土手に咲く水仙の花

 北緯57度。
 スコットランド最北のシティ,ハイランドの首都インヴァネスを訪れたのは3月の終わりで,夏時間に切り替わるタイミングだった。

 この街は私の最北端。
 寒さを覚悟していたが,意外と暖かく,悠然と流れるネス川の土手には水仙が咲き乱れ犬が戯れていた。どういう種類かは分からないが,ソメイヨシノよりちょっと派手な感じの桜も咲いていて,3月末の北の街には早春の雰囲気が満ちていた。

 インヴァネスという名は「ネス川の河口」という意味。ネス川の畔のホテルに泊まったこともあってか,インヴァネスといえばまずこの川の風景を思い出す。

ネス川の土手で(2014-03-31)
ネス川の土手で(2014-03-31)

 この日の朝にエディンバラでレンタカーを借りて移動してきて,到着したのはもう夕刻。散策時間はほんの1から2時間程度だったが楽しい散歩ができた。

***
 過去の旅行を写真で旅する いつかの遠い街 シリーズ。
 気合い入れて撮った写真。
歩きながら適当にシャッターを切った写真。
何だか忘れてしまった写真。
色々ある中からたまたま目に留まった1枚をピックアップ!
***

バレンタインデーに歩いた街

 この日はバレンタインデーだった。
 バレンタインデーに思い入れはなくどうでもよいことだったが,立ち寄った高速道路のサービスエリアの土産物店とか街角の店のショウウィンドウに,ハートを抱いた熊のぬいぐるみなどを度々見かけた。
 そういう季節感は旅の記憶に色を添える。

ヴルタヴァ川と旧市街@チェスキー クルムロフ(2003-02-14)
ヴルタヴァ川と旧市街@チェスキー クルムロフ(2003-02-14)

 チェスキー・クルムロフ。
 美しい風景で知られる南ボヘミアの世界遺産の街。

 観光シーズンではなかったため,チェスキー・クルムロフ城は歩いて通り抜けるだけだった。唯一見学できるのは壁の外に立てかけられた武器だけ。
 しかし,時代を追って増築を繰り返した城の回廊は複雑で,歩くのは楽しかった。

 壁の合間からたまに見え隠れするヴルタヴァ川と旧市街の風景は,寒々と,そして神々しい。土産物屋が開いていなくても2月に来て良かったと思わされた。