寒風山回転展望台

寒風山と回転展望台(2023-09-26)

 秋田県の男鹿半島の根元にある寒風山は,標高354.8mの成層火山だ。約2万年前の氷河期の終わり頃から数回に渡って噴火を繰り返してきた。
 山頂付近には,最も大きな第一火口,すり鉢状の小噴火口,浅い窪地になった妻恋峠火口がある。

 第一噴火口の中には「鬼の隠れ里」(石倉)と呼ばれる崩落した溶岩ドームがあり,巨石を積み重ねたように見えるため男鹿の鬼が住んでいた場所であるという伝説が残っている。
 また第二火口には冷風が吹き出す風穴があり,昔は池になっていたという伝説が残っている。

 元はもっと高い山だったが,地滑りで二つに分かれて第一火口が拡がり,山は二つに分かれ,一方は回転展望台が建つ寒風山,もう一方は姫ヶ岳(337m)と呼ばれている。
 地形や地質に興味を持つ者にとっては興味が尽きない山だと思う。

 回転展望台は特徴的で,遠くからもよくわかる。
 長年再訪したいと思っていたのでこの風景を見ただけで既にワクワクだ。

寒風山回転展望台(2023-09-26)
寒風山回転展望台(2023-09-26)

 回転展望台の1階は土産物屋とレストランになっていて,入場券を購入して展望台に向かうと,まずなまはげと記念スタンプ台が迎えてくれる。

 螺旋階段を上っていくと,2階と3階は男鹿半島の成り立ちや文化を紹介する展示室になっている。

 4階が回転展望台で,展望台の他,土産物の展示があったり記念メダルの自動販売機があったりする。

寒風山回転展望台(2023-09-26)
寒風山回転展望台(2023-09-26)
寒風山回転展望台(2023-09-26)
寒風山回転展望台(2023-09-26)

 回転展望台からの風景は回転展望台であるというテンションで楽しむもので,結局のところ,風景をしっかり楽しむのは建物から出て外の展望台からだったりする。

寒風山回転展望台(2023-09-26)
寒風山回転展望台(2023-09-26)

 建物から出て,展望台に貼り付けられた土産物の看板を眺めながら建物の横の階段を上る。

 この日の男鹿半島は大雨の警報だったか注意報だったかが出ていて安定しない空模様だったが,次々とやってくる雲に隠されたり出てきたりする入道崎や男鹿の山々を意外と楽しむことができた。

寒風山からの風景(2023-09-26)
寒風山回転展望台周辺の風景(2023-09-26)

回転展望台から望む大潟村
 回転展望台は昭和39(1964)年にオープンし、昭和63(1988)年に改装して現在の展望台になりました。13分かけてゆっくり回転し、座りながら360°n大パノラマをご覧いただけます。
 そこから見える大潟村はかつて琵琶湖に次いで日本で2番目に大きかった八郎潟を干拓(水を汲み出して)をしてできた国内最大の人工の大地です。昭和32(1957)年から干拓工事が始まり、昭和52(1977)年に全ての工事が完了しました。

寒風山の観光案内板

寒風山回転展望台と二等三角点(2023-09-26)
寒風山回転展望台と二等三角点(2023-09-26)

 回転展望台のすぐ横に二等三角点があった。
 これは…萌える!
 点名は「さむかぜやま」とのことだ。

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この秋の光の現象

 夏の間はあんなに度々多くの大気光学現象が見られていたのに,この秋は気温が下がるととたんに空も静かになった。
 やたらと晴れの日が多く雲が少なかったせいかもしれない。

 気象庁のサイトで確認したが,やはりこの秋の関東地方の日照時間はかなり多めだったようだ。
 この秋は全国的に高気圧に覆われやすかったため,東日本太平洋側・西日本太平洋側・西日本日本海側・沖縄・奄美で日照時間がかなり多く,北日本日本海側・東日本日本海側・北日本太平洋側でも多かったとのこと。
 特に東日本太平洋側・西日本太平洋側・西日本日本海側では,1946年の統計開始以降,秋として1位だったとのこと。

参考:
 気象庁|報道発表資料 令和5年 秋(9~11月)の天候


薄明光線

 最も一般的な大気光学現象だが,そもそも雲が少なかったので見る機会も少なかった。

 薄明光線のまたの名は,光芒,天使の梯子,天使の階段,ヤコブの階段,ゴッドレイ,レンブラント光線など。個人的には天使の梯子かレンブラント光線の呼び名をよく使う。

薄明光線(2023-10-01 07:10)
薄明光線(2023-10-01 07:10)
薄明光線(2023-11-28 07:30)
薄明光線(2023-11-28 07:30)

 日の出と共に薄明光線が見られるのはちょっとレアではないだろうか。
 東の空しか見えないので確認できなかったが,西空では反薄明光線になっていたのだろうか。

薄明光線(2023-10-08 05:44)
薄明光線(2023-10-08 05:44)

反薄明光線

 夏の間は時に毎日のように見えていた反薄明光線だが,秋は見る機会に恵まれなかった。
 見たのはこの日一日限りだったが,いつも通りビーナスベルトと地球の影がセットで見えていた。

反薄明光線とビーナスベルトと地球の影(2023-11-13 16:37)
反薄明光線とビーナスベルトと地球の影(2023-11-13 16:37)

スカイツリーの蝋燭

 太陽がどんどん低くなり,日の出位置が南へ移動する十月下旬。
 太陽が東京スカイツリーの上空を通過していく。

蝋燭のような東京スカイツリー(2023-10-27 06:34)
蝋燭のような東京スカイツリー(2023-10-27 06:34)

 東京スカイツリーという分かりやすい目印があるため,日の出位置と太陽高度が日々変化していく様子がよくわかる。

東京スカイツリーと太陽(2023-11-02 06:23)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-02 06:23)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-04 06:20)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-04 06:20)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-06 06:17)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-06 06:17)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-08 06:14)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-08 06:14)
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