本の記録(2023-02)

 『銃・病原菌・鉄』の下巻をようやく読み終わったので,積ん読になっていたコミックの消化まつり。


2月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:780
ナイス数:35

銃・病原菌・鉄 下巻銃・病原菌・鉄 下巻感想
世界各地の文明と文字。発明された技術やその伝播。小さな平等な社会,血縁集団から部族社会へ,首長社会へ,国家への広がり。食糧生産と集権化。外圧と制服。オーストラリア大陸とニューギニアの特異性。中国という国の特徴。台湾から南太平洋に,マダガスカルに広がっていったオーストロネシア人。アメリカ先住民やアフリカ先住民の文化とヨーロッパの衝突。最後には歴史に影響を与える個人について,科学的に見る人類史について。上巻で語られた内容が繰り返され冗長に感じたが,世界各地の知らない人たちについて多少なりとも理解が広がった。
読了日:02月19日 著者:ジャレド ダイアモンド
方丈記 (光文社古典新訳文庫)方丈記 (光文社古典新訳文庫)感想
 日本の文学史などを勉強したのでもう一度。  以前読んだ時に比べると『本朝文粋』の影響や歌枕のことなど多少知識が増えた分,少しだけ理解が深まった。付録の『新古今和歌集』に収録された鴨長明の和歌についても前回より読み込むことができた。  決して達観した世捨て人などではない鴨長明の人間味が感じられた気がする。また時をおいて読んでみたいと思う。
読了日:02月22日 著者:鴨 長明
アルテ 16巻 (ゼノンコミックス)アルテ 16巻 (ゼノンコミックス)感想
17巻を読むため再読。レオは臨終のウベルティーノを見舞う。フィレンツェは戦乱の時を迎え,アルテを陥れたシルヴィオ枢機卿はフィレンツェから亡命。アルテは宮廷画家を退職しレオに会うためフィレンツェに向かう。フィレンツェでは犯罪者のアルテは混乱に乗じて帰るしかない。イレーネ(カタリーナ)の配慮でつけられた4人の傭兵,グイド,フランコ,パコ,セシリオと共にジェノバ行きのガレー船に乗って出発する。海賊の出る危険な海域だったが,案の定…。目の前でパコが殺され,アルテは一人でフィレンツェへ向かおうと決心する。
読了日:02月22日 著者:大久保圭
アルテ 17巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)アルテ 17巻【特典イラスト付き】 (ゼノンコミックス)感想
一人で行くと言い出したアルテに怒るグイド。彼には「オヤジが欲しがってるヴェラクルス島への切符を手に入れる」という目標があるのあった。ポルトガル王国の委任状がなければ行けない島だった。アルテは一人考え自分の間違いに気づく。道中の危険は多く,殺さなければ殺される世界。アルテは自分が混乱の時期を狙ってフィレンツェに向かう理由をグイドに話す。グイドとはハイタッチで挨拶をする仲に。途中で寄った街では再会があった。ダーチャとアンジェロ。彼等からフィレンツェの情報を聞き,アルテは多くのことが変わったことを知る。
読了日:02月23日 著者:大久保圭
シメジ シミュレーション 01 (MFC キューンシリーズ)シメジ シミュレーション 01 (MFC キューンシリーズ)感想
 3回目。4巻を読むために最初からもう一度。改めて読んでみると色々と読み落としている。よしかがホウボウだったことを初めて認識した。お姉ちゃんのヘアピンがお魚だってことも。  たまたまオシロスコープを持っている少女あやかに驚いて,たまたま弦を張っていないギターを持っている少女よしこを見落としていたし,それらが針金で悲しい表現をするためだったとは。  お姉ちゃんの世界を取り戻すための装置や,名前のある魚(なま魚),夢の中の団地の風景と新しく現れた巨大な石のことなど覚えておこう。
読了日:02月24日 著者:つくみず
シメジ シミュレーション 02 (MFC キューンシリーズ)シメジ シミュレーション 02 (MFC キューンシリーズ)感想
 4巻を読むために最初から再読。すみだ先輩によしかわ先輩,猫耳ヘルメットの庭師さんが登場。お姉ちゃんの「ツインヒラメモーター」を使った永久機関の穴掘り機。すみだ先輩の切ない物語と先生の輪っかの焼き物の話。少しずつ世界観の中へ引き込まれていく感じ。あやか。よしこ・ゆみの三人組が少しずつ存在感を大きくしてきた。
読了日:02月24日 著者:つくみず
シメジ シミュレーション 03 (MFC キューンシリーズ)シメジ シミュレーション 03 (MFC キューンシリーズ)感想
お姉ちゃんは寝ないで何かを作る。学校が縦になり,夏に雪が降り,水が落ちなくなる。なま魚が部屋に入り込む。すみだ先輩ともがわ先生の距離感に和む。新しい言葉。作詞したいよしこちゃんとよみかわ先輩の円柱形の家と金平糖の雨。世界はぐにゃぐにゃになっていき,庭師さんはペチペチするのに忙しい。石を調べるしじまとまじめの前に現れるお姉ちゃん。夢の中の空間が固定されて結晶化する。街は空虚な演算結果。お姉ちゃんの「まき貝型そうち」が街を思念によって加工可能な世界に変える。すべてが幻ならもっと自由になっていいはずだ…。
読了日:02月25日 著者:つくみず
シメジ シミュレーション 04 (MFC キューンシリーズ)シメジ シミュレーション 04 (MFC キューンシリーズ)感想
お姉ちゃんの巻き貝が発動して1ヶ月。どこまでも自由で他人と違っていることもそのまま価値になる世界が実現された。みんな自分で,或いは多数決で選び取ったものが世界となる。団地は既に原形を留めていない。家も服も自分で作る。前衛的と狂気の狭間のような世界だ。役所の「暗号カカオ」がみんなの知的財産? すみだ先輩は文字で会話ができるようになって快適そうだ。庭師さんは西よもぎ市でひっそりと楽しんでいる。そしてクライマックスの文化祭へ。もう一人のお姉ちゃんの出現と「モササいぬ」のコンサート…。何が何のメタファーなのか?
読了日:02月26日 著者:つくみず
好きな子がめがねを忘れた 9巻小冊子付き特装版 (デジタル版SEコミックスプレミアム)好きな子がめがねを忘れた 9巻小冊子付き特装版 (デジタル版SEコミックスプレミアム)感想
 10巻を読むための再読。  コンタクトの練習とか運動会のパン食い競争とか。一々真面目で真剣なところが可愛い。恋愛のことばかり考えてる大学生ってダメな奴だなと思っちゃうけれど,中学生だと可愛く見える…。改めて言うまでもないが三重さんって性格がとても可愛い。あとカーディガンの似合う女の子可愛い。
読了日:02月26日 著者:藤近小梅
好きな子がめがねを忘れた 10巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)好きな子がめがねを忘れた 10巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)感想
 眼鏡を忘れない練習。そして…美しくエンッディング!と思ったが,まだ完結ではないらしい。どうなるの!?
読了日:02月26日 著者:藤近小梅
お兄ちゃんはおしまい!: 7【イラスト特典付】 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい!: 7【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
 浴衣で火を見に行き,夏休みも終わって新学期。雨宿りと濡れた服,ダイエットのランニング,メイド喫茶の文化祭。コミケ的なオタクイベントでの思わぬ出会い。体育祭。モミジの季節のハイキングなどなど。頭を空っぽにして楽しむ系なので感想などは特になし!
読了日:02月26日 著者:ねことうふ
「お兄ちゃんはおやすみ!」お兄ちゃんはおしまい!7巻 特装版小冊子電子版 お兄ちゃんはおしまい! 小冊子 (REXコミックス)「お兄ちゃんはおやすみ!」お兄ちゃんはおしまい!7巻 特装版小冊子電子版 お兄ちゃんはおしまい! 小冊子 (REXコミックス)感想
 特典本の電子化なので,短い話でとすぐ終わる。まぁちょっとした気晴らし的に。
読了日:02月26日 著者:ねことうふ
お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック: 3 (REXコミックス)お兄ちゃんはおしまい! 公式アンソロジーコミック: 3 (REXコミックス)感想
 豪華漫画家さんによるアンソロジー。  なゆたちゃんの登場率が高い? 本編と同じく頭をからっぽにして和むための本。
読了日:02月27日 著者:原 悠衣,黒田 bb,足立 いまる,五十嵐 正邦,おにお,9℃,空翔 俊介,クール教信者,サスケ,すか,槌居,豊林 サカネ,なもり,はみ,ホリ,majoccoid,ゆうち 巳くみ,雪本 愁二
軍師 黒田官兵衛伝 1 (ジェッツコミックス)軍師 黒田官兵衛伝 1 (ジェッツコミックス)感想
 続きを読むために再読。  織田と毛利の狭間で苦しむ播磨国の小寺家に仕える黒田官兵衛。官兵衛は織田につくよう小寺家を説得するが,息子の松寿丸を織田の人質に出すことになる。摂津国の荒木村重と主君の小寺の裏切りに遭うところまで。
読了日:02月28日 著者:重野なおき

読書メーター

本の記録(2023-01)

 『銃・病原菌・鉄』の上巻をようやく読み終わった。下巻を読みながら,たまにコミック。『チ。』が完結したのでまとめて読み直し。
 放送大学の『日本文学における古代と近代』は何度読んでも素敵。島内裕子先生のファンになってしまった。


1月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:1209
ナイス数:34

銃・病原菌・鉄 上巻銃・病原菌・鉄 上巻感想
 ヨーロッパ人が世界の覇権を握るにいたったのは何故か。逆にアフリカやオーストラリア,ニューギニアやアメリカ大陸の人々がユーラシア大陸に攻めこんだり,土地独特の病原菌をユーラシア大陸に持ち込んだりすることがなかったのは何故か。大陸の構造や動植物の分布などから丁寧に考察する。
読了日:01月10日 著者:ジャレド ダイアモンド
チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)感想
 物語完結につき最初から読み直し。12歳で大学に合格した優秀なラファウ君の物語。
読了日:01月15日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)感想
 物語完結につき最初から読み直し。ラファウ君から10年後。民間警備組合のグラスとオクジーの二人組。グラスは火星の動きを熱心に記録している。オクジーは空を見るのが怖い。ある日仕事で護送した異端者と話をし,ラファウらの遺産を発掘。二人は思想上の禁忌で左遷された修道士バデーニを訪ねることに。
読了日:01月16日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(3) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(3) (ビッグコミックス)感想
 完結につき最初から読み直し。オクジーと修道士バデーニは天文学の課題を解いた少女ヨレンタの紹介で,天動説を証明するために集めた膨大な観測データを持つピャスト伯へ辿り着く。
読了日:01月17日 著者:魚豊
チ。 ―地球の運動について―【単話】(4) (ビッグコミックス)チ。 ―地球の運動について―【単話】(4) (ビッグコミックス)感想
 理論がほぼ完成し,祝杯をあげるオクジーとバデーニ,そしてヨレンタのもとに現れた,ヨレンタの父親ノヴァク。感動のために時間稼ぎに向かうオクジー。
読了日:01月17日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(6) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(6) (ビッグコミックス)感想
 オクジーとパデーニが死んで25年後。C教正統派の権威が緩んでいく時代。各地の審問所を襲撃し異端を解放する異端解放戦線,シュミット隊長。神など信じずお金を稼ぎたい少女ドゥラカ。地動説の本を介して出会った彼等の行く手にいたのは異端解放戦線の組織長。
読了日:01月17日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(5) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(5) (ビッグコミックス)感想
 オクジーとバデーニの最期。オクジーが心の底で憧れ求めたもの,自由。ノヴァクには理解できない。10年前の12歳の少年の話を聞いて納得するパデーニ。ヨレンタに迫る危機。ノヴァクの絶望。そしてパデーニの予防策の発動。
読了日:01月18日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(7) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(7) (ビッグコミックス)感想
 ラファウの時代から35年。オクジーとパデーニから25年。第2集の冒頭(9話)でオクジーが異端者を護送し地動説と関わることになった時,ノヴァクと共に同行していた異端審問官ダミアンは司教になっており,拷問と恐怖では世界が良くなるとは思えなくなっていた。酒場で酔い潰れていたノヴァク。ヨレンタと対峙するドゥラカ。文字の奇跡で古い友人との再会に感動するヨレンタ。だが,時間はなかった。
読了日:01月18日 著者:魚豊
チ。―地球の運動について―(8) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(8) (ビッグコミックス)感想
 ドゥラカはどうにか逃れたがノヴァクの執念は凄まじかった。ドゥラカが頼ったのは,叔父に売られそうになった時の金銭に価値を見出し未来を見極めることに興味を抱いた司教。司教はニュートラルな考え方ができる人だった。が,ノヴァクの執念が全てに勝った…。最後に物語は1648年のポーランド王国のアルベルト・ブルゼフスキの元へ移動する。彼は内容が失われた本のタイトルだけを耳にし,更にそれから23年後,彼が大学で書いた教科書の注釈書でコペルニクスが学んだ。で,アルベルトの先生は誰なの。そこだけ凄く疑問。
読了日:01月19日 著者:魚豊
しあわせ鳥見んぐ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)しあわせ鳥見んぐ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)感想
 女子大学生が主人公のバードウォッチングの物語。主人公のすずは芸術大学の2年生だが,自分の絵に悩んでいた。在るとき公園でバードウォッチングをしていた翼に出会い,バードウォッチングの世界へ足を踏み込む。作者は相当な野鳥好きと思われ,野鳥の見分け方やバードウォッチングの心得などが随所に紹介され,なかなか読み応えがある。鳥を見分けることに興味がなくても鳥が好きなら楽しく読めるのでは。
読了日:01月22日 著者:わらびもちきなこ
日本文学における古典と近代 (放送大学教材)日本文学における古典と近代 (放送大学教材)感想
 放送大学の教科書。日本文学をジャンル別に古い順に紹介し,特徴や着目点を解説する。ラジオの講義と合わせて聞くとなお分かりやすい。高校の古典の授業では興味を持てなかった日本の古典の世界に興味が沸いたし,それらが現代の文学とどう繋がっているかもわかり,大変刺激になる本だった。
読了日:01月22日 著者:島内 裕子

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