アニメ覚え書き(2022年7月~12月)

 2022年12月25日時点で見終わった作品,若しくは最終回が近づいており最終配信まで見終わった作品。


RPG不動産

 2022年春アニメ。原作は『まんがタイムきららキャラット』。つまらないというほどでもなかったが,特に続きも気にならず2話切り。


君に届け

 第1期:2009年10月6日〜2010年3月30日
 第2期:2011年1月4日〜2011年3月29日
 原作は『別冊マーガレット』の漫画で実写映画にもなっている。長い黒髪と色白な容姿から「霊感がある」などと噂される主人公の少女。本名は「爽子」なのに「貞子」と呼ばれ怖がられ嫌われているが,全て単なる噂。本人は優しくて真面目で前向きな子。少しずつ友人ができて世界が広がっていく様子を描く青春もの。Netflixで何となく視聴した。


異世界おじさん

  2022年7月〜・2022年10月〜。
 原作はWebコミック『ComicWalker』で配信中の漫画。
 2022年春アニメの王座たる作品だったのだが,新型コロナ感染の影響で2回中断。とうとう秋アニメとして再度放送開始されることになった。しかし大変面白く見ていたため,2回見られてラッキー2回目も面白い!という感じだった。大人が主人公の面白い作品が増えてきたのは嬉しい。


それでも歩は寄せてくる

 2022年7月〜。
 原作は『週刊少年マガジン』で連載中の山本崇一朗氏の漫画。将棋部部長の八乙女うるしと新入部員の田中歩の将棋ラブコメ。安定感&安心感のある面白さだった。


リコリス・リコイル

 2022年7月〜。
 A-1 Pictures によるオリジナルアニメ。秘密の治安維持組織DAで働く少女暗殺者リコリスが治安を維持するディストピア日本が舞台。銃弾回避の天才である千束,射撃の天才たきな,元DAのミズキ,天才ハッカーのクルミ,喫茶リコリコを営む千束の保護者ミカを中心にDAや,謎のアラン機関の絡みを描く。登場人物が多い割りには全員キャラが立っていてわかりやすく,悪役も含めキャラクターが魅力的。面白いアニメだった。


HELLO WORLD

 2019年9月20日公開の劇場版アニメ。
 舞台は2027年京都市。主人公の高校1年生の少年は,10年後からやってきた自分のアバターに出会い,恋人になる少女を救うために協力させられる。SFでは非常によくある設定で目新しさはないと感じたが,少年と少女が仲良くなっていきハッピーエンドを迎えるというストーリーは分かりやすく,少年や少女にも感情移入しやすい作りなので楽しめた。最近のアニメ映画らしく映像は非常に美しい。グレッグ・イーガンの『順列都市』を読んだことがある人ならそっくりな内容だと思うのではないか。


オーバーロードIII オーバーロードIV

 IIIは2018年7月〜。IVは2022年7月〜。
 4作目なので今さらどうこう書くこともないが,物語が進むにつれて複雑になってきた感じ。原作を読んでいないので分からないことが多いが,その割には面白く見た。続きが作られたら見ると思う。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形 –

 2019年9月6日公開。90分。Netflixにて視聴。
 貴族の令嬢イザベラ・ヨークと彼女の「妹」テイラーをヴァイオレットの手紙が繋ぐ物語。後半どんどん「そりゃないだろ」という展開で,最後「それイザベラ本当に嬉しいのかな?」と疑問に思った。人間そんなに単純ではないのでは。アニメは美しかったけれど,どうも感動はできず納得出来ない感が残った。


劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

 2020年9月18日公開。
 140分。Netflixにて視聴。
 長いアニメだが一般的に評価は高い。が,私はがっかりだった。アニメーションは美しかったが,良かったのはそこだけ。エモさや感動の押しつけに加え「何故そこでそうなる?」みたいな安っぽいハッピーエンドでガッカリだった。私の中の京アニの評価まで下がってしまった。でも評価高いしみんなこんなのが好きなのか…。社長が気の毒すぎるだろ。


Engage Kiss

 2022年7月〜。評判が良かったので見てみたが,面白いと思えず9話の途中まで見て切った。申し訳ないが,登場人物の誰にも魅力を感じなかったし,物語の行く末も気にならなかった。


キングダム

 第1シリーズ 2012年6月4日〜2013年2月25日
 第2シリーズ 2013年6月8日〜2014年3月2日
 第3シリーズ 2020年4月6日〜2021年10月18日
 第4シリーズ 2022年4月10日〜
 少しでも中国史に親しめればという気持ちで見はじめた。戦闘などには興味がないにもかかわらず面白く感じ,長い作品だというのに凄い勢いで第4期まで見てしまった。 正直言って中国史が理解できたとは思えないが,多少の地名などは覚えたし,これがどれくらい昔の時代であるかも何となく把握できた。続きが配信されたら見ていこうと思う。


異世界薬局

 2022年7月〜。原作は「小説家になろう」のライトノベル。
 薬学部の准教授だった主人公が過労で急逝しナーロッパの宮廷薬師の家の次男ファルマに転生する。転生といっても生まれたわけではなく,ファルマが雷に打たれたときに魂が入った設定。もの凄いチート能力と生前の薬学知識を武器にもの凄い幸運で社会に受け入れられて薬神さまと崇められ成功していく。
 たぶんこれが最初に見た異世界転生最強チートものだったら面白いと思っただろう。


よふかしのうた

 2022年7月〜。原作は『週刊少年サンデー』連載中のコトヤマ氏による漫画。
 吸血鬼と男の子の物語で,ラストの印象も残っていないが,不思議な色合いで描かれた深夜の風景が美しかった。


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 第4期

  2022年7月〜。3期までずっと見ていたので今期も見はじめたが,最初からあまり面白くなくて結局3話切りしてしまった。


雨を告げる漂流団地

 2022年9月16日公開。Netflixにて視聴。
 団地愛あふれる美しい映像であった。ヒロインの女の子が面倒くさくてウザかったけれど,それ以外の登場人物は良かったし,人に作られ愛された物たちの最後に想いを馳せるという,付喪神あふれる日本で生まれ育った身としては受け入れやすい物語だったと思う。


シャドーハウス 第2期

 2022年7月〜9月。
 1期のこともすっかり忘れて見はじめたが,そもそも好きな作品ということもあり少しずつ世界観が明らかになっていってそれなりに面白かった。しkし3期は作られるのだろうか。また続きが開いてしまうのだろうか。ちょっともったいないと思う。


機動戦士ガンダムNT

 2018年11月30日公開。
 正直言ってイマイチなガンダムだった。印象もほぼ残っていない。


機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

 2022年6月3日公開の劇場版アニメ。
 ファーストガンダムの異色の1話に焦点を当て掘り下げた内容。内容の辻褄合わせもしっかりできていたし,もちろんアニメのクオリティも高く,この内容でファーストガンダムをもう一度作ってお願い。


灰羽連盟

 2002年10月〜12月。原作は同人誌。dアニメストアで視聴。
 似たような作品は聞いたこともない唯一無二なアニメ作品だ。童話のような優しい絵柄だが,物語は暗く重く哲学的。時を置いてまた何度か見てみたくなる作品だった。命はどこからやってきてどこへ行くのか。「生と死」のテーマを感じた。また時をおいて見てみたい作品。


ロマンティック・キラー

 2022年10月〜。Netflix独占配信Webアニメ。
 恋愛に興味なくゲームと猫とチョコレートさえあれば満足な非ヒロイン属性の高校1年生,星野杏子。突然現れた魔法使いリリに乙女ゲーまがいの恋愛シチュエーションを次々と強制されてんやわんや。杏子が大変気持ちよい性格で,安心して見て楽しめるラブコメだった。


アキバ冥途戦争

 2022年10月〜。CygamesとP.A.WORKSによるオリジナルアニメ。
 どこか遠い世界線の秋葉原に於けるメイドたちの西部劇のような殺し合い? 何ともコメントも評価も難しいが,毎回凄く時間が短く感じたし,一度もつまらないから見るのを止めようとは思わなかった。何かわからない世界,どこへ向かっているのかも分からない物語だったけれど,要するにとても面白かった。

月の子 MOON CHILD

本の概要

  • 全8巻(完結)
  • 著 者:清水玲子
  • 出 版:白泉社(白泉社文庫)
  • 発売日:1998/6/12(1巻)~1999/3/12(8巻)
  • 連載:『ララ』昭和63年(1988)年10月〜平成4年(1992)12月号

 アンデルセン童話『人魚姫』(1837)と,1986年4月のチェルノブイリ原子力発電所の事故をはじめ1985年後半〜1986年初頭にかけて起こる様々な災害を2本の柱として織りなされる長編の恋愛少女漫画。
 登場するのは人魚と人間。人魚たちにはアンデルセンの童話のように事情がある。

 人魚の寿命は200〜800年。人魚は大宇宙を泳ぎ回る生き物だ。
 たまたま地球が産卵地として適していたので人魚たちは地球を選んだ。そして産卵の期間だけ人間に擬態する。稚魚は10年おきにくる産卵期に地球へ帰り,それから半年ほどの間に相手を決めて卵を生み死んでゆく。

 一途すぎるほど一途な登場人物達は,ちょっと重く感じるかもしれない。人魚であることを考えるとハッピーエンドな未来は見えないけれど,幸福を願って読み進みたくなる。

 文庫が出た頃に一度読んだのだが,チェルノブイリやキエフなどが登場することもあり,読み返したくなったが,ひとときその時代に帰って楽しめた。

 絵柄は今となっては古い雰囲気に見えるかもしれないが,とても芸術的で美しいと思う。所々に挟まれる塗り絵の一枚絵も楽しい。


 昭和63年ララ10月〜12月号,平成1年ララ1〜4月号掲載分。
 月を見てベンジャミンは?


 ショナの肩越しに月を見たベンジャミン。にがよもぎの星が来年(1986年)の春に落ちる夢。セツ助けたさに自暴自棄になるティルト?


 気持ちを自覚するショナ。ショナとセツの出会い。セツのために道を踏み外すティルト。「ぼくは女の子なんだって」とジミー。人間の青年ギルの運命は? 新たなキャラクターが出てきて不穏な展開になっていく巻。


 ベンジャミンとアート,セツとショナ,ベンジャミンとショナ。関係が少しずつ変わっていく。ティルトは計画を進めていく。ホリーの弟とギル。1985年11月13日 コロンビアのネバドデルルイス火山泥流災害。女の人の時間が増えるジミー。


 ティルトはどうしてベンジャミンを嫌いになったのか。どうしてセツを嫌いにならなかったのか。思い出すベンジャミン。アートのオレンジを潰したマスコミの人たちとベンジャミン。ベンジャミンが意識的に物をこわした最初の瞬間…。


 ジミーは綺麗な女の人のベンジャミンが自分であることをアートに伝え,女の人の姿でアートと一緒にソビエトへ渡る。セツも追いかける。1986年1月28日チャレンジャー号の爆発事故。ギル(ティルト)にとってのリタの価値。


 ティルトの計画に気がついたベンジャミン。セツをニューヨークに帰そうとするティルト,ベンジャミンをニューヨークに帰そうとするアート。キエフに向かうショナ。ギルに注釈するリタ。
 恋愛ってこの世で最悪な感情では?と思わされる巻。


 1986年4月2日から始まる巻。チェルノブイリの事故は1986年4月26日午前1時23分。その時刻に向かってベンジャミンもギルもアートもセツも動く。
 そして,何百年も昔にかなえられる筈だった人魚の夢は。
 平成4年 ララ9〜12月号掲載。


登場人物

人魚

ジミー(ベンジャミン) 主人公の少年または美少女。ジミーは本当は猫の名前。ティルトとセツとは三つ児で一緒に月から泳いできた。
ティルト ベンジャミンの兄弟。口が悪い。最初に孵化した。3人の中では体も大きく丈夫でリーダー格。もともと卵細胞を持っていない。
セツ ベンジャミンの兄弟。身体が弱く内気で優しい。
ショナ 14世紀生まれ。400光年離れたアスガルド星から帰ってきたマーメイド。ジミーたちの母親セイラの許嫁だったポントワの息子。昔からセイラの夢を見ていた。
ノエラ ショナをマーメイドだと気づきコミュニティに連れて行く。ショナが好き。
セイラ アンデルセンの『人魚姫』のモデル。人間に恋をし仲間の人魚たちを魔女狩りに売った。「足の先まで流れるハチミツ色の髪に砂糖菓子のような愛くるしい顔」だった。
グラン・マ 卵を生まない代わりに長生き。
アイーダ グラン・マの手伝いをしている。
シリル 人魚の女性。
ジュリ 人魚の女性。
サラ セイラの姉妹。ベンジャミンたちを守り育てた。
ミラルダ セイラの姉妹。ベンジャミンたちを守り育てた。

人間

アート ジミーを助けた保護者。ダンサーで父親はソ連人。
ホリー アートの元恋人でダンサー。
ギル・オウエン テレンス・オウエン財団の会長アルバート・オウエンの一人息子。1964年生まれ。突然月にいる夢を見るようになる。イエール大学の首席。再生不良性貧血症を患っている。
パメラ ギルの妹。
ミス・クロディ(リタ) パメラの家庭教師で6カ国語を操る。霊能力もある。身長190cm。ヤンという婚約者がいたが解消してギルに仕える。
アルテム・ザイコフ ソ連の有望な若いダンサー。17歳。お姉さんに見えるお兄さん。リムスキーの息子。
アレクセイ アルテムの三つ子の甥。将来アメリカへ行くのが夢。
コンスタンチン アルテムの三つ子の甥。
ウラジーミル アルテムの三つ子の甥。
アンナ アレクセイたち三つ子の母親でアルテムの異父姉。