるのだと。
 まずは己れをタブーから解き放ち,自らの真実の声をもとめ地獄へ 堕ちよ!

 堕落は悪いにきまっているが元手をかけずに本物を掴むことなどできないのだ。
 堕落すべき時に真っ逆さまに堕ちねばならない。堕落には孤独という偉大な実相がある。

 人は無限に堕ちきれるほど強くはなく,必ず落下をくいとめずにいられなくなり,進んでいく。堕落こそ制度の母胎なのである。

善人は気楽なもので、父母兄弟、人間共の虚しい義理や約束の上に安眠し、社会制度というものに全身を投げかけて平然として死んで行く。だが堕落者は常にそこからハミだして、ただ一人 曠野 を歩いて行くのである。悪徳はつまらぬものであるけれども、孤独という通路は神に通じる道であり、善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ。

続堕落論