飲食店が建ち並ぶ東池袋の路地裏を通りかかった。
ゴミ一つ落ちていない美しい石畳にドバトが1羽歩いていた。
店の建物は1軒1軒異なった作りなのに,全体でまとまった空気を醸し出しているため,整然とした品格が漂っている。
自由ってこういうことだな,と思った。
ここを支配しているのが自由ではなく放縦だったら,例え同じようにゴミ一つ落ちていなくとも,もっと雑然として見えるのだろうと。
ささやかな今日を。
東京都心に住んでいたら何でも手に入ると思われそうだし,私も自分が住んでみるまではそう思っていた。
しかし,そんなことはないのである。
確かに,お洒落なものや珍しいもの,新しいものは手に入りやすいと思う。が,地方都市なら当たり前にみんなが自家用車で出かけるような大きなホームセンターや100円ショップは身近になかったりするのだ。
そう,みんな車を持つ生活をしていないので,都心にはガソリンスタンドも少ないし,夜になるとあっというまに閉店してしまう。コンビニやファミレスは駐車場がないところも多い。
都心の生活スタイルを知らなかったので,最初は色々と戸惑ったものだった。
この日はホームセンターに用事があったので,わざわざ地下鉄を乗り継いで豊洲にやってきた。たまに通りかかることはあっても私にとってお馴染みの街ではない。
街路樹の美しさが印象的だった。
東京都心は緑が多いと思う。