東京と縁もゆかりもない人であっても
「玉川上水」という名前は聞いたことがあるだろう。
玉川上水は、
人口が増え続ける江戸に飲み水を供給するため、
1653年に玉川兄弟によって作られた。
羽村取水堰で多摩川から取水し、
武蔵野台地を流れて四谷大木戸まで全長43km。
本企画「玉川上水を歩く」では、
この43kmを四谷から羽村まで遡って歩いてみた。
→ 玉川上水を歩く Index
四谷大木戸から玉川上水を歩く旅を始め、
玉川上水暗渠の上を通って新宿駅方面へ向かう。
新宿御苑の北端は甲州街道に沿っており、
現在の甲州街道は国道20号線になって
新宿御苑トンネルとして、新宿御苑の下を通っている。
玉川上水は、その甲州街道の横を
暗渠となって流れている。
暗渠の上を歩いて新宿御苑を通り過ぎ、
そのまま新宿駅方面を目指す。
すると、新宿四丁目の交差点の近くに
小さなお稲荷様が鎮座していることに気づく。
雷電稲荷神社。
雷除けの神社で、
保食神(うけもちのかみ)を祀っている。
この神社は、1928年(昭和3年)に一度
新宿総鎮守の花園神社に合祀されている。
しかしその後、住民によって跡地に鳥居と祠が再建され
花園神社の末社として、今もこの場に維持されている。
玉川上水の畔にある神社なので
上水と縁がありそうにも思えるが、
創建は玉川上水より遙かに古く、
鎌倉時代まで遡る。
源義家(長暦3年=1039年生)の奥州征伐、
永保3年(1083年)の時のこと。
義家がここを通りかかった際、激しい雷雨に遭った。
ところがそこに白狐が現れ、
義家に三回頭を下げた。
すると雷雨は止み、晴れ渡ったのだった。
小さな神社だが、御手洗所が整備され、
拝殿の横には八角小堂もあり、かなり立派な神社だ。
水に関係する稲荷神社では
蛙が神使になっていることがあるが、
この神社の八角小堂の前にも蛙像がある。
神使の狐様が2組。
2月半ば。
参道の鳥居の脇では、
梅が美しく咲き誇っていた。
5月末になると神社はすっかり緑に覆われていた。
玉川上水を歩く (1) 四谷大木戸
玉川上水を歩く (2) 新宿御苑 – かわゆら