太陽柱の朝

 地平線近くに雲があり,日の出が見えない朝だった。
 ようやく雲の隙間から陽光が射し,一応空の様子を確認。
 すると,太陽から上下に光芒が伸びている!

 「これはっ!サンピラー!」
 …ということで,いきなり被写体ができて忙しい朝になってしまった。本当に今朝はいつもより前倒しでやらねばならないことがあって忙しい日だったのに!

 大気光学現象が人間の都合をわきまえてくれる筈ないのである。

(sun pillar 2024-01-23 06:56)
(sun pillar 2024-01-23 06:56)
(sun pillar 2024-01-23 06:56)
(sun pillar 2024-01-23 06:56)

 朝の家事をこなしながら,5分後に太陽を確認。
 サンピラーが伸びて,更に雲の影が東京スカイツリーを横切って北東の空へと伸びている。なんというダイナミックな風景だろうか。

(sun pillar 2024-01-23 07:01)
(sun pillar 2024-01-23 07:01)
(sun pillar 2024-01-23 07:03)
(sun pillar 2024-01-23 07:03)

 太陽と雲が移動するにつれて影の角度が変わっていく。
 そして雲の上端から太陽が顔を出し,太陽柱は更に明るく上方へと伸びていく。

 太陽柱(sun pillar)は,上空の風が弱く寒い日に見られる。大気中の氷の結晶が水平に並んだ時に見られる現象で,氷晶の上下の面で太陽光が反射し柱状に輝いているのだ。

 体感的には幻日よりレアな現象のように思う。今までに見た回数はそれほど多くない。

(sun pillar 2024-01-23 07:03)
(sun pillar 2024-01-23 07:03)
(sun pillar 2024-01-23 07:03)
(sun pillar 2024-01-23 07:03)

 日の出から1時間以上が経過し太陽がかなり高い位置まで昇っても,太陽の上下に光芒を見ることができた。
 通常,太陽柱が見えるのは太陽高度が10°未満のときと言われている。こんな位置で見えているのも珍しいのではないだろうか。

(sun pillar 2024-01-23 07:57)
(sun pillar 2024-01-23 07:57)
(sun pillar 2024-01-23 07:57)
(sun pillar 2024-01-23 07:57)

 何はともあれ,空から目が離せない忙しい朝だった。
 けれど空の現象に心踊らせ過ごす時間は幸せだと思う。

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この秋の光の現象

 夏の間はあんなに度々多くの大気光学現象が見られていたのに,この秋は気温が下がるととたんに空も静かになった。
 やたらと晴れの日が多く雲が少なかったせいかもしれない。

 気象庁のサイトで確認したが,やはりこの秋の関東地方の日照時間はかなり多めだったようだ。
 この秋は全国的に高気圧に覆われやすかったため,東日本太平洋側・西日本太平洋側・西日本日本海側・沖縄・奄美で日照時間がかなり多く,北日本日本海側・東日本日本海側・北日本太平洋側でも多かったとのこと。
 特に東日本太平洋側・西日本太平洋側・西日本日本海側では,1946年の統計開始以降,秋として1位だったとのこと。

参考:
 気象庁|報道発表資料 令和5年 秋(9~11月)の天候


薄明光線

 最も一般的な大気光学現象だが,そもそも雲が少なかったので見る機会も少なかった。

 薄明光線のまたの名は,光芒,天使の梯子,天使の階段,ヤコブの階段,ゴッドレイ,レンブラント光線など。個人的には天使の梯子かレンブラント光線の呼び名をよく使う。

薄明光線(2023-10-01 07:10)
薄明光線(2023-10-01 07:10)
薄明光線(2023-11-28 07:30)
薄明光線(2023-11-28 07:30)

 日の出と共に薄明光線が見られるのはちょっとレアではないだろうか。
 東の空しか見えないので確認できなかったが,西空では反薄明光線になっていたのだろうか。

薄明光線(2023-10-08 05:44)
薄明光線(2023-10-08 05:44)

反薄明光線

 夏の間は時に毎日のように見えていた反薄明光線だが,秋は見る機会に恵まれなかった。
 見たのはこの日一日限りだったが,いつも通りビーナスベルトと地球の影がセットで見えていた。

反薄明光線とビーナスベルトと地球の影(2023-11-13 16:37)
反薄明光線とビーナスベルトと地球の影(2023-11-13 16:37)

スカイツリーの蝋燭

 太陽がどんどん低くなり,日の出位置が南へ移動する十月下旬。
 太陽が東京スカイツリーの上空を通過していく。

蝋燭のような東京スカイツリー(2023-10-27 06:34)
蝋燭のような東京スカイツリー(2023-10-27 06:34)

 東京スカイツリーという分かりやすい目印があるため,日の出位置と太陽高度が日々変化していく様子がよくわかる。

東京スカイツリーと太陽(2023-11-02 06:23)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-02 06:23)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-04 06:20)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-04 06:20)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-06 06:17)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-06 06:17)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-08 06:14)
東京スカイツリーと太陽(2023-11-08 06:14)
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