白い木立に白い月

 いつもの道を歩きながらふと見上げた空に白い月が浮いていた。
 冬枯れの木立と月の白さが,澄み渡る空の青と織りなすコントラスト。

 素朴な美しさに釘付けになった。

 なのに,空を見上げたまま私は此の場所をいったん通り過ぎた。
 すぐに後悔し,戻って来て撮ったのだった。

 丁度一月前のことだ。
 今はこの木にも新芽が吹いて風景が変わっていることだろう。

白い木立と白い月(2023-02-26 14:35)
白い木立と白い月(2023-02-26 14:35)

 通り過ぎたのに,戻って来てまで撮りたいと思うかどうか。
 とても微妙な心の機微で決まるのだと思う。
 季節が移った此の場所で同じく昼間の白い月を見かけたら,私は撮りたいと思うのだろうか?

巻雲の午後

 春霞の黄色い空が続く3月。
 この日も朝からそうだった。

 だが,午後遅くなって不思議と空が澄み渡り,秋のような青空に美しいすじ雲が芸術作品のように空に広がった。

すじ雲の午後(2023-03-20 16:10)
すじ雲の午後(2023-03-20 16:10)
すじ雲の午後(2023-03-20 16:13)
すじ雲の午後(2023-03-20 16:13)
すじ雲の午後(2023-03-20 16:13)
すじ雲の午後(2023-03-20 16:13)

 そしてほどなく巻雲の下に高積雲の群れが流れてきた。

 巻雲も高積雲も,観天望気では雨の予兆。少なくともお天気下り坂のサインだ。
 天気予報でも翌日には曇り,更に翌々日には雨が降ることになっている。

 予報通り雨が近づいているのだなぁと思いながら青い空と美しい雲を見上げた春分前日の午後だった。