晩秋の三四郎池で

 コロナ禍が始まった直後は「関係者以外立ち入り禁止」になっていた東大キャンパスだが,再び解放され,昨秋は安田講堂前の銀杏並木や三四郎池の紅葉を楽しむことができた。

 雨上がりのこの日,一人で三四郎池を一周した。
 人っ子一人いないとはこのこと。混雑した名所にはない自然と一体になったような感覚が心地よい。静かな水面に秋色に染まった木々が映し出され,絵に描いたような美しい光景だった。晩秋になるとしつこい蚊も姿を消すので散策に水を差されることもない。快適だ。

育徳園心字池(2022-11-30 )
育徳園心字池(2022-11-30 )
育徳園心字池(2022-11-30 )
育徳園心字池(2022-11-30 )

 池を見渡せる展望所へ行くと,大木に育ったイイギリの実が池の上にせり出しており,雨に濡れた実から雫が垂れて光っていた。

育徳園心字池の畔の飯桐(2022-11-30 )
育徳園心字池の畔の飯桐(2022-11-30 )

終端

 ターミナル駅に降り立ったら,決まって線路の終端を確認したくなる。
 「ターミナル駅」という名詞が持つ漠然としたイメージが旅情を誘い浪漫をかきたてる…ような気がする。そして終着駅にしかない線路の終端こそが,その浪漫を具現化した存在である…ということなのだろうか。

 終わりなのにわくわくするとは摩訶不思議だが,終わりは始まりだからわくわくするのかもしれない。

西高島平駅(2022-08-20)
西高島平駅(2022-08-20)
西高島平駅(2022-08-20)
西高島平駅(2022-08-20)