実家にある桐の箪笥の金具。
一つ一つが手作りらしい異なる形をしており,錠前部分には素朴な模様が彫り込まれている。
この箪笥は祖母の嫁入り道具だった。
明治40年(1907年)生まれの祖母が結婚したのは,おそらく昭和になってすぐのことだろう。その頃の職人さんの手によるものだ。
昭和元年は1926年だから,今から丁度100年くらい昔。
生まれて100年経った桐の箪笥は今も少しも問題なく使われている。
総桐はとても軽く女性一人でも移動できるし,もちろん衣服の保護は完璧だ。
積み重ねられてきた日本人の知恵と技術が形になった製品なのだと思う。
これら半円形を描く引き手は蕨手型(わらびてがた)と呼ぶらしい。
錠前の模様は植物のようだが何だろう。
考えてみれば,箪笥の全貌も撮っておくべきだった。
次回帰省したら忘れずに撮って帰ろう。